いきなり余談から入るのは恐縮だが、本記事大見出しにある「バックドアの学び」の“バックドア”を解説しておく。ここで言うバックドアとは、直訳すれば「裏口」または「勝手口」のこと。車の話ではなく、近年のIT分野のセキュリティ用語「不正侵入するための入口」でもない。むしろマイナー(マニアック)な野球用語で「打者の外角側のボールゾーンからストライクゾーンに変化する球を投げてストライクを取る投球」を意味する。要するに、ボールと思わせてストライクになるボールである……

 環境省は、地球温暖化が進行した世界で過去の台風と同様の台風が襲来した場合の影響について評価した結果を、去る7月21日、公表した。2019(令和元)年東日本台風(台風第19号)と2018(平成30)年台風第21号を対象に、スーパーコンピュータを用いたシミュレーションを実施し、降水量や河川流量、風速や高潮などの変化を分析した……

 本年は関東大震災から100年の年で、発災日である9月1日周辺は言うに及ばず、1年を通じて防災啓発イベントが盛りだくさんだ。そこで本紙が今号で試みるのは、やや異色の切り口――発災当時の著名人(文人、知識人、有名人、政治家など)による記録に残る「揺れ体験記」の数例だ。現代、私たちは地震防災科学の成果で、起震車で関東大震災(大正関東地震)の揺れそのものを“疑似体験”できるのだが、当時の著名人による大震災の分析・評価・論考とはひと味異なり、地震という圧倒的な自然の不条理に遭遇した生身の人間の恐怖体験を取り上げようというものである……

 東京都の東側には、海抜ゼロメートルの低地帯が広がり、大雨などにより甚大な水害が発生するおそれがある。都では、江東5区(墨田区、江東区、足立区、葛飾区、江戸川区)と連携し、もっとも被害が大きい場合を想定して、一世帯ごとの浸水の深さや浸水の継続時間、また、どのような避難行動をとればよいかなどを記載した「我が家の水害リスク診断書」を配布することとし、去る7月21日に公表した。全国初の取組み……


 文部科学省は去る7月26日、避難所となる全国の公立学校施設の防災機能に関する調査の結果を公表した。避難所に指定されている公立学校2万9000校あまりを対象に、生命確保期(避難直後から数日程度)における避難所に必要な防災機能の保有状況を把握することが目的で、2022年12月時点での調査としている……

 本年は、1923年9月1日に発生した関東大震災から100年を迎える節目の年。関東大震災でなにが起こったのかを振り返り、切迫する首都直下地震等の巨大地震に対して、行政、民間企業、市民等が連携した今後のまちづくりやインフラ整備をいかにしていくべきかを考えるシンポジウムと、関東大震災の歴史や最新の防災技術を学べる特別企画展が開催される……


 気象庁は去る7月10日、エルニーニョ監視速報(No.370/2023年6月の実況と2023年7月〜2024年1月の見通し)を発表、「春からエルニーニョ現象が続いているとみられ、今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90%)」とした。報道ではさらに規模の大きな「スーパーエルニーニョ」になる恐れもあるとされている。世界的に異常気象をもたらすとされる「エルニーニョ現象」とはなにか……

 損害保険各社が入る損害保険料率算出機構は6月28日、火災保険加入者が付帯できる水害補償について、災害発生のリスクに応じた地域別5区分の保険料を設定すると発表した。火災や風災などの補償と合わせた保険料全体で最大約1.2倍の格差を設ける……


 気象庁「防災気象情報に関する検討会」の指摘を受け、気象庁は去る5月23日、平時から気象災害発生時の状況を振り返り、今後の防災対応に活かすことができるよう、当時の気象庁ホームページにどのような防災気象情報や気象データが掲載されていたかをまとめて閲覧できるページ「過去の主な災害時の情報発表状況」を公開した……

「2023(令和5)年版防災白書」が去る6月16日、閣議決定・公表された。2023年は、1923(大正12)年関東大震災から100年の節目の年に当たる。白書は、この100年の災害対策の充実・強化の経緯や、わが国を取り巻く様々な環境の変化を俯瞰することは、今後の災害対策の大きな方向性を考えるうえで有意義であるとし、「特集1」とて、「関東大震災と日本の災害対策」をテーマに取り上げている(「特集2」は「2022年度に発生した主な災害について」)……