有償介護福祉ボランティア「スケッター」が
関係人口拡大にも寄与
地域住民と市内福祉施設をつなぎ、人手不足解消と要支援者社会参加に取り組む
■ 令和時代の互助インフラ構築

超高齢社会の進展に伴い、介護・福祉の現場における人手不足は一刻の猶予も許さない深刻な課題だ。従来の「専門職による囲い込み」や「無償の善意に頼るボランティア」だけでは現場の維持が困難になるなか、隙間時間を利用した「有償ボランティア」プラットフォーム「スケッター(Sketter)」が注目を集めている。
同サービスの特徴は、単なる労働力の提供ではなく、参加者に「謝礼」が支払われる点にある。“謝礼付きボランティア”(?)――この独自の謝礼システムはどのように機能しているのか。その具体的な支払い方法から、現場にもたらす有効性、そして今後の普及に向けた課題までを検証する。
介護・福祉領域に特化した謝礼付きボランティアの地域互助プラットフォーム「スケッター」を運営する株式会社プラスロボ(東京都港区)は、神奈川県相模原市と連携協定を締結し、2026年10月から連携事業を開始する。自治体とスケッターの連携は、全国で30例目。神奈川県では5例目となる。
「スケッター」とは、地域住民で福祉を支える令和時代の互助インフラ構築を目的に、2019年にリリースされた地域互助プラットフォームだ。未経験者や資格のない人でも自分のできること(身体介助以外)で「謝礼付きでのボランティア福祉」に関われるのが最大の特徴となる。

■ 「謝礼付き VS ボランティア」――用語上の矛盾を解消
「謝礼付き VS ボランティア」に用語上の矛盾はないのか――それは次のような、“可視化された「感謝」のデジタル循環システム”によって合理化される。
① 募集とマッチング:介護・福祉施設側が「夕食後の食器洗浄の補助」「施設内の清掃」「麻雀レクの相手」といった具体的な「お手伝い」の内容と、それに応じた謝礼金額(1回あたり1500円〜数千円程度、時給換算で800円〜1000円前後に設定されることが多い)を提示して募集を行う。
② お手伝いの実施と承認:ユーザー(スケッター)が応募して現場で活動を終えると、施設側がその実績をシステム上で承認する。
③ 謝礼の付与とプール:承認後、設定された謝礼金がユーザーのマイページ内にデジタルなポイントやコインの形で即座にプールされる。
支払い(換金)方法は、ユーザーの利便性を最優先した設計。プールされた謝礼金は、ユーザーがプラットフォーム上で登録した自身の銀行口座へ、任意のタイミングで振込申請を行うことで現金化できる仕組みだ。定期的な月ごとの振り込みのほか、サービスによっては早期の振り込みに対応する柔軟性を持たせており、参加者が「自分の貢献がすぐに成果として手に届く」という実感を抱きやすい工夫が施されている。
さらにこのシステムは、単なる現金給付にとどまらない広がりを見せていて、例えば、静岡県西伊豆町といった先進的な自治体との連携事例では、事業所が負担する謝礼金に加え、自治体が発行する電子地域通貨(例:「サンセットコイン」)を上乗せして支給する実証実験も行われた。これにより、福祉への貢献がそのまま地域経済の活性化へと循環する、新しい「互助のモデル」が構築されつつあるのだ。

登録者の約7割がこれまで介護福祉領域に関わったことのない未経験者層で、「地域の役に立ちたい」という福祉マインドのあるユーザーが多く、あらゆる業界からの「関係人口」を増やし続けている。学生や10〜30代の若者をはじめ、60〜70代のアクティブシニアも活躍するなど多様な世代の地域人材が関わっており、「関心はあるけど、関わるきっかけや手段がなかった」という潜在的な関心層を新しく掘り起こしていて、高校や大学との連携も加速中だとしている。
地域住民と市内福祉施設をつなぐことで、施設の人手不足解消と、高齢者や障がい児、障がい者等の健康増進・社会参加の拡大を目的に取り組んでいる。

プラスロボ:スケッター、相模原市と協定締結 自治体連携30ヶ所突破
〈2026. 07. 15. by Bosai Plus〉

