「木質耐震シェルター」と「耐水害住宅」を紹介

 静岡県地震防災センター(静岡市葵区駒形通)は、1989(平成元)年4月、東海地震に立ち向かうための知識と技術の普及向上、防災意識の高揚を図り、自主防災組織の活性化を図ることを目的として静岡県直営で開館した。
 同館は多くの来場者・利用者を迎え入れ、全国の防災啓発施設の代表格となってきたが、会館から約30年を経て施設の老朽化に加え、展示内容の全体的な見直し・更新を行うこととなり、2019年1月から休館。当初、本年3月にリニューアルオープンを予定していたが新型コロナ感染症拡大防止のため延期、去る6月、1年5カ月ぶりにリニューアルオープンしている。

 その静岡県地震防災センターに、耐震・省エネなどの住宅づくりを追求する大手ハウスメーカーである株式会社一条工務店(本社:東京都江東区、静岡県浜松市に浜松本社)が、市民の防災意識向上の一環とすべく、同社の「木質耐震シェルター」と「耐水害住宅」の展示ブースを設置した。

 「木質耐震シェルター」は、地震で倒壊した建物内でも人命を確保するための空間だ。既存の住宅に手を加えることなく、工期2日で設置ができ、施工費を含め27万5000円(税込)で提供する。
 「耐水害住宅」とは、水害時に発生する浸水・逆流・水没・浮力にそれぞれ対策を施した世界初(同社調べ)の住宅。国立研究開発法人防災科学技術研究所で、約3000トンの水を使って水害を再現した実大実験を行い、浸水から住まいを守る性能を実証している。

P6 1 上画像:静岡県地震防災センター、下:一条工務店の展示ブース - 一条工務店<br>静岡県地震防災センターに<br>ブース出展
静岡県地震防災センターの外観、下:防災センター内の一条工務店展示ブースより、上左:一条工務店の「木質耐震シェルター」、右:防災科研での「耐水害住宅」の実大実験

 一条工務店は、静岡県地震防災センターへのブース出展(住宅の展示ではなく、性能の説明とアイテムの展示)にあたって、「年間4万人もの人びとが訪れる県地震防災センターに『木質耐震シェルター』と『耐水害住宅』を展示することで、さらなる防災意識の向上を図り、防災の普及・啓発活動に寄与したい」としている。

 静岡県地震防災センターは入場無料。6月から見学を受け入れているが、新型コロナ感染拡大防止対策として、当⾯入館制限を実施し、個人・団体いずれも事前予約制。

静岡県地震防災センター

一条工務店

〈2021. 08. 15. by Bosai Plus

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