今年は本州各地域や四国、九州で記録的な早さで6月中に梅雨明けしたが、7月は各地で梅雨に逆戻りしたような不順な天候が続き、激しい雨による被害も相次いだ。
8月に入って3日からは、日本海から北陸地方を通って日本の東にのびる前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、西日本から北日本で大気の状態が不安定となり、局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降った。さらに……
防災用語
気象庁は本年1月から、各種警報や注意報などのさらなる見直し(同テーマでの近年3度目の検討会設置)に着手している。「シンプルでわかりやすい防災気象情報の再構築に向け、防災気象情報の体系整理や個々の情報の抜本的な見直し、受け手側の立場に立った情報への改善などの検討課題を議論する」として、学識者、報道関係者等による「防災気象情報に関する検討会」を設置、今夏(6月)の中間取りまとめを予定している……
水害や土砂災害で人はなぜ逃げ遅れるのか――災害リスクを知らせる「非常ベルは常に鳴り響いている」、災害が発生するまでの「貴重な時間」はなぜ活かされないのか、と著者の気象とコミュニケーションデザイン代表・渡邉俊幸さんは問いかける。
渡邉俊幸さんは、本紙12月3日付け記事で取り上げた被害予想の可視化で備え・避難を後押ししようという『インパクト予報』(影響予報。後述、同記事へのリンクも)の提唱者で、海外での防災気象情報にも詳しい気象予報士だ……
近年、集中豪雨や台風等による被害が相次いで発生、また雨の降り方が局地化、集中化、激甚化していることから、気象庁は「『新たなステージ』に対応した防災気象情報と観測・予測技術」の改善に取り組むこととし、その基本的方向性として、「社会に大きな影響を与える現象について、可能性が高くなくとも発生のおそれを積極的に伝える」、「危険度や切迫度をわかりやすく情報を提供していく」と、2つ柱を打ち出している……
今年も7月に入って静岡県熱海市などで大きな水害・土砂災害が起こった。大雨特別警報級の豪雨がここ数年、7月上旬に連続して起きている。なぜ7月に豪雨災害が起こるかについて、近年の災害例では、積乱雲が次々とできて帯状に連なって大雨をもたらす「線状降水帯」が発生したことが要因として指摘されている。
局地的な集中豪雨をもたらす「線状降水帯」については1990年代から専門家によって観測・確認されていたが、近年、これが頻繁に発生して大きな災害を引き起こしたことから報道メディアも注目するようになり、その結果、一般にも気象用語として浸透してきた……
今年もいよいよ出水期を迎える。今期は西日本を中心に、記録的な早さで梅雨入りが進んだ。沖縄と奄美は平年より1週間ほど早く5月5日に梅雨入りした。九州南部は史上2番目の早さで5月11日に梅雨入り、15日、16日には九州北部から東海にかけて相次いで梅雨入りした。いずれも平年より20~22日早く、近畿と四国は梅雨入り発表史上でもっとも早く、九州北部、九州南部、中国、東海は2番目の早さだったという……
去る7月上旬、九州南部では梅雨前線の影響で大雨となり、(7月)1日午前2時40分、鹿児島市が市民の7割を超える42万人余りを対象に、速やかな避難を呼びかける「避難勧告」を出した。翌2日午後2時、気象庁が会見を開き、「自らの命は自らが守らなければならない状況が迫ってきている」と危機感を訴えた。そして3日午前9時35分、鹿児島市は市の全域59万人余りに「避難指示」を出した。その直後に気象庁は再び会見を開き、4日朝にかけても猛烈な雨が続く恐れがあり、「場合によっては、大雨特別警報を発表する可能性がある」とさらなる警戒を呼びかけた……
最上川左岸に位置する山形県長井市館町南・北地区の住民と国土交通省などが、最大規模の洪水に伴う浸水被害に備えて作成を進めてきた「まるごとまちごとハザードマップ(被害予測地図)」が完成し、想定浸水深と避難場所を示す標識の取り付け作業が19日、現地で行われたというもの。
この地区は約600世帯の住宅密集地で、最上川水系の洪水浸水想定区域では、1.5m前後の浸水が予想されているのだという……