深発地震では 震源から離れた太平洋側が揺れる……
去る5月9日午後5時33分ごろ、福島、茨城、栃木、埼玉、千葉、東京の各都県で震度2の地震を観測。本紙記者はそのときちょうどパソコンを起動していたので、防災科研の「防災地震Web」(リアルタイム地震速報サイト)を開いたところ、ほぼ同時刻で伊勢湾が震源地となっていた。気象庁によれば、震源の深さは約340kmの深発地震で地震規模はマグニチュード(M)5.1と推定。宮城、群馬、神奈川の各県でも震度1を観測した地点があった。津波は伴っていない。
![【異常震域】とは P4 3 異常震域模式図(気象庁資料より) - 【異常震域】とは](https://www.bosaijoho.net/wp/wp-content/uploads/2022/05/P4-3_%E7%95%B0%E5%B8%B8%E9%9C%87%E5%9F%9F%E6%A8%A1%E5%BC%8F%E5%9B%B3%EF%BC%88%E6%B0%97%E8%B1%A1%E5%BA%81%E8%B3%87%E6%96%99%E3%82%88%E3%82%8A%EF%BC%89.jpg)
気象庁は、深発地震で震源から遠く離れた場所で揺れを観測する「異常震域」だったとみている。この現象は、太平洋プレート内部では、地震波が衰えないまま伝わりやすいのが原因で起き、震源近くではほとんど揺れがなく、太平洋側でより強く揺れることが多いという。これまでも、京都府沖の地震(深さ374km)によって、北海道の浦幌町で最大震度4を観測したほか、北海道から関東地方にかけての太平洋側で震度3以上の揺れを観測した事例がある。
〈2022. 05. 17. by Bosai Plus〉