災害関連死ゼロを目指せ 熊本で広域支援隊実証実験
シェルターワンの「TKB48」――
避難所運営を支えるITプラットフォームの実証と訓練
● 「TKB48 避難所訓練」 広域連携で災害関連死を防げ
熊本市は、2016年4月の熊本地震の発生から10年となるのを機に、5月15日〜18日の4日間、災害発生時の避難所の環境を迅速に整える「TKB48避難所訓練」をアクアドームくまもと(熊本市南区)などで実施した。
約70の自治体・企業・団体などから約400人が参加するという広域連携によって、災害関連死の防止などを主な狙いとして最新の避難所を設置し、さらなる課題を確認した。
熊本市の依頼を受けて同訓練の企画・運営を担ったのは、本紙既報(下記リンク)の避難所統合運用プラットフォームを開発・運営する株式会社シェルターワン(東京都江東区)だ。訓練は、シェルターワンが2025年3月以降に全国4地域で重ねてきた実証実験を経て、自治体主催の実動訓練として位置づけられる第5回目の取組み。

WEB防災情報新聞 2025年4月25日付け:シェルターワンが「避難所のあり方を変える」
「TKB48」とは、発災から48時間以内にトイレ(T)、キッチン(K)、ベッド(B)及びそれらを接続するインフラの整った避難所を立ち上げようという運用モデルで、「災害関連死ゼロ」を目指す「広域支援隊モデル」となる。
これまで日本の避難所では、発災から数日間にわたり「冷たい食事しかない」「ベッドがなく床に寝るしかない」「トイレが衛生的でない」といった状況が繰り返されてきた。シェルターワンは、これは「モノの不足」ではなく、自治体ごとに分断された運用構造のもとで「広域で動かす訓練が行われていない」ことに本質があると捉えている。


この問題意識のもととなったのは、イタリアの市民保護システムの中核をなす広域支援部隊「コロンナ・モービレ」だ。このシステムの研究者でシェルターワン・アドバイザーである「避難所・避難生活学会」の水谷嘉浩・代表理事が、シェルターワンとともに訓練設計の中核を担い、日本における広域支援隊の社会実装を目指している。
過去4回の実証実験と今回の大きな違いは、避難所運営を支えるITプラットフォーム「S.O.M.(Shelter Operation Management)システム」の概念実証を実動訓練と一体で行う点にあったという。進捗管理・物資輸送追跡・燃料/水の残量管理・リアルタイム映像の4機能を統合ダッシュボードに集約し、本部・現場・自治体が同じデータ・事実に基づいて判断できる「データ・共有」型の運用基盤を検証した。
シェルターワンは、「災害関連死ゼロ」を企業ミッションに掲げており、今後の動向が注目される。
シェルターワン:熊本地震10年事業「TKB48避難所訓練」を5月15日〜18日に実施
〈2026. 06. 01. by Bosai Plus〉

