日本海溝・千島海溝沿いにおける後発地震への注意を促す情報発信の導入に向け、情報の名称や情報発信時のよびかけ内容、防災対応の例示等について議論した「日本海溝・千島海溝沿いの後発地震への注意を促す情報発信に関する検討会」の報告書が2022年11月8日に公表された……


 大学が社会と一体となって学生の挑戦を応援するクラウドファンディング(一般人から出資を募る活動。英語:Crowdfunding/略称:CF)として、東北大学工学研究科・工学部が東北大学基金を活用、同学部学生が携わる「津波災害の指定緊急避難場所を掲示する専用アドバルーンの自動掲揚装置開発」をクラウドファンディングで実施中だ(11月30日まで)……

 2011年3月11日に発生した東日本大震災の大津波災害を教訓として、同年6月に津波対策を総合的に推進することを目的とした「津波対策の推進に関する法律」が制定され、その中で、国民の間に広く津波対策についての理解と関心を深めるために、11月5日を「津波防災の日」とすることが定められた。
 11月5日(旧暦)は、安政元年(1854年)に、「稲むらの火」のモデルとなった安政南海地震が発生した日で、さらに、2015年の国連総会では11月5日を「世界津波の日」とすることが採択され、津波防災の新たな取組みが国際的に始まっている……

 本紙10月6日付けで、中央防災会議「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ」が、「巨大地震の想定震源域及びその周辺でM7.0以上の地震が発生した場合、後発の巨大地震への注意を促す情報」として、マグニチュード(M)7クラスの地震が起きた場合、その後の巨大地震の発生に注意を呼びかける情報の名称を「北海道・三陸沖 後発地震注意情報」とする案を了承した……

 岩手県防災会議(会長:達増拓也知事)の地震・津波被害想定調査検討部会(部会長:戸舘弘幸県復興防災部長))は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震など最大級の地震と津波が発生した場合の被害想定をまとめた「岩手県地震・津波被害想定調査報告書案」をとりまとめ9月20日に公開、これを受け同月22日に開かれた県防災会議はこれを承認した……

 先ごろ、宮城県石巻市の東日本大震災遺構「門脇小学校」で、語り部の体験をもとに津波からの避難を自分ごととして考える『ツナミリアル』の体験会が開かれた。『ツナミリアル』とは、一般社団法人石巻震災伝承の会が東北大学災害科学国際研究所・佐藤翔輔准教授(災害情報学)の指導のもとで開発した、語り部の体験を共有する新しい「疑似体験型」防災学習プログラムだという。語り部が語る被災体験とその教訓を踏まえて、聞き手が「語り部の立場になったとき、どんな危険が考えられるか」「自分なら今後どう防災に取り組んでいくか」を考えようというものだ……

 気象庁は2022年度後半から、新たな基準を設けた緊急地震速報の運用を始める予定だ。これまでは「最大震度5弱以上」を予測した地震について、震度4以上が想定される地域を対象としていたが、4段階ある長周期地震動の「最大階級3以上」を予測したときにも、階級3以上の想定地域に発表する。
 気象庁は新基準の運用により、改めて大地震と長周期地震動への警戒を呼びかける。なお、新基準では、震度3以下の地域でも長周期地震動速報の対象になる可能性がある……


 衛星データによる地盤変動監視サービスを展開するEdafos株式会社(東京都豊島区)は、2018年9月6日に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震(M6.7、最大震度7)による被害箇所を、SAR(Synthetic Aperture Radar:合成開口レーダー。レーダーの一種で航空機や人工衛星に搭載、移動させることによって仮想的に大きな開口面(レーダーの直径)として働くレーダー)データを用いて抽出した……


 東京電力福島第1原発事故の避難者らが国と東電に損害賠償を求めた4件の集団訴訟で、最高裁第2小法廷は去る6月17日、初めて国の責任を認めない判決を言い渡した。「現実の地震・津波は想定よりはるかに大規模で、防潮堤を設置させても事故は防げなかった」と判断したもので、裁判官4人のうち3人の多数意見。1人は国の責任を認める反対意見を述べた……

 青森県は去る5月20日、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震などが発生した場合の地震・津波被害想定調査の結果を公表した。
 調査は、発生が想定される複数の地震・津波のなかで地域ごとに被害が最大になる予測を組み合わせて積み上げた。発生時を「夏の正午」、「冬の午後6時」、「冬の深夜」の3ケースとして被害を算出。最大(最悪)想定で、冬の午後6時の発生で県内の死者は5万3千人にのぼり、昨年12月に国が示した試算を1万2千人上回った……

 東京都は首都直下地震などによる被害想定を10年ぶりに見直し、「首都直下地震等による東京の被害想定」として去る5月25日公表した。東日本大震災を教訓として2012年に策定した「首都直下地震等による東京の被害想定」と、2013年策定の「南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定」の見直しで、東京都防災会議(会長・小池百合子知事)の地震部会(部会長:平田 直・東京大学名誉教授)で検討を進めてきた……