土木学会の土木計画学研究委員会は2022年度から「国土強靱化定量的脆弱性評価委員会」を設置し、首都直下地震や三大港湾の巨大高潮、全国の河川における巨大洪水が生じた場合にどれだけの経済被害を受けるのかを推計(「脆弱性評価」)、同時に、防災インフラ投資がどれほどの減災効果を持つのかを、最新データと技術を用いて「定量的」に評価・推計する研究を進めている……


 レジリエンスジャパン推進協議会が有事に備えた地下シェルターの在り方について検討することを目的として、「災害大国日本における有事に備えた地下シェルターに求められる性能・仕様の在り方検討ワーキンググループ」の第1回会議を開催した。自然災害時にも有効に機能することも検討する……


 能登半島地震で震度6強の揺れを観測した石川県七尾市で「私たちは能登半島地震でも医療を止めない」と、地震の影響を感じさせずに地域医療をフル稼働させたのが、社会医療法人財団董仙会・恵寿(けいじゅ)総合病院(神野正博理事長)だ。本館は「免震構造」で、被害を免れたという……


 国土交通省では、同省が多く保有するデータと民間等のデータを連携し、フィジカル(現実)空間の事象をサイバー空間に再現する「デジタルツイン」(電子の双子)により、業務の効率化やスマートシティなどの国土交通省の施策の高度化、産学官連携によるイノベーションの創出をめざしている。具体的には……


 鹿児島市(下鶴隆央市長)は、火山防災を専門的に研究する「桜島火山防災研究所」を2025年度に設置する方針を、1月30日の下鶴市長記者会見で明らかにした。「桜島火山防災研究所」は、スタッフに火山防災の専門家を起用し、普段は大規模噴火時の避難方法の研究や火山防災教育、災害時は避難などでの助言や市民の避難につながる研究を行う組織を想定している……


 令和6年能登半島地震(M7.6)で、石川県輪島市、志賀町で震度7を観測し、能登半島をはじめ日本海沿岸に甚大な被害をもたらしている。この地震では建物倒壊、地震火災、津波などさまざまな被害形態が報じられているが、複数の地域で広範な液状化の発生も報告され、いわゆる地盤災害の様相も呈している……

 2004年中越地震(M6.8)では、新潟県川口町で震度7を観測。当時の山古志村では至る所で山地崩壊が発生し、村に続く道路はすべて遮断され、闘牛と錦鯉の養殖で有名な静かな山村は孤立した。約2千人の村民はヘリコプターで長岡市に避難することになった。2008年岩手・宮城内陸地震(M7.2)では最大震度が6強であったが、荒砥沢での国内最大級の地すべりをはじめ山地の崩落が頻発した。
 令和6年能登半島地震――山間地で震度7という最大級の揺れ、しかも半島という地形条件の下でいかに大きな被害が生じているか、官邸にはそのイメージを膨らませる才覚がなかったのであろう……


 遡って2012年7月31日、中央防災会議専門調査会「防災対策推進検討会議」は「最終報告~ゆるぎない日本の再構築を目指して~」を決定・公表した。「最終報告」は、「東日本大震災を踏まえ、私たちが学び、将来に向かって約束として果たすべきことをまとめ、今後のわが国の防災対策の方向性を示した」とした。東日本大震災発災から1年4カ月ほどを経てまとめられたものだった……

 国(内閣府防災担当)は、2015年3月に策定した「首都直下地震緊急対策推進基本計画」から10年が経過することから、このほど、同基本計画及び政府業務継続計画の見直しに向けて本格的な検討を開始するとして、中央防災会議に「首都直下地震対策検討ワーキンググループ(WG)」を設置……


 南海トラフ沿いのプレート境界で発生する最大規模の地震――南海トラフ巨大地震は、歴史的には約100年から200年の間隔で発生しており、最後に発生したのは1854年とされている。南海トラフ巨大地震は最悪、東日本大震災と同程度かそれ以上の規模の地震と津波を引き起こす可能性があり、全国各地に大きな被害が予想されている。そのため国は、南海トラフ巨大地震に備え、次のような対策を行っている……