東京都が本年5月25日に公表した首都直下地震の被害想定では、人的被害が最大となるのは、火災の被害が最大となる都心南部直下地震における冬・夕方・風速8m/sのケースで、6148人の死者、9万3435人の負傷者(うち、1万3829人が重傷者)が発生するとされた(注・人的被害が最大となる時間帯は、地震動及び項目によって異なる)……

 名古屋市に隣接する愛知県豊明市の藤田医科大学が、NPO法人日本防災士機構から研修機関の認定を受けたうえで、地域防災のリーダーとなる「防災士」研修を1学年約700人の学生の受講カリキュラムに組み込み、防災士養成を実施することを決定した。今年度から試験的に始め、2024年度から本格的に防災士研修を実施する。こうした取組みは全国でも珍しいが、日本一の病床数を誇る大学病院が同じ敷地内にあり、南海トラフ地震に備える県内の災害拠点病院を統括する「基幹病院」に指定されている……

 広域大規模災害が想定されるわが国で、平時のいまこそ、被災者支援制度を拡充させる機会である。その認識のもと本紙は、”フェーズフリー福祉防災”構築のキーワードとして、本年3月1日付け(号(No. 277))で『フェーズフリー福祉防災 ~福祉なくして防災なし~』として第1弾「個別避難支援計画(災害時ケアプラン)」の普及促進を取り上げ、その全国展開を図る立木(たつき)茂雄氏インタビューを特集、読者から大きな反響をいただいた。そして第2弾として、4月15日付けで、被災者の個別支援によって生活再建につなげる取組み「災害ケースマネジメント(DCM)」に焦点を当てた。本項ではさらに第3弾として、「災害派遣福祉チーム」(*DWAT/DCAT)を取り上げる……

 琉球大学地域創生総合研究棟にある地区防災研究所(沖縄県西原町、代表:山本大樹氏)が先ごろ、「ペット BLSトレーニングセンター」を設立、合わせて、9月9日「救急の日」を「ペットも救急の日」とすることを正式登録し、本年(2022年)1月1日付で日本記念日協会に正式に登録された……

 ICT(情報通信技術)、DX(デジタルトランスフォーメーション)、A(I 人工知能)、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)……さらにはメタバース(3次元仮想空間)などなど、最先端デジタルテクノロジーの急進展ぶりに目を見張る。かつてSFの世界で空想された“テクノロジー”がいま、次つぎと現実化しつつあり、防災分野でもその活用が目立ってきた……

 東日本大震災では、多くの身元不明遺体が出た。警察白書(2012年度版)によると、発生10日後には身元不明遺体は約4500体にのぼったとされる。東日本大震災から11年、この震災で死亡し、身元がわからないままの遺体がいまも岩手、宮城両県で53体あるという。新たな身元判明はこのところ年間数人にとどまる。発生から10年以上を経過しDNA型鑑定などのための試料入手が困難になってきたことなどが背景にある……

 災害の直接死に対する「関連死」の概念は、1995年阪神・淡路大震災で生まれた。同震災での死者数は6434人、そのうち関連死(震災関連死)として認定された死者数は約900人(内閣府資料より)。当時、神戸、尼崎、西宮など6市で認定のための委員会等が設置されて医師・弁護士などによる判定が行われたが、その認定基準が明確でなかったため、死亡統計の解析などからはさらに多い可能性も指摘されている……

 認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン(代表理事:大西健丞、広島県神石高原町)が運営する空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”が、災害医療の基礎や災害時の備えなどを解説するオンライン講座を開始している。同講座は、「体にフィットする魔法のビーズソファYogibo(ヨギボー)」の日本総代理店・株式会社ウェブシャークが提供する「TANZAQ」プロジェクトがスポンサー……


 2019年5月に、京都大学などの研究グループから、AEDの使用率に男女差が生じているという分析報告がなされた。全国の学校構内で心停止となった子ども232人について、救急隊が到着する前にAEDのパッドが装着されたかどうかの調査で、小学生と中学生では男女に差はなかったが、高校生になると大きな男女差が出た。
 その背景には、女性の服を脱がせることへの抵抗感があるという……

 新型コロナ感染症の蔓延で2020年の開催が2021年7月23日~9月5日開催に延期された東京2020オリンピック・パラリンピック(以下、「オリパラ」)――その開催には依然として不透明さが漂うが、開催日まで2カ月を切った去る5月26日、東京都江東区豊洲で「救急艇」の社会実装に向けた救急艇披露記者会見と搬送訓練が実施された。
 その趣旨は、オリパラ期間中、交通渋滞などで陸上救急が困難になった際に救急搬送が必要な患者を、ベイエリアの競技会場から昭和大学江東豊洲病院へ搬送しようというもの……

 株式会社トライフ(横浜市)「オーラルピースプロジェクト」は、さまざまな社会課題を歯磨き・口腔ケアの観点から解決をめざすユニークな特集ページを開設した。
 これは、医学博士・歯学博士・獣医学博士・歯科衛生士・介護士・言語聴覚士をはじめとした専門家による知見を踏まえ、実際の臨床現場や家庭においての歯磨き・口腔ケアについて、また成分や製品の選び方など……


 新型コロナウイルス感染症の流行にともない、災害時の避難や避難所における感染症対策が急務となっている。特定非営利活動法人アジアパシフィックアライアンス・ジャパン(A-PADジャパン/代表理事:大西健丞 本部:佐賀県佐賀市)は去る11月6日、感染症から身を守る個人用の衛生キットを災害時に全国の避難所へ寄贈するための新たなプロジェクトを開始した……