「令和6年能登半島地震」は甚大な人的・物的被害をもたらしている。企業を専門対象とする日本国内最大手の信用調査会社・帝国データバンクの調査では、今回の地震で被害の大きい能登地方に本社を置く企業は4075社にのぼる。帝国データバンクが、能登半島地震による企業活動への影響のほか、企業防災(企業が行う自然災害への対策)に対する意識についてアンケートを行った……


 2004年中越地震(M6.8)では、新潟県川口町で震度7を観測。当時の山古志村では至る所で山地崩壊が発生し、村に続く道路はすべて遮断され、闘牛と錦鯉の養殖で有名な静かな山村は孤立した。約2千人の村民はヘリコプターで長岡市に避難することになった。2008年岩手・宮城内陸地震(M7.2)では最大震度が6強であったが、荒砥沢での国内最大級の地すべりをはじめ山地の崩落が頻発した。
 令和6年能登半島地震――山間地で震度7という最大級の揺れ、しかも半島という地形条件の下でいかに大きな被害が生じているか、官邸にはそのイメージを膨らませる才覚がなかったのであろう……


 遡って2012年7月31日、中央防災会議専門調査会「防災対策推進検討会議」は「最終報告~ゆるぎない日本の再構築を目指して~」を決定・公表した。「最終報告」は、「東日本大震災を踏まえ、私たちが学び、将来に向かって約束として果たすべきことをまとめ、今後のわが国の防災対策の方向性を示した」とした。東日本大震災発災から1年4カ月ほどを経てまとめられたものだった……

 ソニー損害保険株式会社が先ごろ、2021年4月から2023年6月までの約2年間における全国のハザードマップ改訂の報道数をインフォグラフィック形式でまとめ、地域別に分析したレポートを公開した。災害リスクを判断するためには、各自治体が公開しているハザードマップを確認することが重要という趣旨……

 国(内閣府防災担当)は、2015年3月に策定した「首都直下地震緊急対策推進基本計画」から10年が経過することから、このほど、同基本計画及び政府業務継続計画の見直しに向けて本格的な検討を開始するとして、中央防災会議に「首都直下地震対策検討ワーキンググループ(WG)」を設置……


 国は、日本海溝・千島海溝沿いの大規模地震の発生時期や場所・規模を予測することは困難だが、巨大地震の想定震源域及びその周辺でM7.0以上の地震が発生した場合には、後発の巨大地震への注意を促す情報発信が重要として、一昨年(2022年)9月……


 南海トラフ沿いのプレート境界で発生する最大規模の地震――南海トラフ巨大地震は、歴史的には約100年から200年の間隔で発生しており、最後に発生したのは1854年とされている。南海トラフ巨大地震は最悪、東日本大震災と同程度かそれ以上の規模の地震と津波を引き起こす可能性があり、全国各地に大きな被害が予想されている。そのため国は、南海トラフ巨大地震に備え、次のような対策を行っている……


 COP28で本紙がとくに注目したのは、12月3日に「健康の日(Health Day)」がCOP28に初めて設定されたことだ。気候変動の健康影響について光を当て、各国の環境大臣と保健大臣による議論が行われた。「気候変動と健康リスク」とはなにか――近年“エマージング・リスク(” Emerging Risk)として危機管理分野のキーワードになった新たな危機要因とはなにか、以下、見てみよう……

 去る11月14日、イタリア・フィレンツェで開催された第6回斜面防災世界フォーラム(WLF6)で、新しい「KLC2020」の調印式が開催された。「KLC2020」とは、「京都地すべりコミットメント(Kyoto Landslide Commitment)2020」の略称で、地すべり災害リスクの理解と低減を世界的に推進するための枠組みとして、2020年11月オンラインで世界90機関の賛同を得て発行されたもの……