国土地理院では、2019(令和元)年6月から「自然災害伝承碑」を地図に掲載し、災害教訓を周知・普及する取組みを行っている。公開開始以来、市区町村による申請や都道府県・地方整備局等の情報提供などにより、ウェブ地図「地理院地図」への掲載数を着実に増やし、去る7月16日に追加した15基で1000基に到達した……


 北海道が「北海道太平洋沿岸の津波浸水想定」を去る7月19日公表した。
 本紙は直近の8月1日付けで「アラスカ半島でM8.2の地震 “ビッグ・リマインダー!”…(チリ地震津波、元禄津波の想起)」と題して「遠地津波」(チリ地震津波、元禄津波)への警告を発した。また本紙、2018年1月8日付けでは「雪氷津波 千島海溝“超巨大地震 切迫”――厳冬期の津波が現実的課題に」を取り上げたように――北海道太平洋沿岸の津波想定を(警告の)”リマインダー”としたいからだ。
 本紙は「事前防災」を掲げ、防災の”想定外をつぶす”ことを第一義としている。防災メディアとして直近の気象災害の激甚化や、切迫感が高まる南海トラフ巨大地震、首都直下地震の優先度も高いが、いつ起こっても不思議はない北海道太平洋沿岸を襲うことが想定される巨大地震津波を、道の津波浸水想定の公表を機に、改めて取り上げる……

 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が、「第1作業部会」による地球温暖化の「自然科学的根拠」をまとめた「第6次評価報告書」を去る8月9日、公表した。IPCCの総合的報告書の公表は2014年以来7年ぶり6回目。報告書にはほかに、温暖化の影響や対応(適応策)を担う「第2作業部会」、温室効果ガスの削減策を担う「第3作業部会」の報告書があり、最後の「統合報告書」の公表は来年秋の予定……

 本紙はこれまで、山梨大学の秦(はだ)康範・准教授(地域防災)が2018年10月に日本災害情報学会で発表した調査研究結果「全国ならびに都道府県別の浸水想定区域内人口の推移」を何度か取り上げてきた。
 秦氏の調査研究は、災害リスクの高い地域として浸水想定区域内の人口に着目したもので、その推移について社会的な背景とともに考察。国や都道府県が指定した全国の河川の洪水による浸水想定区域に住んでいる人は、2015年時点で約3540万人にのぼり、20年前の1995年と比べて4.4%増えていること、また、世帯数では約1530万世帯で、24.9%と大幅に増えたことを明らかにした……

 岡山大学学術研究院教育学域の宇野康司教授(地球科学領域)、愛知大学経営学部の古川邦之教授らの研究グループがこのほど、地質学と物理学に基礎を置いた古地磁気学と呼ばれる手法でのアプローチで、約1億1000万年前の吉備高原で堆積した地層が保持する磁化情報を分析して、西南日本の古地磁気極移動曲線を確立。
 そのデータと安定的なアジア大陸内部データとの比較を行った結果、吉備高原およびその周辺地域が約1億1000万年前以降4000万年間にわたり、地殻変動の観点から安定的であったことを示したと発表した……

 国の国土強靭化に向けた5つの有識者会議(以下、「WG=ワーキンググループ」)――「デジタル・防災技術WG(未来構想チーム)」、「デジタル・防災技術WG(社会実装チーム)」、「事前防災・複合災害WG」、「防災教育・周知啓発WG(防災教育チーム)」、「防災教育・周知啓発WG(災害ボランティアチーム)」=「1WG+4チーム」がとりまとめた報告書の概要紹介シリーズ・第4回(最終回)は、「防災教育・周知啓発WG(災害ボランティアチーム)」(座長:栗田暢之・NPO全国災害ボランティア支援団体ネットワーク代表理事)を取り上げる……


 静岡県地震防災センター(静岡市葵区駒形通)は、1989(平成元)年4月、東海地震に立ち向かうための知識と技術の普及向上、防災意識の高揚を図り、自主防災組織の活性化を図ることを目的として静岡県直営で開館した。
 同館は多くの来場者・利用者を迎え入れ、全国の防災啓発施設の代表格となってきたが、会館から約30年を経て施設の老朽化に加え、展示内容の全体的な見直し・更新を行うこととなり、2019年1月から休館。当初、本年3月にリニューアルオープンを予定していたが新型コロナ感染症拡大防止のため延期、去る6月、1年5カ月ぶりにリニューアルオープンしている……


 「防災」についてのさまざまなノウハウや知識を楽しく「学ぶ、体験する、考える」イベント「ぼうさいこくたい2021~いわて釜石から」(「防災推進国民大会2021)が、来たる11月6日〜7日の2日間、岩手県釜石市で開催される。今回で6回目となる「ぼうさいこくたい」のテーマは、「つながりが創る復興と防災力」。東日本大震災からの10年を振り返るとともに、これからの復興と防災のあり方を考え……


 不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」などの情報サービスを提供する株式会社LIFULL(ライフル/東京都千代田区)が、不動産ポータルサイトで初となる『洪水・土砂災害・地震ハザードマップ』を「新築一戸建て物件詳細」に追加した。新機能はLIFULL HOME’Sサイトの「新築一戸建て物件」を対象に、スマートフォンで利用できる……


 なぜ山に登るか――そこに山があるから。ではなぜそこに山があるのか?
 京都大学大学院文学研究科教授で元人気予備校講師だったという著者・水野一晴さんは、調査・研究で、南アルプス、桜島、スイスの氷河、キリマンジャロ、さらにはイースター島やマダガスカルなどなど、日本全国津々浦々と海外50カ国以上を訪れた経験を持つという。本書は著者が現地で出くわした“地理の不思議”を、現地調査や文献調査によって謎解きをし、記述した名講義だ……


 奈良県は大阪府、京都府、三重県、和歌山県に囲まれた内陸の土地で、海には面していません。北部は500~600mの低い山地が奈良盆地を囲み、大和川が流れています。南部には吉野山近くの吉野川(紀の川)や十津川が流れ、中央付近から南部にかけて1000m~1900mの高山地帯として険しい山々が連なり、ニホンカモシカやツキノワグマが生息しています。
 古墳時代(300~592年頃)、飛鳥時代(592年~710年)、奈良時代(710年~794年)に中央政府が置かれていた奈良には古墳群が数多く発見されています……

 子どもたちが公園で遊んでいたり、一人で家にいるときに突然の災害が起こっても、自ら判断して行動ができるように、日頃から考え、調べ、話し合うことで、防災に備えてほしいと願う、「全国子ども防災作文コンクール」が今年も開催される。
 第3回となる作文コンクールの課題図書は『ボクラはこうして戦う!』(2019年度版を提供)。課題図書には集中豪雨や台風、津波と戦った子どもたちの話を掲載。主人公の気持ちになって考えてみようという趣旨で……