P6 2 日本各地の岩石とさまざまな岩石種がラインナップ - 5月10日「地質の日」<br>“地質インテリア(壁紙)”を味わう

地質のインテリアに囲まれる“生活環境”はいかが?

 毎年5月10日は「地質の日」。“地質”とは、私たちが暮らす地面の下の地層や岩石などの性質や状態のことを言う。これを調査し、解析した地質図などは、地質情報として防災、インフラ整備など様々な用途で活用される。
 「地質の日」は、1876(明治9)年5月10日に、日本で初めて広域的な地質図として「日本蝦夷地質要略之図(にほんえぞちしつ ようりゃくのず)」(200万分の1)が作成されたこと、1878(明治11)年5月10日に地質の調査を扱う組織(内務省地理局地質課)が定められたことに由来し、2007(平成19)年に「地質の日」が制定された。毎年5月10日を中心に「地質の日」を記念し、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)の地質標本館をはじめ、さまざまな研究機関でイベントを開催する。

 近年は、国際地質科学連合が「チバニアン(Chibanian)」で日本の地名を初めて地質時代の名称として認めたという話題やNHKテレビの「ブラタモリ」の人気もあって、広く地理・地質への関心が高まっている。本紙もまた、防災の観点から地質の話題をフォローしていて、2022年4月9日付け「日本地質学会 地質学関連マンガをワンクリック閲覧」で日本地質学会がホームページで掲載する「地質マンガ」を取り上げた。

WEB防災情報新聞:地質学関連マンガをワンクリック閲覧

日本地質学会:地質マンガ

 ちなみに地質標本館は、産総研・地質調査総合センター(GSJ:旧地質調査所)が行ってきた「地質の調査」の研究成果を社会に発信・普及するための施設。地質の展示施設としては日本最大の規模と内容で1980年に当時の地質調査所に開館した。地質標本館では、最新の地球科学情報とともに日本の地質、地下資源、海洋の地質、地球環境、火山と地熱、地震と活断層などのテーマごとにまとめて展示している。

P6 4 地質展示でわが国最大規模と内容を誇る地質標本館 - 5月10日「地質の日」<br>“地質インテリア(壁紙)”を味わう
地質展示でわが国最大規模と内容を誇る地質標本館の外観

地質標本館

●生活環境に“地質の話題”を提供する “岩石の壁紙”

 本年5月10日「地質の日」に合わせて、野原ホールディングス株式会社(東京都新宿区)のインテリア内装材·壁紙ブランド「WhO(フー)」が、岩石の顕微鏡写真を約700倍にスケールアップした壁紙「Geomicro(ジオミクロ)」を開発し、5月末まで産総研の地質標本館で同商品(壁紙)の一部を展示している。この壁紙「GeoMicro」は、産総研の技術を活用、全国各地の岩石を用いた壁紙として商品展開したもの。

P6 1 地質標本館で実寸の壁紙を展示(5月末まで) - 5月10日「地質の日」<br>“地質インテリア(壁紙)”を味わう
地質標本館で実寸の壁紙を展示(5月末まで)

 野原ホールディングスでは、通常、地質研究の範囲に限られていた世界をそのままにインテリアとして表現できるサイズまで拡大することで、岩石の新たな魅力の発見につながることを期待。また、岩石薄片が創り出す自然のデザインから、地球の歴史に思いを馳せ、顕微鏡写真の美しさを感じとってもらいたいという思いで商品化したという。

P6 2 日本各地の岩石とさまざまな岩石種がラインナップ - 5月10日「地質の日」<br>“地質インテリア(壁紙)”を味わう
日本各地の岩石と各種岩石種がラインナップ
P6 3 岩石の顕微鏡写真を用いた壁紙「Geomicroジオミクロ」の展示イメージ例 - 5月10日「地質の日」<br>“地質インテリア(壁紙)”を味わう
岩石の顕微鏡写真を用いた壁紙「Geomicro(ジオミクロ)」の展示イメージ例

 壁紙「GeoMicro」のラインアップは、地質標本館が所有する試料の顕微鏡写真のなかから、インテリア化することでさらにデザイン性が豊かなものを抜粋して壁紙化した。
「玄武岩:西之島火山」は、東京・小笠原諸島に位置する海底火山の噴火によってできた比較的新しい島の貴重な岩石試料から壁紙化。また、山口県美祢市で取れた「フズリナ石灰岩」には約3億年前に生きていた有孔虫「フズリナ」が化石として含まれている。ほかに、世界遺産の富士山など13点を展開している。

 壁紙「GeoMicro」の活用法としては、住宅、オフィス、店舗などのさまざまなインテリアに使える。“地質を話題に”生活環境に地球規模の物語性を取り込んでみては?……

野原ホールディングス:日本各地の岩石の顕微鏡写真を壁紙に

〈2023. 05. 01. by Bosai Plus

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