BOCO:日本の次の防災――
「防災は、発災前にこそ価値がある」
日常でも災害時でも役立つ防災意識
副賞には専門家による技術・事業アドバイスも
■ 「実際に社会で使われ、継続・発展する事業」へ育てる
一般社団法人防災事業経済協議会(以下、「BOCO」/目黒公郎・代表理事)が去る9月12日、全国から募った防災事業・防災技術・社会課題解決型ビジネスの中から日本の未来の防災を担う優れた取り組みを選出する「BOCO防災事業コンテスト2026」の第1回最終審査会・表彰式を開催した。本紙もその「未来の防災」に共感して予備審査段階をリポートしているところから、その結果に注目した。
WEB防災情報新聞 2026.09.02.:BOCOコンテスト 日本の次の防災


「BOCO防災事業コンテストBŌSAI EVOLVE2026 最終審査会」には、51社の応募企業から審査を勝ち抜いた6社のファイナリスト企業・法人関係者を含め約80名が参加。厳正なる審査の結果、優秀賞2社と最優秀賞1社を決定した――
【優秀賞】
株式会社シェルターワン、株式会社はんぽさきの2社が優秀賞に選出され、それぞれ賞金30万円を獲得した(副賞としてBOCOコミュニティ無料参加権利付与)。
株式会社シェルターワンは、トイレ、シャワー、キッチン、ベッドなどを広域連携で迅速に届け、避難生活の環境改善をめざす事業を展開している。
株式会社シェルターワン
株式会社はんぽさきは共有地図「LivMap」により、道路・水道管理など平時の業務活用を発災時の迅速な被害状況把握につなげ災害レジリエンスの向上を図ろうというもの。
株式会社はんぽさき
【最優秀賞】
最優秀賞には奈良建設株式会社が選出され、賞金100万円を獲得した(副賞は出資・融資に関する個別相談、事業メンタリング、専門家による技術・事業アドバイス(各3回)およびBOCOコミュニティ無料参加権利)。
奈良建設株式会社の「災害時排水切替システム」では、断水や排水機能停止時にもトイレを可能な限り使い続けるための仕組みを提案。避難生活の衛生環境と災害関連の健康被害という重要課題に挑んだ。下水道が使用できなくなった際に建物からの排水を一時的に貯留することで、既存の水洗トイレを可能な限り使い続けることを目指す仕組み。折りたたみ式の貯留設備を採用し、平常時はコンパクトに保管する。
既存建物への導入も想定しており、特に仮設トイレへの移動や利用が難しい高齢者・要介護者が暮らす介護施設やマンションなどへの展開を企図。また、緊急用井戸やプールなどとの組み合わせによる断水時の水源確保についても検討を進めていて、東京大学大学院で災害衛生を研究してきた発案者と、建設業として建物・設備をつくってきた奈良建設の協働による研究と建設技術の両面から、「トイレを災害後に用意するものから、災害前から備えるインフラへ」との転換を目指すという。
奈良建設株式会社

BOCOコンテストは、アイデアや技術を研究や提案で終わらせるのではなく、「実際に社会で使われ、継続・発展する事業」へ育てることを目指している。BOCOが挑むのは、従来の防災の枠にとらわれない「新たな防災のかたち」だ――第2回以降も期待したい。
防災事業経済協議会:BOCO防災事業コンテスト最終審査会結果発表
〈2026. 10. 06. by Bosai Plus〉

