本年(2021年)7月3日に発生した静岡県熱海市伊豆山の大規模な土石流では、多くの民家を押し流し、死者22人・行方不明者5人もの犠牲者が出ている(7月28日現在)。発災当初、現地は別荘地ということもあって、犠牲者の特定に時間がかかった。
 本紙既報のように土石流が起こった場所は土砂災害危険渓流沿いではあったが、まさにこのような土砂崩れや急傾斜地崩壊の土砂災害警戒区域やその近隣であればこそ、平時は自然景観が評価され、別荘や山荘、保養所などが建てられがちである……

 防災士研修センターは「防災士制度」発足以来、全国各地で年間80回以上の研修を実施し、自治体や企業。個人でご参加された多くの受講生から高い評価と信頼を頂いております。防災士研修受講修了者のうち、約半数の方が当センターの研修を受講されています……


 直近の報道に北海道が7月31日で8日間連続の猛暑日となったとある。滝上町で36.5℃のほか、道内9地点で35℃以上となり、大気の状態も不安定で、上川地方には大雨や洪水警報が出たという。北海道の8月は雨季とも言え、近年、水害が多発しているという分析もある。なにかおかしくはないか――気候変動、地球温暖化傾向が明らかになりつつあることは否定しようもないが、いよいよ目に見えるかたちで“温暖化というゆるい名”の超巨大災害が“襲来”し始めたということか……

 日本時間7月29日15時16分頃、アリューシャン列島(米国、アラスカ半島)で、地震規模(マグニチュード:M)8.2と推定される巨大地震が発生。NTWC(米国国立津波警報センター:National Tsunami Warning Center)は地震発生直後、アラスカに津波警報を発表したが、17時31分に津波注意報に切り替えた。日本の気象庁は18時02分に「日本の沿岸では若干の海面変動」とした。
 アラスカでは約20cmの海面変動が観測されたが、太平洋広域で津波観測の発表はなかった模様……

 脱炭素社会実現に向けた政府のエネルギー基本計画改定案が先ごろ示された。再生可能エネルギー(以下「再エネ」)を主力電源と位置づけて最優先・最大限の導入を掲げ、原発とあわせて脱炭素電源を6割まで高める目標だ。本年5月に成立した改正地球温暖化対策推進法は、条文に新たに基本理念を設けて「2050年までの脱炭素社会の実現」の方針を明記した。将来にわたる政策の継続性を国内外に約束するもので、政府は4月に発表した温暖化ガス排出の新たな削減目標(30年度までに13年度比で46%削減)達成の切り札と位置づける……

 国は2020年年末に5つの有識者会議(以下、「WG=ワーキンググループ」)――「デジタル・防災技術WG(未来構想チーム)」、「デジタル・防災技術WG(社会実装チーム)」、「事前防災・複合災害WG」、「防災教育・周知啓発WG(防災教育チーム)」、「防災教育・周知啓発WG(災害ボランティアチーム)」を立ち上げた。この「1WG+4チーム」がとりまとめた報告書の概要紹介シリーズ・第3回として、「防災教育・周知啓発WG(防災教育チーム)」(座長:片田敏孝・東京大学大学院情報学環特任教授)を取り上げる……