P1b 人と未来防災センター西館(Photo:Wikimedia) 2 - 「人防」開設20年&<br>「ぼうさいこくたい2022」

防災・減災の世界的拠点に 阪神・淡路の教訓を発信

「人と防災未来センター」
〜時間とともに成長拡大していく塩の結晶体のイメージ

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●「人と防災未来センター」(略称:人防〈ひとぼう〉)開設20周年
 生命の尊さ、共生の大切さを世界に発信

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P1a 「人と防災未来センター開設20周年記念」ロゴより - 「人防」開設20年&<br>「ぼうさいこくたい2022」

 公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構が管理運営する「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」(英語名:Disaster Reduction and Human Renovation Institution=略称「DRI」。以下、「人防(ひとぼう)」)が、2002年4月に神戸市中央区(HAT神戸地区)に開設されてから今年で20年となる(公式の開設日は4月27日)。

 「人防」は、阪神・淡路大震災から得た貴重な教訓を世界共有の財産として後世に継承し、国内外の地震災害による被害軽減に貢献すること、および生命の尊さ共生の大切さを世界に発信することを目的に設立された。
 開設当初、施設は「防災未来館」(現在の西館)と「ひと未来館」(現在の東館)に分けられたが、2009年に「ひと未来館」が入場者数低迷のため閉館となり、2010年1月、旧「防災未来館」を「西館」、旧「ひと未来館」を「東館」として一体的な運営を開始した。

P1b 人と未来防災センター西館(Photo:Wikimedia) 2 1024x576 - 「人防」開設20年&<br>「ぼうさいこくたい2022」
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センターの外観(ライトアップ夜景。Photo: Wikipedia)。設計施工は株式会社昭和設計で、そのコンセプトを「時間の経過の中で、はやりすたりのない形態、きわめて抽象的、観念的でシンプルな形態、純粋な幾何学形態の中から立方体を建築のモチーフとした。立方体が時間とともに成長拡大していく塩の結晶体のイメージ、小から大へと拡大発信していくイメージを重ね合わせて表現」としている
P2 1 HAT神戸地区と人と防災未来センター(写真中央) - 「人防」開設20年&<br>「ぼうさいこくたい2022」
HAT神戸地区と人と防災未来センター(写真中央の緑色ビルが西館、その右隣りが東館)(DRI資料より)

 開設20年となる2022年は「開設20周年記念事業」として、すでに企画展「ARで浮かぶ全国災害伝承ミュージアムマップ」や「ひとぼうの歩みチラシ展」などが実施済みで、年内のさらなるイベントは同ホームページで確認してほしい。
 なお、DRI防災連続セミナー(全3回)が、第1回「首都直下地震とわが国の防災・危機管理体制のあり方」(5月6日終了)、第2回「あの人は、どうしたら逃げたくなるのか?」(8月30日終了)と開催されていて、第3回「南海トラフ地震の本音を話しましょう!」が「ぼうさいこくたい2022」(後段参照)のセッションとして10月23日実施の予定だ。

P2 2a 「DRI防災連続セミナー 第3回」チラシより - 「人防」開設20年&<br>「ぼうさいこくたい2022」
「DRI防災連続セミナー 第3回」チラシより

 ちなみに「人防」は2021年に東館3階をリニューアルし、「BOSAIサイエンスフィールド」をオープン。体験型展示から自分で考え行動する力を身につけられる。また、2022年4月5日からは東館1階「こころのシアター」で、オリジナル映像作品「にげよう-大切な命を守るために-」の上映を開始していて、災害列島で暮らす私たちが災害に遭遇したときに自らの命を守るためにはどうするべきかを問いかけている。

 「人防」の展示室・資料室は一般来館者向けのほか、学校の修学旅行での防災学習や、自治会・町内会等の研修にも公開・使用。主な展示施設には、震災追体験フロア、震災の記憶フロア、防災・減災体験フロア、水と減災について学ぶフロアなどがある。
 施設内には調査研究機関も置かれ、第一線の災害・防災研究員が所属し、各種研究プロジェクトが立ち上げられている。また、大規模災害、防災に関する資料の収集・蓄積・体系化・データベース化が行われるのと同時に、自治体首長向けのトップフォーラムや、エキスパート研修など、災害対応専門研修も実施されている。

 さらにアジア防災センターなどの国際研究機関を集約、国際防災・人道支援協議会(DRA)を組織するなど、国際的な防災・人道支援の拠点形成を図っている。そして災害発生時には、内閣府や兵庫県とともに被災自治体を支援、関係機関に情報提供を行うことで、被害軽減と復旧・復興に貢献している。

センター長は 開設以来20年都市災害の先駆的第一人者・河田惠昭氏

 「人防」開設以来20年間センター長を務めるのは河田惠昭(かわた・よしあき)氏だ。
 河田氏は防災士養成講座の講師として、防災士にも広く知られる。大阪府出身、現・京都大学名誉教授、関西大学社会安全研究センター長・特別任命教授で、中央防災会議で南海トラフ巨大地震被害想定を主査としてとりまとめたほか、国・自治体などで防災審議会などの要職を多数務めるほか、日本自然災害学会会長や日本災害情報学会会長を歴任するなど、災害・防災分野における日本を代表する研究者の一人だ。

 いっぽう、阪神・淡路大震災以前には異端的なテーマだった都市災害の先駆的研究者であり、かつ東日本大震災発災前年の2010年12月に出版した『津波災害――減災社会を築く』の帯で「必ず、来る!」と警告していたように、その先見性は鋭い。
 河田氏は「人防」センター長就任のいきさつについて、次のように語っている(2019年2月、本紙記者が別企画で河田氏を単独インタビューした際の“余録”)。
 「私の人生は、阪神・淡路大震災で変わりました。私は京大卒業後、ずっと教員、研究の仕事をして、研究者として論文を書いていた。常にトップレベルで研究を究めるというプライドを持っていた。それが、阪神・淡路大震災でいきなり6000人以上の人が亡くなって、衝撃を受けました。評価を受けた論文も人の命を救うためになんの役にも立たなかった。これじゃいかん、防災は社会の役に立たなければならないと思いました。ひとりよがりなことをやってちゃ、あかんって。人の生き死ににかかわることをやっているという意識というか、それを阪神・淡路大震災によって思い知らされました。私はそれ以降、社会の役に立つ防災研究をしようと決心し、センター長を引き受けました。センター開設以来ずっと在籍しているスタッフは私だけです(笑)」――

阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター

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●「ぼうさいこくたい2022」(第7回 防災推進国民大会)
 開設20周年の「人防」をハブに 10月22日・23日開催
 国内最大級の防災イベント!

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 2015年3月「第3回国連防災世界会議」で採択された「仙台防災枠組2015−2030」では自助・共助の重要性が国際的な共通認識とされ、これを踏まえて防災推進国民会議が発足。2016年より、内閣府防災担当は防災推進国民会議、防災推進協議会と協力し、国民全体で防災意識を向上することを目的に「ぼうさいこくたい」を毎年度開催している。2022年は、「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」開設20周年に当たることから、同センターをハブとして「ぼうさいこくたい」を開催する。

P2 3 「ぼうさいこくたい 2022」チラシより - 「人防」開設20年&<br>「ぼうさいこくたい2022」
「ぼうさいこくたい 2022」チラシより

ぼうさいこくたい2022(防災推進国民大会)

〈2022. 10. 01. by Bosai Plus

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