防災教育の指導方法の確立とさらなる普及に期待
《本紙特約リポーター:片岡 幸壱》
「防災教育学会」発足会(主催=防災教育学会)が去る3月29日、神戸学院大学ポートアイランドキャンパス(兵庫県神戸市)で開催された。防災教育のこれまでの実践の整理・評価・質的向上、防災・安全教育カリキュラムの研究、地域の取組み支援などを追求するために、同学会を2020年4月に発足する。
発足会は、新型コロナウイルス感染症が拡大傾向をみせるなか、感染防止対策を施して実施され、大学教員・教育関係など、また会場で参加出来ない人はZoom(パソコンなどを使って、セミナーやミーティングがオンラインでできるビデオ・Web会議アプリケーション)を使い、約35人が参加した。
発足会の冒頭、防災教育学会会長に就任する諏訪清二氏(兵庫県立大学・特任教授)、来賓として室﨑益輝氏(兵庫県立大学大学院 減災復興政策研究科長・教授)、齋藤富雄氏(関西国際大学・特命教授)が挨拶。諏訪氏は2002年に全国で初めて防災専門学科を設置した兵庫県立舞子高校の環境防災科初代科長で、防災教育の先駆者として知られる。
発足会はその後、田中綾子氏(関西国際大学・講師)が議長として「学会設立趣旨、会則・組織体制・役員、諸規則・投稿規程」などの案を審議し、議決。4月に正式に発足する。
阪神・淡路大震災以降、様々な災害が繰り返し発生し、防災教育への期待は年々高まっているが、日本全国に広がっているとは言えない。「防災教育学会」が実践・研究を通して、防災教育推進、指導法の確立への動きがさらに進むことが期待される。
「第1回記念大会」は2020年6月28日(日)に神戸常盤大学で開催予定(新型コロナウイルスの影響で変更の可能性がある)。
▽本紙特約リポーター:片岡 幸壱
神戸市在住。中学2年のとき阪神・淡路大震災に遭遇、自宅は全壊したが家族は全員無事避難。学生時代より取り組んでいる防災を仕事と両立しながら、ライフワークとして、ユニバーサルデザイン(UD)などのイベント・ボランティア参加を続けている。聴覚障害を持つ防災士としても活躍中。
●参考リンク:
・防災教育学会
〈2020. 04. 06. by Bosai Plus〉