情報を届けようとする新聞社と記者の「本能」を
震災報道に見る
横浜「ニュースパーク(日本新聞博物館)」で12月24日まで、企画展
「そのとき新聞は、記者は、情報は――関東大震災100年」
「ニュースパーク(日本新聞博物館)」(横浜市中区/横浜情報文化センター内)は、新聞文化の継承と発展を目的に、日刊新聞発祥の地・横浜に2000年10月にオープンした情報と新聞の博物館で、日本新聞協会が運営する。そのニュースパークで、去る8月26日から12月24日まで、企画展『そのとき新聞は、記者は、情報は――関東大震災100年』が開催される。
同企画展は、本年9月1日で関東大震災発生から100年を迎えるのを機に、新聞社の当時の状況、記者が被災地で見たもの・経験したこと、横浜・神奈川がどのように伝えられたのかを、当時の紙面や写真で振り返ろうというもの。そこには、どんな状況でも人びとに情報を届けようとする新聞社と記者の「本能」とも言える姿がある。災害時に広がる流言・デマも紹介し、不確かな情報にどう対処するかを考える機会ともする。また、関東大震災前後の震災、新聞社の防災・減災の取組みも取り上げている。
ちなみに同館は、神奈川県博物館協会(神奈川県内の博物館、美術館、科学館、水族館、動物園、植物園などのネットワーク)と同協会加盟19館園による「神奈川震災100年プロジェクト」に参加。県博物館協会は今年度を「県博協防災Year」と位置づけ、関東大震災100年や博物館防災をテーマとした加盟館園向け研修会などを実施。また同館を含む9館園も、関東大震災100年に関する展示を行っている。
大震災当時、横浜は「横浜貿易新報」「横浜毎朝新報」「横浜日日新聞」が本社を置いていたが、いずれも被災して新聞発行が困難になり、横浜市は地元3紙の協力で「横浜市日報」を9月11日付から発行。同13日からは横浜貿易新報が臨時号を発行している。
企画展の展示構成は次のようになっている。
▼「震災発生 そのとき新聞社は、新聞は、記者は」
▼「震源地・神奈川、横浜はどのように伝えられたか」
▼「不確かな情報、流言・デマ、混乱」
▼「関東大震災前後の震災、新聞社の防災・減災の取り組み」
なお、同時開催中の企画展「時代の言葉。コピーライターがつくった新聞広告名作120選。」も興味深いテーマだ。
ニュースパーク(日本新聞博物館)企画展:「そのとき新聞は、記者は、情報は――関東大震災100年」
〈2023. 09. 09. by Bosai Plus〉