「Project PLATEAU」 洪水浸水シミュレーションも
3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト
「Project PLATEAU」 ユースケース開発決定
まちづくりのデジタルトランスフォーメーション(UDX)を推進するために国土交通省が2020年度に立ち上げた事業「Project PLATEAU(プラトー)」について、本紙は2021年3月31日付けで取り上げている。
WEB防災情報新聞 2021年3月31日付け:PLATEAU、全国56都市の3D都市モデル整備完了
![「Project PLATEAU」 <br>災害リスク情報の3D可視化へ P5 1 Project PLATEAU「4つの実証実験」 - 「Project PLATEAU」 <br>災害リスク情報の3D可視化へ](https://www.bosaijoho.net/wp/wp-content/uploads/2021/10/P5-1_Project-PLATEAU%E3%80%8C4%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%AE%9F%E8%A8%BC%E5%AE%9F%E9%A8%93%E3%80%8D.jpg)
Project PLATEAUにより日本全国の3D都市モデルを整備し、オープンデータとして公開することで、誰もが自由に都市のデータを引き出すことが可能となり、防災、まちづくり、AR・VRなどさまざまな場面で活用できる。
3D都市モデルとは、実世界(フィジカル空間)の都市を仮想的な世界(サイバー空間)に再現した三次元の都市空間情報プラットフォームで、二次元の地図に建物・地形の高さや建物の形状などをかけ合わせて作成した三次元の地図に、建築物の名称や用途、建設年などの属性情報を加え、都市空間をデジタル上で再現。Project PLAEAUでは、3D都市モデルを活用して「全体最適・持続可能なまちづくり」、「人間中心・市民参加型のまちづくり」、「機動的で機敏なまちづくり」の実現をめざす。
このProject PLAEAUが2021年度の新たなユースケース(システムの使用例)開発として、次の4つの実証実験を開始している。とくに社会的要請の高い課題や先進技術を取り込んだユースケース開発をテーマとしており、スマートシティの社会実装に向け実用性の高い実証実験が選定された。①太陽光発電ポテンシャル推計・反射光公害シミュレーション、②自動運転車両の自己位置推定におけるVPS(Visual Positioning System)活用、③工事車両の交通シミュレーションVer2、④大丸有(大手町・丸の内・有楽町) Area Management City Index(AMCI)
●災害リスク情報の3D可視化
Project PLATEAUでは2020年度に44件のユースケースの開発を行った。公式ウェブサイトではブラウザ上でプレビューできる「PLATEAU VIEW」を公開中で、ユースケースもこの中で閲覧可能。2020年度開発ユースケースである全国48都市の洪水浸水想定区域の3D表示モデルも実装されており、津波浸水想定の3D表示モデル、土砂災害警戒区域の2D表示モデルとあわせて表示することができる。
![「Project PLATEAU」 <br>災害リスク情報の3D可視化へ P5 2 災害リスク「2021年8月に浸水被害のあった久留米市」 - 「Project PLATEAU」 <br>災害リスク情報の3D可視化へ](https://www.bosaijoho.net/wp/wp-content/uploads/2021/10/P5-2_%E7%81%BD%E5%AE%B3%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%80%8C2021%E5%B9%B48%E6%9C%88%E3%81%AB%E6%B5%B8%E6%B0%B4%E8%A2%AB%E5%AE%B3%E3%81%AE%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9F%E4%B9%85%E7%95%99%E7%B1%B3%E5%B8%82%E3%80%8D.jpg)
![「Project PLATEAU」 <br>災害リスク情報の3D可視化へ P5 3 災害リスク「久留米市の土砂災害警戒区域」 - 「Project PLATEAU」 <br>災害リスク情報の3D可視化へ](https://www.bosaijoho.net/wp/wp-content/uploads/2021/10/P5-3_%E7%81%BD%E5%AE%B3%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%80%8C%E4%B9%85%E7%95%99%E7%B1%B3%E5%B8%82%E3%81%AE%E5%9C%9F%E7%A0%82%E7%81%BD%E5%AE%B3%E8%AD%A6%E6%88%92%E5%8C%BA%E5%9F%9F%E3%80%8D.jpg)
台風や大雨による災害で注目度・重要度が増しているハザードマップだが、いまだ全国的な認知度は低い状態にある。3Dで都市を表示できるPLATEAUを活用することで、直感的に理解しやすい形で災害リスクを視覚化でき、より有用なハザードマップにつながると考えられているが、PLATEAU VIEWではその一端を体験できる。
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東京都 デジタルツイン3Dビューアと情報発信サイトを開設
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![「Project PLATEAU」 <br>災害リスク情報の3D可視化へ P5 4a 東京都「デジタルツイン3Dビューア」より - 「Project PLATEAU」 <br>災害リスク情報の3D可視化へ](https://www.bosaijoho.net/wp/wp-content/uploads/2021/10/P5-4a_%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD%E3%80%8C%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%84%E3%82%A4%E3%83%B33D%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%80%8D%E3%82%88%E3%82%8A.jpg)
東京都では、「『未来の東京』戦略」においてデジタルツイン(センサーなどから取得したデータをもとに、建物や道路などのインフラ、経済活動、人の流れなどさまざまなフィジカル空間(現実空間)の要素を、サイバー空間(コンピューターやコンピューターネットワーク上の仮想空間)上に「双子」のように再現したもの)の実現を掲げ、今年度は「デジタルツイン実現プロジェクト」を実施中。このほど、デジタルツイン実現に向けた進捗状況などをわかりやすく発信するためのホームページを公開した。
![「Project PLATEAU」 <br>災害リスク情報の3D可視化へ P5 4b 【渋谷川】渋谷橋映像監視局[渋谷区恵比寿1]ライブ映像例 - 「Project PLATEAU」 <br>災害リスク情報の3D可視化へ](https://www.bosaijoho.net/wp/wp-content/uploads/2021/10/P5-4b_%E3%80%90%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E3%80%91%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E6%A9%8B%E6%98%A0%E5%83%8F%E7%9B%A3%E8%A6%96%E5%B1%80%EF%BC%BB%E6%B8%8B%E8%B0%B7%E5%8C%BA%E6%81%B5%E6%AF%94%E5%AF%BF1%EF%BC%BD%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E6%98%A0%E5%83%8F%E4%BE%8B.jpg)
同サイトでは、各種実証の詳細や有識者会議での検討状況発信のほか、サイバー空間上に東京を再現したデジタルツイン3Dビューアを搭載し、建物や街を再現した3D都市モデル上に河川監視カメラのライブ映像、都営バスのリアルタイムデータや、都庁内各局のさまざまなオープンデータなどと重ね合わせて東京の様子を閲覧できる。
〈2021. 10. 18. by Bosai Plus〉