不動産開発の森ビルが設立した森記念財団 都市戦略研究所がこの8月24日、「日本の都市特性評価(JPC:Japan Power Cities) 2021」(都市総合力ランキング)を公表した。これは本年10月中旬の発行予定の「日本の都市特性評価 DATABOOK 2021」の概要版で、2021年の結果・分析の一部や指標定義などを、図表を用いて分かりやすく紹介したもの……

 本紙はこれまで、山梨大学の秦(はだ)康範・准教授(地域防災)が2018年10月に日本災害情報学会で発表した調査研究結果「全国ならびに都道府県別の浸水想定区域内人口の推移」を何度か取り上げてきた。
 秦氏の調査研究は、災害リスクの高い地域として浸水想定区域内の人口に着目したもので、その推移について社会的な背景とともに考察。国や都道府県が指定した全国の河川の洪水による浸水想定区域に住んでいる人は、2015年時点で約3540万人にのぼり、20年前の1995年と比べて4.4%増えていること、また、世帯数では約1530万世帯で、24.9%と大幅に増えたことを明らかにした……

 岡山大学学術研究院教育学域の宇野康司教授(地球科学領域)、愛知大学経営学部の古川邦之教授らの研究グループがこのほど、地質学と物理学に基礎を置いた古地磁気学と呼ばれる手法でのアプローチで、約1億1000万年前の吉備高原で堆積した地層が保持する磁化情報を分析して、西南日本の古地磁気極移動曲線を確立。
 そのデータと安定的なアジア大陸内部データとの比較を行った結果、吉備高原およびその周辺地域が約1億1000万年前以降4000万年間にわたり、地殻変動の観点から安定的であったことを示したと発表した……

 国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」)地質情報研究部門の研究グループ(中澤 努・研究グループ長)が、東京都心部の地下数十メートルまでの地質構造を3次元で立体的に見ることができる次世代地質図「3次元地質地盤図~東京23区版~」を完成させ、去る5月21日から、ウェブ上で公開している。
  従来の平面の地質図では都市部の地下の地質構造を的確に表現することはむずかしかったが、今回、5万地点に及ぶ大量の調査データを独自に開発した3次元モデリング技術で解析することで、東京都心部の詳細な地下地質構造を立体的に可視化した……

 文部科学省は、近年、学校において水害・土砂災害の甚大な被害が発生していることから、浸水想定区域および土砂災害警戒区域に立地する公立学校(幼稚園、こども園、小中学校、高校、特別支援学校など公立の計3万7374校)を対象に、ソフト面(避難確保計画の作成状況や避難訓練の実施状況等)やハード面(学校施設内や受変電設備の浸水対策等)の対策状況について調査を実施、去る6月8日、2020年10月時点の調査結果としてとりまとめ公表した……


 近年の風水害では中小河川の氾濫や溢水による被害が少なくない。わが国の河川の9割以上は国の管理ではなく、自治体管理のいわゆる中小河川となる。ハザードマップの浸水想定区域の予測も中小河川についてはまだ不備なところが多く、防災士など自主防災の地域防災活動での大雨時などの住民避難支援活動では、中小河川の水位などへの警戒もますます重要となっている……


 コロナの感染拡大を抑え込む切り札として期待されるワクチン接種だが、わが国では遅まきながらいま、政府の号令とともに新型コロナウイルス感染症のワクチン接種プロジェクトが急展開されている。しかし、欧米では接種が進むとともに規制が緩和され、日常生活を取り戻しつつあるという。わが国でなぜこれほど接種が遅れているのか――海外製ワクチン導入について国内では厳しい臨床試験(治験)が求められたこと……

 本紙は4年前の2017年2月22日付けで「みんなでクラウド防災」と銘打って『みんなで翻刻』を紹介した。これは京都大学古地震研究会の活動の一環として企画されたプロジェクトで、「市民参加で地震史料を後世に残し、新たな史料発掘を」という趣旨でWebアプリ「みんなで翻刻・地震史料」を公開した。
 古い地震史料の翻刻(ほんこく=くずし字などで書かれている古文書を一字ずつ現代文字に活字化する作業)を可能とするパソコンやタブレット向けのWebアプリで……


 風化した碑文を復元し、判読可能な画像でアーカイブすることを目的とする「ひかり拓本データベース」プロジェクトが、東北大学災害科学国際研究所などの研究者グループを中心に進行中だ。「ひかり拓本」とは、石碑の表面に刻まれた文字・文様などを、光源を変えて撮影した写真を合成して浮かび上がらせて、判読できるような画像にする技術……

 地震調査研究推進本部(地震本部)地震調査委員会はこのほど(3月26日)、「全国地震動予測地図2020年版」を公表した。地震本部は、2005年公表の「全国を概観した地震動予測地図」以来、地震動予測地図を更新・公表してきており、2011年東北地方太平洋沖地震(3月11日・M9.0)の発生を受けて、大規模・低頻度の地震を考慮するための検討等に取り組んできた……


 2011年(平成23年)3月11日14時46分ごろ、三陸沖、牡鹿半島東南東130km付近、深さ24kmを震源とするマグニチュード(M)9.0の超巨大地震が発生した。東北地方太平洋沖地震と名付けられ、東日本大震災を引き起こす。
 この地震は、これまで国内史上最大規模と記録されている1896年(明治29年)6月、明治三陸地震の8.5を遙かにしのぐかつてない規模の地震で、宮城県栗原市の震度7をはじめ宮城県、福島県、茨城県の各地に震度6強の揺れをもたらし、岩手、宮城、福島、茨城各県太平洋沿岸部、長さ約500kmにわたり巨大津波が襲いかかった……

 14時46分ごろ、マグニチュード9.0という国内史上最大規模の超巨大地震“東北地方太平洋沖地震”が、牡鹿半島東南東130km付近の三陸沖深さ24kmを震源として発生した。
 東京電力福島第一原子力発電所の1号機から4号機原子炉が建ち並んでいる大熊町には震度6強の強い揺れが襲ったが、揺れと同時に1号機から3号機各原子炉は自動的に緊急停止、外部からの電源は停電で失われたが非常用発電機が直ちに起動、それぞれの原子炉内では冷却装置が動き出した。しかし……