「東日本大震災・総理大臣官邸献花式」(月11日-首相官邸HPより)

 本紙は防災に特化したメディアとして、いま“世界の災禍”となっている「COVID-19」パンデミック宣言(認定)と、わが国の“千年の災害”である東日本大震災発災から9年の周年が、たまたま日時(3月11日 *日本時間)が合致したことに特別な意味を持たせている。それは、パンデミックも大災害も、人類(一人ひとり)にとって、「不条理」な災害であるという点で共通テーマであり、象徴的に歴史に刻まれる日付けとなるからだ……

首相官邸HPより

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が3月11日、世界の感染者数が12万人となったこ とを踏まえ、新型コロナウイルス「COVID-19」について「パンデミック(世界的な大流行)とみなせ る」と表明した。WHOがパンデミックと認定したのは2009年に流行した新型インフルエンザ以 来11年ぶりとなる。この日はわが国では東日本大震災から9年の日であり、その偶然の符合につ いては、後段で触れることになる……

 総合出版大手の株式会社小学館(東京都千代田区)が3月11日、 新型コロナウィルス感染症拡大による休校要請を受け、家庭学習を行う小・中・高校生への自宅学習支援として、学習まんが『小学館版学習まんが 少年少女日本の歴史』(全24巻)電子版を無料公開した(4月12日まで)。
 『小学館版学習まんが 少年少女日本の歴史』は発売以降、37年間を通じて人気を保ち、2020年に累計2020万部を突破した日本で最も売れている学習まんが……

出雲そば

 生めん類の製造業者団体である全国製麺協同組合連合会(全麺連)の「各地の名産・特産 出雲そば」によれば、「出雲そば」の発祥は江戸時代に松平直政(1601年~66年)が信州松本藩から改易で松江藩となった際にそば職人を連れていったことが始まりだったそうです。直政は徳川家康の孫に当たり、近江(滋賀県)で生まれ越前(福井県)に育ち、14歳だった1614年(慶長19年)に大坂冬の陣で初陣を飾ります。その際に敵である真田幸村から勇猛果敢さを称えられて軍扇を送られたエピソードが残っています……

 地域経済の持続的な発展に向け、自然災害から中小企業の経営資源を守り、事業の中断を防ぎ、被害を最小限にする減災の必要性が高まっている。とくに南海トラフ巨大地震の発生が確実視されることから、関西大学社会安全学部・減災政策研究室(永松伸吾ゼミ)は尼崎市と協働して、中小企業支援の減災対策ツール『企業のための減災ガイドBOOK』を制作した。同ガイドは、尼崎市内の企業および施設などで2月末から配布・配架されている……

防災・家バンク(日本ムービングハウス協会HPより)

 「防災・家バンク」とは、ムービングハウスを用いた応急仮設住宅の普及と社会的備蓄をめざす官民連携の取組みである。ムービングハウス自体もこれまであまり耳慣れない用語だが、ここでは、いわゆるトレーラーハウスやコンテナハウスとは異にしつつ(国際規格の海上輸送コンテナと形状・サイズは同じに設計)、「完成した一般住宅を応急仮設住宅として利用する」という……

国土交通省「頻発・激甚化する自然災害に対応した『安全なまちづくり』」(案/都市計画基本問題小委員会資料より)

 本紙は最近号で、「コンパクトシティ」「ウォーカブルシティ」などを取り上げ、また国土交通省の「防災・減災に向けて総力戦」を挑むという宣言も紹介した。国土交通省と言えば、わが国の“アベノミクス成長戦略”を支える重厚長大(死語?)的なハード施策の推進役の観があったが、まちの雰囲気や市民のゆとり、安全などを重視する方向に舵を切ったか、だいぶ風向きが変わってきたように思える……

WHO:新型コロナウイルスの新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真像(Getty-images)

 「Covid-19」(新型コロナウイルス、または新型肺炎)が国難として急浮上している。情勢は日々 刻々、新局面を迎えており、政府・厚生労働省の決定・発表情報も朝令暮改の様相を呈している。 いま私たち個人に求められる対処・対応法とは――
 2月27日、安倍晋三首相は、総理大臣官邸で第15回新型コロナウイルス感染症対策本部を開 催し、「ここ1、2週間が極めて重要な時期。このため、政府としてはなによりも、子どもたちの健康・ 安全を第一に考え、多くの子どもたちや教職員が、日常的に長時間集まることによる感染リスク にあらかじめ備える観点から、全国すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について、 来週3月2日から春休みまで、臨時休業を行うよう要請」すると宣言した……

震災伝承看板「子どもたちの命を救った道(三陸沿岸道路 釜石山田道路)」

 東日本大震災の教訓を後世に伝える「震災伝承施設」登録制度は2018年度に創設され、申請に基づき震災伝承ネットワーク協議会(構成機関:東北地方整備局、青森県、岩手県、宮城県、福島県、仙台市)が登録を行っている。
 「震災伝承施設」とは、東日本大震災から得られた実情と教訓を伝承する施設で、次のいずれかの項目に該当する施設が該当する。
①災害の教訓が理解できるもの……

 「ナッジ(nudge)」をご存知だろうか。Nudgeは直訳すると「ひじで軽く突く」という意味で、行動経済学や行動科学分野で、人びとが自発的に望ましい行動を選択するように促す仕掛けや手法、つまり「用語・表現などを工夫することで人に行動のきっかけを与える方法」を言う……

「体験型 防災アトラクション」会場に設置されていたパネル

 「体感型 防災アトラクション in 中央区」(主催=神戸市中央区役所、企画運営=株式会社フラップゼロα)が去る2月8日、神戸市勤労会館(兵庫県神戸市)で開催された。
「体感型 防災アトラクション」 は「第3回 国連防災世界会議(2015年3月)」での出展を皮切りに、全く新しい防災教育として誕生し、これまで関東・関西を中心に全国で開催され、約4万人が体験している(2019年3月現在)……

土砂崩落が発生した逗子市内周辺地図(逗子市「土砂災害等ハザードマップ」より)

 日常性に潜む災害リスクが突然、露出した。2020年2月5日午前7時58分、神奈川県逗子市池子2丁目に建つマンション「ライオンズグローベル逗子の丘」の東側斜面が崩壊、側面の市道を通学のために歩いていた18歳の女子高校生が土砂に巻き込まれて死亡した。崩落した土砂量は約68t。この斜面は逗子市が、土砂災害警戒区域に指定していた……