私たちは大災害の教訓を振り返るために「周年」ごとに、その記憶を思い返し、教訓を継承すべく努力を積み重ねてきた。「災害周年」とは、その意味において、決して一過性の暦上の記念日ではなく、自然災害を思い起こし、その教訓を検(あらた)め、新たな防災意識の継承と更新の日として銘記されるべき日、あるいは年となる。言うまでもなく災害経験・被災体験は多くの人びとにとって低頻度であり、大規模災害ともなれば、私たちは一生のうち一度も経験することがないかもしれない。しかし……