一般財団法人免震研究推進機構(Jsil:Japan Seismic Isolation Laboratory)は、国の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)により兵庫県三木市に完成させた世界トップクラスの精度を誇る実大免震試験機(E-Isolation)を用いて実大・動的試験を行い、免震装置の性能を評価する「免震動的性能認証制度」を7月1日から開始する……

 自衛隊は、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震発災時における災害対処能力の向上を図るとともに防災関係機関、米軍及び豪軍との連携を維持・強化し、国民の安全と安心の確保に資するためとして、5月20日~24日の5日間、「令和6年度自衛隊統合防災演習」を防衛省市ヶ谷地区その他演習参加部隊等の所在地などで実施した……

 京都大学の梅野健・情報学研究科教授らの研究グループが、大地震発生直前に観察される電磁気学的異常を地殻破壊時の粘土質内の水が超臨界状態であることによって説明する物理メカニズムを発見、公表した。大地震直前予測につながる可能性がある。同研究グループは、プレート境界面にすべりやすいスメクタイトなどの粘土質が存在し……

 地震による液状化などの宅地被害は、同じエリア・場所で繰り返し発生する傾向がある。2024年能登半島地震で液状化した宅地の一部は、1964年新潟地震で液状化した範囲と重なっている。地盤にその要因があるのだ。いったん災害が起こって都道府県が実施する「被災宅地危険度判定制度」は地盤災害後の判定で……

 2024年4月17日23時14分頃に発生した「豊後水道の地震」は、マグニチュード(M)6.6とされている。南海トラフ地震の想定震源域内で発生した地震ではあったが、南海トラフ地震との関係を調査するマグニチュードの基準(M6.8)未満の地震で、気象庁は、「地震活動等については注意深く監視している」とした。幸い津波は発生せず、揺れによる人的被害、建物被害も少なかった。しかし、住民、防災関係者はだれしも南海トラフ巨大地震の発生を想起し、緊張しただろう。そして政府も、地震直後に危機管理センターに官邸対策室を設置するなど緊急対応に走った……

 台湾中央気象局によると、地震は4月3日午前7時58分(日本時間8時58分)に台湾東海岸沖で発生。震源の深さ15.5km、マグニチュード(M)は7.2(日本の気象庁発表ではM7.7)。震源は花蓮県沖およそ25km、震源の深さ約15kmと推定。地震のメカニズムは逆断層型で、フィリピン海プレートが台湾の東側から沈み込んでいる場所で発生……

 令和6年能登半島地震で石川県輪島市の「輪島朝市」周辺で大規模な火災が発生したことを受け、総務省消防庁と国土交通省は去る3月18日、有識者による「輪島市大規模火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」の初会合を開いた。火災の原因に関する調査結果や消防活動の検証内容を踏まえ、今後取り組むべき火災予防、消防活動、消防体制等の充実強化のあり方について検討を行い、今夏のとりまとめをめざす……

 能登半島地震で震度6強の揺れを観測した石川県七尾市で「私たちは能登半島地震でも医療を止めない」と、地震の影響を感じさせずに地域医療をフル稼働させたのが、社会医療法人財団董仙会・恵寿(けいじゅ)総合病院(神野正博理事長)だ。本館は「免震構造」で、被害を免れたという……


 2004年中越地震(M6.8)では、新潟県川口町で震度7を観測。当時の山古志村では至る所で山地崩壊が発生し、村に続く道路はすべて遮断され、闘牛と錦鯉の養殖で有名な静かな山村は孤立した。約2千人の村民はヘリコプターで長岡市に避難することになった。2008年岩手・宮城内陸地震(M7.2)では最大震度が6強であったが、荒砥沢での国内最大級の地すべりをはじめ山地の崩落が頻発した。
 令和6年能登半島地震――山間地で震度7という最大級の揺れ、しかも半島という地形条件の下でいかに大きな被害が生じているか、官邸にはそのイメージを膨らませる才覚がなかったのであろう……


 遡って2012年7月31日、中央防災会議専門調査会「防災対策推進検討会議」は「最終報告~ゆるぎない日本の再構築を目指して~」を決定・公表した。「最終報告」は、「東日本大震災を踏まえ、私たちが学び、将来に向かって約束として果たすべきことをまとめ、今後のわが国の防災対策の方向性を示した」とした。東日本大震災発災から1年4カ月ほどを経てまとめられたものだった……

 能登地方では、2018年ごろから地震が断続的に続いている。とくに2020年12月ごろから地震活動が活発化(能登群発地震)し、22年6月には震度6弱、23年5月には震度6強の大地震に襲われた。今回の地震は一連の群発地震のなかでも最大規模となる。報道によれば、輪島市では防潮堤や海沿いの岩礁がおよそ4m隆起したことが産業技術総合研究所地質調査総合センターの現地調査で確認された。同センター・宍倉正展グループ長は、「4mもの隆起はめったにないことで、数千年に1回の現象」と指摘……