特別企画


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揺れる地殻変動帯―日本列島 再び

 石川県能登地方で5月5日14時42分ごろ、M6.5の地震が発生。震源の深さは12kmで、石川県珠洲市(すずし)で震度6強を観測したほか東北地方から中国・四国地方にかけて震度5強~1を観測。この地震で屋根を修理していた男性1人が転落して死亡した。石川県内で住宅や神社の鳥居が倒壊するなどの被害が出た。同日5日21時58分ごろに再び同地方でM5.9の地震があり、珠洲市で最大震度5強を観測した……もっと見る


東京国際消防防災展2023
 6月15日〜18日開催

 第11回「東京国際消防防災展2023」(FIRE-SAFETY TOKYO/英語名:Tokyo International Fire and Safety Exhibition 2023、主催:東京消防庁/(株)東京ビッグサイト/東京国際消防防災展2023実行委員会。以下「消防防災展」)が、来たる6月15日~18日の4日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)の東5・6・7ホール、東棟屋外展示スペース、有明西ふ頭公園沖合を会場として開催される……もっと見る


究極の“アナログ津波防災”―「防集」

 「事前復興」という防災用語がある。とくに阪神・淡路大震災以降浮上した災害・防災・復興研究の考え方で、「災害が発生した際のことを想定し、被害最小化につながる都市計画やまちづくりを研究・計画・推進」することだ。今日、市町村における防災事業の推進における主要事業である減災や防災まちづくりの一環として行われる取組みのひとつともなっている。この事前復興まちづくりの事例として、南海トラフ巨大地震での大津波を想定する「高知県事前復興まちづくり計画」を取り上げる……もっと見る


東日本大震災11年の福祉防災 -2-
『災害ケースマネジメント』

 『フェーズフリー福祉防災 ~福祉なくして防災なし~』の第2弾として、「災害ケースマネジメント」(DCM:Disaster Case Management)に焦点を当てる。「災害ケースマネジメント」とは、被災者を個別支援して生活再建につなげる取組みであり、その推進にも多くの主体が関わることになる。広域大規模災害が想定されるわが国で、平時のいまこそ被災者支援制度を拡充させる機会であり、”フェーズフリー福祉防災”構築のキーワードになりそうだ……もっと見る


高齢化時代の”重くて深い課題”
―「克雪」

 年が明けての1月11日夜から14日夜まで、冬型の気圧配置は72時間に及び、予想される積雪の増加量は、北日本や北陸の山沿いで1mを大きく上回り、2m近くに達する所があるとの直近の予報が出ている。また、北海道は石狩湾から札幌市内、千歳方面へ雪雲が広がりやすい北よりの風となり、札幌市の中心部でも30~50cmの積雪が予想され、新千歳空港への影響が懸念される。長い所では丸3日間にわたって断続的に雪が降り続くため、万全の備えが必要だ(1月14日午後3時現在)……もっと見る


日本海溝・千島海溝
巨大地震の最悪想定に備える

 中央防災会議は「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会」を2015年2月に設置、最大クラスの震度分布・津波高等の推計結果を2020年4月に公表した(岩手県の浸水想定については同年9月11日に公表)。この震度分布・津波高などに基づき被害想定と防災対策を検討するために、2020年4月に「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ」が設置され、同ワーキンググループは昨年(2021年)末の12月21日、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の被害想定を公表した……もっと見る


震災から10年「 復興道路」全線開通
 八戸~仙台間、359km

 東日本大震災の「復興道路」として国(国土交通省)が整備してきた三陸沿岸道路(三陸道=三陸縦貫自動車道、三陸北縦貫道路、八戸・久慈自動車道)は昨年(2021年)12月18日、青森県八戸市〜仙台市間(約359km)の全線で開通した。
 これまで未開通だった岩手県普代村―久慈市間の約25kmが、同18日に供用開始しており、これで岩手、宮城、福島各県の太平洋沿岸と内陸を結ぶ4つの「復興支援道路」を含めて格子状の高速交通ネットワークを形成、全長約570kmに及ぶ道路網が完成したことになる……もっと見る


首都圏外郭放水路 見学ツアー

 埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」と言えば、首都圏を水害から守る日本が世界に誇る防災施設で、インフラツーリズムの一拠点としても注目されている。その基幹施設のひとつである「調圧水槽」は、地下空間に巨大な柱が59本立ち並ぶ神殿を思わせ、「防災地下神殿」の異名でも知られ、映画のロケ地としても活用されるなど人気を博している。
 「防災地下神殿」の威容は写真等で見た人も多いだろう。また、防災関係者ですでに見学に訪れた向きは少なくないだろう。ただ、同施設は埼玉県・春日部駅から車で約20分の場所に位置しているものの、公共交通機関で訪れるにはアクセスに課題があった。それがぐんと便利になりそうだ……もっと見る


想定内 vs. 想定外―
温暖化抑止と海底火山軽石漂着

 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が、「第1作業部会」による地球温暖化の「自然科学的根拠」をまとめた「第6次評価報告書」を去る8月9日に公表し、今後20年以内に産業革命前からの気温上昇がパリ協定の目標である1.5度に達する可能性があること、そして、温暖化の原因は人類が排出した温室効果ガスであることについて従来の表現より踏み込んで「疑う余地がない」と断定したことは記憶に新しい。
 昨日10月31日、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が、英国グラスゴーで始まった……もっと見る


首都直下トライアル
「災害は忘れたからやってくる」

 10月7日22時41分、千葉県北西部・深さ75kmを震源とするマグニチュード(M)5.9(暫定値)の地震が発生した。気象庁によると、最大震度5強を埼玉県川口市・宮代町、東京都足立区の3つの市区町村で観測したほか、東北地方から近畿地方にかけて震度5弱~1を観測した。津波はなし。
 長周期地震動については、千葉県北西部、東京都23区で長周期地震動階級2を観測。これらの地域の高層ビル高層階等では、物につかまらないと歩くことがむずかしい、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがあるなどの大きな揺れになった可能性がある。また、緊急地震速報(警報)が、この地震の地震波検知から3.7秒後の22時41分38.5秒に発表されている……もっと見る


熱海土石流
盛り土×土石流危険渓流

 7月3日午前、静岡県熱海市の伊豆山(いずさん)地区で大規模な土砂崩れが発生し、約130軒の住宅や車が土砂に流され、土石流は相模湾にまで達した。これまでに11人の死亡が確認され(7月14日現在)、まだ17人の安否が分かっていないという。被害を受けたまち(住宅など)は、「土石流危険渓流」沿いにあった――
 土石流は断続的に発生し、標高400mの起点から約2kmにわたり流れ下ったとされる。土砂は約5万5500立方mにのぼると推定。流れ落ちた土石流のほとんどが、起点付近の盛り土だった可能性があるとして検証が進められている……もっと見る


在宅避難が勧められるいま、
「情報弱者=災害弱者」の現実

 季節はこれから出水期を迎える。防災においては再び、災害の季節を迎えることになる。「災害犠牲者ゼロ」をめざす本紙として、コロナ禍のさなか、気象情報の大雨予報ごとに、また地震が起こるごとに緊張感にとらわれる思いだが、単に災害の発生、災害からの被災を恐れるだけではない。人の命がかかわる防災情報においては、自然ハザードから身をかわすこと、避難も重要なテーマであり、本紙にとっては、防災情報をいかにして得るか、どのように発信するかも大きなテーマとなる……もっと見る


女性主導の防災推進
―協働の輪広がれ

 本紙はこれまで男女共同参画の趣旨に基いて、防災分野での女性参画を多角的に取り上げてきた。その際の本紙の視点は、本年1月16日付け記事「『女性視点』の災害対応力強化」で、「ことさら””女性視点”は変」としたように、本来の女性参画の趣旨は、女性を防災施策・方針決定の“主体”としてカウントしているか、女性を(男性と同レベルで)防災・復興の「主体的な担い手」としているかにある……もっと見る


被災地の3地方紙共同
『おみやげ防災』キャンペーン

 本年年初(2021年1月15日)、神戸新聞社、福島民報社、熊本日日新聞社が、地方紙の持つ防災情報を全国に発信していく共同プロジェクトとして、被災した地元を長年取材して蓄積された防災記事を印刷した買い物袋『おみやげ防災』の配布を実施すると発表した。3社(3紙)はそれぞれ、阪神・淡路大震災(1995年1月17日発災)、東日本大震災(2011年3月11日発災)、熊本地震(2016年4月14日発災)の被災地の地方紙で……もっと見る


「原発震災」―予見から想定内へ
変動帯+社会風土=原発リスク

 報道によれば、東日本大震災発災、そして東京電力福島第一原子力発電所(通称「F1」)事故勃発から3月11日に10年を迎える直前の3月10日、東京電力は、柏崎刈羽原発(新潟県)で社員が他人のIDカードを使って不正に中央制御室に入った問題の再発防止策をまとめた報告書を原子力規制委員会に提出。社員に対する「警備員の忖度(そんたく)」などがあり、「厳格な警備業務を行い難い風土」が一因になったと分析。対応策として、警備業務に関する管理職を新たに配置するなどの体制強化を掲げたという……もっと見る


【 速報! 】
デジャヴ(既視感)としての
福島県沖地震

2021(令和3)年2月13日23時08分頃の福島県沖の地震概要(気象庁資料より)――発生時刻:2月13日23時07分、マグニチュード:7.3(暫定値)、場所および深さ:福島県沖 深さ 55km(暫定値)、発震機構:西北西―東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型(速報)、震度:宮城県の蔵王町、福島県の国見町、相馬市、新地町で最大震度6強を観測したほか、北海道から中国地方にかけて震度6弱~1を観測……もっと見る


都市防災に期待高まる
「防災協力農地」

 「防災協力農地」をご存知だろうか。「防災協力農地」(以下、「防災農地」)とは阪神・淡路大震災を教訓に、まず首都圏を中心に広がった自治体・町内会などと農地所有者・農業協同組合(JA)などとの災害時応援協定、あるいはあらかじめ協力農地として登録しておく農地のことを言う。この防災農地が、新型コロナ蔓延下で災害が起きた際、人が密集しないように避難所の増設が課題となることから、期待が高まっている……もっと見る


攻める「オンライン防災広報」

 国の政府広報オンライン(運営:内閣府大臣官房政府広報室)は昨年(2020年)10月、政府の広報・広聴活動をまとめたポータルサイト「チームNEXTステップ」を開設した。主に政府関係機関が主催するシンポジウムやワークショップをオンラインで公開しようというもので、「いわゆるwithコロナ(ウィズコロナ)時代の中で新しい日常をつくり、これからの暮らしを守るために実施する広報事業」と銘打っている……もっと見る


厚岸町津波シミュレーション
/原子力災害仮想訓練

 北海道から東日本の東北北部太平洋側に延びる日本海溝・千島海溝沿いで起こる海溝型地震について、国は昨年(2020年)4月、過去最大級の地震が発生した場合の最大津波高の推計結果を公表した。千島海溝と日本海溝で、それぞれマグニチュード(M)9.3、M9.1の過去最大級の地震を想定……もっと見る


「女性視点」の災害対応力強化

 昨年(2020年)12月25日に、「2021~25年度の第5次男女共同参画基本計画」が閣議決定された。新設の22項目を含む、政治経済や地域、教育など11分野を中心に89項目で女性登用の数値目標を策定。いっぽう、政治家や経営者などのリーダー層を指す「指導的地位」に就く女性の割合については、全体的な目標として「2020年代の可能な限り早期に30%程度」と掲げ直し、最長10年程度先送りした……もっと見る


克雪が今冬も課題に

 今冬、日本列島に襲来した寒気で積雪による被害が目立っている。2020年12月14日から21日までの総降雪量は200cmを超えた地点が9地点と、新潟県と群馬県、東北地方を中心に記録的な大雪となり、12月16日から18日の夜にかけて関越自動車道で多くのクルマが立ち往生するという事態が発生した……もっと見る


大雪で車 立ち往生、どうする?

 2020年12月16日から18日の夜にかけて関越自動車道で多くのクルマが立ち往生するという事態が発生した。気象庁は16日、冬型の気圧配置による強い寒気の影響で、日本海側を中心に大雪になっている所があると発表、17日まで断続的に雪が降ると予想して雪崩や路面の凍結への警戒、交通への影響に注意するよう呼びかけていた……もっと見る


「気候変動x防災」
――気候・環境対応への「変容」

 内閣府(防災担当)は去る6月30日(安倍晋三政権のもと)、「気候変動×防災」に関する武田良太内閣府特命担当大臣(防災)(当時、現 小此木八郎)・小泉進次郎環境大臣(留任)の共同メッセージをとりまとめ公表した。
 想定を超える気象災害が各地で頻発し、気候変動はもはや「気候危機」と言える状況のなか、気候変動リスクを踏まえた抜本的な防災・減災対策が必要とし、共同メッセージを、気候変動対策と防災・減災対策を連携して取り組む戦略「気候危機時代の『気候変動×防災』戦略」と命名した……もっと見る


ニューノーマルとしての
「分散避難」

 近年まで、大雨や地震時に自治体から避難勧告・指示が出たときは、まず避難所へ避難、そしてその避難率が低いということが課題だった。その後、垂直避難が選択肢に入り、自分がいる場所が安全であれば在宅避難で、という流れになった。
 2020年台風10号(9月上旬)では、新型コロナウイルス感染症の蔓延下での避難となって、避難の態様はさらに進んで、ホテルや親戚・知人宅、安全な自宅、そして車避難などに分散して避難する「分散避難」が初めて大規模に実施された……もっと見る


東日本大震災10年を前に、
11月5日「津波防災の日」

 東日本大震災以降、毎年11月5日は「津波防災の日」 、「世界津波の日」だ。呼称が2つあるのはまぎらわしいが、「津波防災の日」はわが国で法律で制定された呼称で、2011年(平成23)年3月11日発災の東日本大震災(地震名:東北地方太平洋沖地震)での大津波で多くの人命が失われたことから、同年6月、津波から国民の生命を守ることを目的に「津波対策の推進に関する法律」が制定され、そのなかで毎年11月5日を「津波防災の日」とすることが決められた……もっと見る


避難所の多様化
――ホテル、大学、民間施設…

 先の台風10号では、気象庁が進路予報段階から特別警報発令の可能性に触れ、最大級の警戒を呼びかけた背景もあり、また新型コロナウイルスへの懸念もあったことから、事前に避難を試みる人のなかには堅牢な建物で浸水のおそれがないホテルなどに分散避難する人が相次いだという。当然、自治体の指定避難所ではないので有料での宿泊となるが、プライバシーが確保され、基本的なホテルサービスが受けられることから、台風避難としてはある意味当然の選択だろう……もっと見る


本気で災害からいのちを守る

 直近の報道の見出しに「縦割りの弊害なくし利水ダムも洪水対策に活用へ官房長官」(NHKニュース、8月12日付け)とあった。「国が管理する水系にあるおよそ900のダムは縦割りの弊害をなくし、洪水対策に使えるよう見直した」というもので、ダムが用途に応じて所管する省庁が異なり、治水用のダムは国土交通省、発電用は通商産業省、農業用水用は農林水産省とそれぞれ別の省庁が所管することでの防災上の弊害(2019年台風19号での緊急放流を例に)を是正するというものだ……もっと見る


災害に備える
民生委員・児童委員

 朝日新聞7月26日付け「声」欄に「美談にしないで、民生委員の支援」という投稿があった。投稿者は自身が民生・児童委員(70)で、投稿内容は次のようなものだ(全文引用)――
 「熊本県などに大被害をもたらした豪雨災害。被災者支援で奮闘した民生委員についての本紙記事に違和感を覚えた。記事によると、民生委員は、腰の高さまで水が来ていながらも、被災者を自宅2階へあげて助けるなど、救援の様子は臨場感にあふれる……もっと見る


「2020(令和2)年7月豪雨」
5年連続 気象庁命名の風水害

 本年(2020年=令和2年)7月3日以降、熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で集中豪雨が発生、気象庁は7月9日現在進行中の大雨災害について「令和2年7月豪雨」と名づけた(本紙表記は「2020年7月豪雨」)。
 この命名は、気象庁が顕著な災害をもたらした自然現象について、後世に経験や教訓を伝承すること、災害発生後の応急・復旧活動の円滑化を図ることなどを目的として定めるもので、「令和2年7月豪雨」は、初めて現在継続中の災害事象への命名となっている……もっと見る


ポスト・コロナの「新しい防災」

 6月12日は1978年宮城県沖地震から42年。宮城県や仙台市は6月12日を「防災の日」と定め、県民・市民がこぞって災害教訓を確認する日としている。
 宮城県はこの日、大規模災害を想定した総合防災訓練を県庁で実施した。「COVID-19」(新型コロナウイルス感染症、以下「新型コロナ」)感染を防ぐため、関係者・県民が一堂に集まって「密」となる従来(3000人規模)の防災訓練のかたちは取れず、参加26機関・団体約200名が電話やウェブ、ネット電話アプリ「スカイプ」などを使って……もっと見る


情報で備える
「COVID-19 第2波・第3波」

 低頻度巨大災害は、私たちの大きな関心事である。100年、1000年、あるいは1万年の時間スパンで起こる地球規模の天変地異だ。それは例えば火山の破局噴火(例えばイエローストーンの破局噴火)であり、マグニチュード(M)9レベルの巨大地震・津波(例えば南海トラフ巨大地震)であり、時には大都市直下で起こる活断層地震(例えば首都直下地震)などである。そして気候変動で想定される大都市湾岸ゼロメートル地帯を襲うスーパー台風や高潮、大雨による河川の大氾濫などは、眼前の私たちの防災対応課題である……もっと見る


最悪複合災害と「経世済民」

 『COVID-19』(新型コロナ感染症)はパンデミック(世界的流行)となり、日本の社会・経済にも多大な影響を及ぼしている。その感染状況、社会・政治の対応は日々更新を続けており、わが国の 「緊急事態宣言」の期間も延長される見通しだ(4月30日現在)。
 感染症はいわゆる自然災害とは異なるとして、防災分野に関わるメディアや機関・団体でも主 要テーマとして追わないところもある。そんななか、国(内閣府防災担当・避難生活担当参事官) は去る4月1日と7日、「避難所における新型コロナウイルス感染症への対応」について通知を発 出し、出水期の災害への備えとして災害避難所と感染症を“ヒモ付け”した……もっと見る


常襲化する自然災害
“複合課題”をどうする?

 環境保全と防災について調査・研究・普及啓発を行うCeMI防災・環境研究所(以下「CeMI」: Crisis & Environment Management Policy Institute/NPO法人 環境防災総合政策研究機構)が先ごろ、「災害時の避難における新型コロナ感染症対策等に関する国民の意識や行動調査」の集計結果(速報)を公開して注目されている。CeMIは「タイムライン(防災行動計画)」の策定支援でも知られ、「台風に備えた家族と私のタイムライン」やわが国初の「高潮タイムライン」策定支援などのユニークなバーション展開が話題だ。
 今回の「避難意識・行動調査」も、調査対象は「過去の災害時に避難経験がある人」という独自の視点で行われた……もっと見る


『COVID-19』長期戦下、医療崩壊、複合災害に備える

 COVID-19感染症の世界的流行――パンデミックは世界を席巻しており、日本ではこれからが正念場になりそうな状況だ。世界の感染者数は累計200万人を超え、死者数は12万人に迫っている(米国ジョンズ・ホプキンス大学まとめ、4月14日現在)。
 日本では、厚生労働省のまとめで、4月13日12時時点で感染者数は累計7255例、内訳は患者4552例、無症状病原体保有者531例、陽性確定例(症状有無確認中)2172例、国内の死亡者は102名(国内での退院者799名)――海外での感染症の急増状況(オーバーシュート)や数字と、わが国のそれとはこれまで大きな違いが出ていて、表面上わが国での”深刻度の濃度”はまだ薄いと言えそうだ……もっと見る


感染しない、させない― 内なる“ロックダウン”(自衛)

 COVID-19感染症の世界的流行――パンデミックはついに、世界を席巻し始めた。世界の感染者数は累計72万人を超え、死者は約3万4千人となっている(米国ジョンズ・ホプキンス大学まとめ、3月30日現在 *上画像参照)。中国から発したCOVID-19は、欧米ではまず、イタリアで「オーバーシュート」(感染者急増/約9万8千人)し、その後、スペイン(約7万9千人)、ドイツ(5万3千人)、フランス(約4万人)、英国(約2万人)などへ広がった(外務省まとめ、3月30日現在)。
 いっぽうわが国では目下、感染者数は2千人を下回っており、欧米主要国と比べれば“抑えられている”いっぽう、「オーバーシュート」を避けるための「非常事態宣言」がいつ発せられるか、また東京都で、あるいは首都圏で「ロックダウン」(都市封鎖)が実施されるかどうかが焦眉の課題となっている……もっと見る


千年に1度の大震災から9年 災害周年の深化

 本紙は防災に特化したメディアとして、いま“世界の災禍”となっている「COVID-19」パンデミック宣言(認定)と、わが国の“千年の災害”である東日本大震災発災から9年の周年が、たまたま日時(3月11日 *日本時間)が合致したことに特別な意味を持たせている。それは、パンデミックも大災害も、人類(一人ひとり)にとって、「不条理」な災害であるという点で共通テーマであり、象徴的に歴史に刻まれる日付けとなるからだ……もっと見る


COVID-19と東日本大震災9年

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が3月11日、世界の感染者数が12万人となったこ とを踏まえ、新型コロナウイルス「COVID-19」について「パンデミック(世界的な大流行)とみなせ る」と表明した。WHOがパンデミックと認定したのは2009年に流行した新型インフルエンザ以 来11年ぶりとなる。この日はわが国では東日本大震災から9年の日であり、その偶然の符合につ いては、後段で触れることになる……もっと見る


COVID-19と“インフォデミック”

 「Covid-19」(新型コロナウイルス、または新型肺炎)が国難として急浮上している。情勢は日々 刻々、新局面を迎えており、政府・厚生労働省の決定・発表情報も朝令暮改の様相を呈している。 いま私たち個人に求められる対処・対応法とは――
 2月27日、安倍晋三首相は、総理大臣官邸で第15回新型コロナウイルス感染症対策本部を開 催し、「ここ1、2週間が極めて重要な時期。このため、政府としてはなによりも、子どもたちの健康・ 安全を第一に考え、多くの子どもたちや教職員が、日常的に長時間集まることによる感染リスク にあらかじめ備える観点から、全国すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、 来週3月2日から春休みまで、臨時休業を行うよう要請」すると宣言した……もっと見る


逗子市土砂災害「日常性に潜む災害リスク」

 日常性に潜む災害リスクが突然、露出した。2020年2月5日午前7時58分、神奈川県逗子市池子2丁目に建つマンション「ライオンズグローベル逗子の丘」の東側斜面が崩壊、側面の市道を通学のために歩いていた18歳の女子高校生が土砂に巻き込まれて死亡した。崩落した土砂量は約68t。この斜面は逗子市が、土砂災害警戒区域に指定していた……もっと見る


避難情報の住民啓発、防災士が促そう

 2019年の台風15号、19号など、広域豪雨災害などを教訓として、避難対策の強化を検討するために中央防災会議 防災対策実⾏会議のもとに設置された「令和元年台⾵第19号等による災害からの避難に関するワーキンググループ」(主査:⽥中 淳・東京⼤学⼤学院情報学環総合防災情報研究センター⻑ 教授。以下「WG」)。その論点として、「災害リスクととるべき⾏動の理解促進」、「⾼齢者等の避難の実効性の確保」、「わかりやすい防災情報の提供(避難勧告・避難指⽰のあり⽅)」などがあげられている……もっと見る


新型コロナウイルス “万全の対策”より「臨機応変」で

 中華人民共和国湖北省武漢市で昨年(2019年/令和元年)12月以降、「新型コロナウイルス」に関連した肺炎の発生が報告され以来、世界各地から患者発生の報告が続き、わが国内でも新型コロナウイルス感染症が複数確認されている。厚生労働省は、国内では人から人への持続的な感染を確認していなかったが、2020年1月30日、この事例を初めて認めつつ、感染予防対策としては季節性インフルエンザと同様の「咳エチケット」や手洗いなどを推奨している……もっと見る


「正しく怖れることはむずかしい」―だから…

 中華人民共和国湖北省武漢市で昨年(2019年/令和元年)12月以降、「新型コロナウイルス」に関連した肺炎の発生が報告され、本年に入って世界各地から患者発生の報告が続き、ついにわが国内でもその流行の可能性が懸念される事態となっている。直近(1月31日)の情報では、世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC: Public Health Emergency of International Concern/フェイク)を宣言した……もっと見る


阪神・淡路から25年 周年の厚みを継承

 阪神・淡路大震災、そして東日本大震災は、わが国・国民の自然災害への向き合い方について、画期的なギアチェンジ・意識改革を迫り、さらに近年の連続する災害はさらにその”進化・深化”を促している。
 阪神・淡路大震災を契機として”進化・深化”を成し遂げた防災・減災への国民運動的な”志”を象徴する制度がある。それは「防災士(防災士制度)」である。
 防災士制度は、阪神・淡路大震災のボランティアに啓示を受けたひと握りの篤志家たちの一意専心の志の萌芽として、2003年10月に、防災士認証者数216名をもって誕生した……もっと見る


[特別寄稿] 齋藤徳美岩手大学名誉教授 住民は危険な深夜に避難、 頻発する風水害対策へ根本的 見直しを!

 令和元年10月12日から13日にかけて、関東から東北地方沿岸を縦断した台風19号では、岩手県でも普代村で時間95mm、総雨量467mmなどと記録的な豪雨をもたらし、洪水・土砂災害など大きな爪痕を残した。
 災害時の避難の勧告・指示は、気象庁が発表する警報に基づいて首長が発令する。しかし、平成28年の台風10号に際して、自治体が適切な判断をできず、避難に十分な時間が取れないまま多くの犠牲を出した教訓を踏まえ、岩手県では、盛岡地方気象台・国土交通省岩手河川国道事務所・県河川課・県砂防課・岩手大学専門家からなり、市町村長に助言を行う「岩手県風水害対策支援チーム」を平成29年6月に立ち上げ、これまで4度、早期避難の助言を行ってきた……もっと見る


近未来コンパクトシティ構想― 「居住誘導区域」に災害リスク?!

 東京都江戸川区の「江戸川区水害ハザードマップ」が表紙の浸水予想区域の説明図に『ここにいてはダメです』と書き込んで(賛否の)話題を呼んだことは、本紙も最近伝えた。
 その後、台風15号、19号、そして21号の影響を受けた大雨などでこの秋、各地で河川氾濫が起こり、現下、広域同時多発大規模水害となっている。東京都では多摩川が氾濫したが、荒川の決壊想定で引き起こされる大規模水害によって”水没”する可能性がある東京東部低地帯に位置する江東5区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)の「250万人広域避難計画」が、決して想定外ではないことが改めて浮き彫りになったと言える……もっと見る


「広域同時多発水害」に どう備えるか

 「広域同時多発」と言えば大地震のあとの火災の発生を伝える常套句だが、今回は「水害」で の形容となった。
 本紙は9月15日付けで台風15号による千葉県を中心とする被害を伝え、そのひと月後の前号10 月15日付けで台風19号被害状況を速報(14日12時時点)した。このとき、死者37人、行方不明者 17人、河川の決壊は21河川24カ所、越水は延べ142河川(13日20時56分現在)と伝え、「まさに 広域・ゲリラ的”河川の反乱”の様相を呈している」としたが、その後、台風19号の災害規模は大き く拡大。災害は規模が大きくなればなるほど初期の被災情報はあくまで小間切れで入ってくるこ とを思い知ることになった……もっと見る


台風19号 「反乱」する河川 VS. それぞれのタイムライン

 台風第19号は10月12日19時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸した後、関東地方を通過し、13日未明に東北地方の東海上に抜けた。台風本体の発達した雨雲や台風周辺の湿った 空気の影響で、静岡県や関東甲信地方、東北地方を中心に広い範囲で記録的な大雨となった。10日からの総雨量は神奈川県箱根町で1000mmに達し、関東甲信地方と静岡県の17地点で500mmを超えた。
 この記録的な大雨により、気象庁は大雨特別警報を、12日15時30分に静岡県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、山梨県、長野県の7都県に、続いて12日19時50分に茨城県、栃木県、新潟県、福島県、宮城県の5県、13日0時40分には岩手県に発表した……もっと見る


台風15号、複合二次・三次災害は想定外か

 台風15号の余波は、いまなお続く――  台風15号は2019年9月5日に南鳥島近海で発生、徐々に発達しながら8日には神津島付近で中心気圧955hPa・最大風速45m/sの「非常に強い」勢力となった。台風はさらに三浦半島に接近、9日3時前に三浦半島を通過し、その中心は東京湾に抜けて北東に進み、9日5時前には千葉市付近に上陸した……もっと見る


自由研究としての「SDGs」 防災の志とも共振・共鳴

 近年、”持続可能(な)、持続可能性”(英語では sustainable / sustainability)という用語をよく聞く。翻訳調の言い回しで、事実、わが国にはなかった用語・概念だが、いまでは社会的な課題提起から企業戦略まで、”持続可能(な)、持続可能性”は、現代から近未来の世界を理解するためのキーワードとして欠かせないものとなりつつある。
 用語例として”持続可能な社会”を取り上げてみよう。それはどういう社会か――一般的には、「地球環境や自然環境が適切に保全され、将来の世代が必要とするものを損なうことなく、現在の世代の要求を満たすような開発が行われる社会」と定義される……もっと見る


避難指示、出す・出さない?その判断、AIが支援します。

 去る7月上旬、九州南部での大雨で鹿児島市などに「全域避難指示」が発令されたことで、本紙 は(2019年)7月26日付け(下記にリンク)で、“市内全域避難”に疑問を呈した。また、マスメディア報道では避難場所への“避難率”の低さを取り上げ、住民の意識の低さと関連づける傾向があることにも異議を唱え た。
 国のガイドラインは、避難には指定緊急避難場所への避難のほか、近隣の安全な場所への 避難(「水平避難」)、屋内の2階以上での安全確保(「垂直避難」)といった”避難法”を認めているからだ……もっと見る


「全域避難?」 どこへ逃げる?

 去る7月上旬、九州南部では梅雨前線の影響で大雨となり、(7月)1日午前2時40分、鹿児島市が市民の7割を超える42万人余りを対象に、速やかな避難を呼びかける「避難勧告」を出した。翌2日午後2時、気象庁が会見を開き、「自らの命は自らが守らなければならない状況が迫ってきている」と危機感を訴えた。そして3日午前9時35分、鹿児島市は市の全域59万人余りに「避難指示」を出した。その直後に気象庁は再び会見を開き、4日朝にかけても猛烈な雨が続く恐れがあり、「場合によっては、大雨特別警報を発表する可能性がある」とさらなる警戒を呼びかけた……もっと見る


「ここにいてはダメ」~警鐘、次つぎと…

 このところ矢継ぎ早に「災害リスク」への警鐘やリスク評価に関連する情報が飛び交っている。その出所は国や自治体、研究者・機関などだ。これにマスメディアもそれなりに反応し、国民・市民への啓発、警鐘・警告の動きも見られる。
 例えば、東京都江戸川区が去る5月20日に公表した「江戸川区水害ハザードマップ」は……もっと見る


「令和防災研究所」発進!

 「令和防災研究所」(東京都千代田区平河町2-7-4 砂防会館別館7階。青山 佾所長)が去る5月1日付けで設立され、同20日、東京都千代田区の主婦会館プラザエフで設立記者会見およびレセプションが開催された。
 令和防災研究所定款によれば、研究所の事業は「防災に関する研究」、「防災に関する情報の収集と提供」、「防災に関する啓発」、「防災士制度及び防災士活動の強化に資する活動」の4つが柱……もっと見る


自然災害の最悪想定、PDC
映画ではない「地球防災」

 「新海誠監督のアニメーション映画『君の名は。』。この映画は空前絶後の世界の話だと思っている人は多いだろうが、実は十分に起こりうる現実に即した話題だ」――(後述)
 自然災害の最悪想定は、もしかすると、巨大地震でも破局噴火でもカテゴリ6の暴風雨でもないのかもしれない。隕石、あるいは地球接近天体(地球近傍物体)の地球への衝突も、自然災害だと言っていいだろう。そしてそれこそが、最悪ともなり得る……もっと見る


レジリエントな食品ストック

 農林水産省は去る3月7日、各家庭で食料の備蓄に無理なく取り組むための啓発ガイド「災害時に備えた食品ストックガイド」と「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」(いずれも冊子)を制作して公表、また、「家庭備蓄ポータル」を立ち上げた……もっと見る


『令和』の想定災害に備える

 平成の時代を災害・防災の分野から見れば、なんと言っても阪神・淡路大震災(1995年/平成7年)、東日本大震災(2011年/平成23年)が起こった元号として特筆されるだろう。後世、災 害史的な視点では、阪神・淡路大震災後の日本列島でいよいよ地殻変動が本格的に始まった時代と評価されるかもしれない。
 余談だが、85歳になられる現天皇がこの5月1日に退位、59歳の皇太子が即位することになる が、もし天皇85歳退位が前例になるとすれば、新天皇の『令和』は26年間で決まりということになる……もっと見る

< 2019. 04. 21. >


祝! 三陸鉄道 リアス線開通

 東日本大震災から8年、復興のシンボルとして三陸鉄道(以下「三鉄」)リアス線が去る3月23日開通、一般乗車が翌24日から始まった。三鉄の経営は開通前から心配されているが、三陸復興の成否を握るとも言われる。本号では、本紙の三鉄支援の意思表示を兼ねて、「三陸鉄道を勝手に応援する会・三鉄黒字化プロジェクト」座長の齋藤徳美先生(岩手県東日本大震災津波復興委員会・総合企画専門委員会委員長)から特別寄稿をいただき……もっと見る

< 2019. 04. 09. >


P 1 熊本県の防災啓発動画「くまモン棋士の必殺3手」より 1 150x150 - 特別企画

防災啓発〜あの手・この手〜

熊本県のゆるキャラ「くまモン」は、押しも押されぬ人気No.1のゆるキャラとなっていることに 異論はないだろう。そのくまモンが、熊本地震の経験を踏まえて、県民に自助の取組みを推奨する県の啓発動画『災害に対する自助力アップ!くまモン棋士の”必殺3手”~とめて・ためて・きめて~』に将棋の棋士に扮して登場する……もっと見る


「計画運休」、効用と課題

 朝日新聞9月16日付け「声」欄に「災害直撃時も『日常通り』必要か」という投稿が載った。市場勤務の55歳男性(愛知県在住)の投稿で、大型台風が上陸する早朝、大手コンビニ向け食品配送の仕事に就いていた彼は、台風が上陸する早朝、普段通りの出発を命じられた。先輩から「時速30km以上は出すな、横転するぞ」、「冠水に差しかかったら突っ切れ」などの注意を受け、配送業務に就いたが、運転中は恐怖を覚えるほどの猛烈な風雨で…… もっと見る


もうひとつの台風災害、「塩害」

 6月(18日)の大阪北部地震、7月の西日本豪雨、続いて“災害級の猛暑”、8月の台風21号、9月(6日)の北海道地震、9月末から10月初めにかけての台風24号、続いて日本海を北東に進んだ大型の台風25号――。日本は5カ月連続で、大規模な自然災害と、それぞれ新たな“想定を超えた災害”に見舞われるという異常事態をみた……もっと見る


WEB防災情報新聞 デザインを一新して 新サイトをオープン!

 「WEB防災情報新聞」は2008年の開設以来10年を経過し、このたび心機一転、新サイト「BJS防災情報新聞」を開設いたしました。サブタイトルは、「WE-BJS」(WebとWe、BJS=防災情報新聞の頭文字の組み合わせ)としています。”WE-BJS”を愛称としていただければ幸いです。
 なお、これまでの「旧 WEB防災情報新聞」サイトの全データは旧サイトにそのまま維持され、サイト中リンク等も活きています……もっと見る