東京都千代田区千代田の災害リスク例(カボシア資料より)

AIに住所の防災リスクを聞ける
「防災DB」 無料公開

全世界の1/4の国土に1/5の大地震が集中する日本
 危機意識の薄さに「リスクを知って!」

● 全国2400万箇所、6災害を統合、「防災DB」を完全無料公開

P5 1 日本の防災パラドックス(カボシア資料より) - あなたの住所の防災リスクを知る<br>「防災DB」
日本の防災パラドックス(カボシア資料より)

 AI×データ分析のカボシア株式会社(Cabocia/東京都港区)がこのほど、データ基盤「防災DB」を完全無料で正式公開した。
 住所を入力するだけで、その地点の地震・洪水・津波・土砂・高潮・液状化の6災害リスクを横断的に確認できる。全国1747市区町村を125m四方のメッシュに分割し、約2500万地点の災害リスクデータを格納。10以上の省庁・機関に散在する政府オープンデータを統合し、AIエージェントから直接呼び出せるMCP Serverも標準提供――
①住所ひとつで全国検索、
②6災害種を統合スコアリング、
③完全無料・登録不要、
④MCP標準対応」
 この4条件をすべて満たす民間サービスは、現時点で「防災DB」のみだとしている(カボシア社調べ、2026年5月時点)。

カボシア: 防災DB

 カボシア社は、全世界の国土の0.25%しかない日本で世界のM6以上地震の約20%が起きていて、経済損失は1998〜2017年の20年間で3763億ドル(約58兆円)、米国・中国に次ぐ世界3位(UNDRR)という災害大国であるにもかかわらず、中小企業のBCP策定率は20.4%にとどまり、その未策定の最大の理由は「ノウハウがない:52.2%」という事実に大きな問題意識を持ったという。「リスクを知る手段そのものが整備されていない」と。

 言うまでもなく、わが国では近い将来も、南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、極めて大きな災害が想定されている。南海トラフ巨大地震は30年以内発生確率80%程度、最大死者29万8000人、経済被害292兆円——日本の名目GDP(約609兆円)の約半分が、一度の災害で失われる規模だ。
 また首都直下地震は30年以内発生確率70%程度、最大死者1万8000人、経済被害 約83兆円(GDP比約14%)――こうした大規模災害が起これば、わが国は一挙に“最貧国化”するとさえ言われているのだ。

 にもかかわらず、実際に企業の事業継続計画(BCP)の策定状況を見ると、策定済みでない企業が約8割にのぼる(帝国データバンク:事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2025年)より)。また、東京商工リサーチによると、事業継続計画未策定の最大の理由は52.2%で「ノウハウがない」とされている。
 つまり、リスクを知りたい人はたくさんいるのに、リスクを知る手段そのものが不足している——これが、日本の防災が抱える最大の構造的課題ではないのか、とカボシア社は考えた。

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東京都千代田区千代田の災害リスク例(カボシア資料より)

● データは存在するが届いていない――では「防災DB」を無料公開しよう!

 カボシア社によれば、実は災害大国・日本はさすがに、世界的に見ても極めて豊富な防災データをすでに公開している。「国土交通省の洪水浸水想定区域データ」、「防災科学技術研究所のJ-SHIS地震ハザード情報」、「国土地理院の標高・地形データ、気象庁の警報・観測情報」などなど……
 いずれも研究者・技術者・防災プロ・専門家が何年も、何十年もかけて調査・観測・研究・整備してきた成果で、河川の測量、流量計算、氾濫シミュレーション、全国観測網の整備、確率論的評価手法の研究開発など膨大な積み重ねが、すでに「オープンデータ」として“公開は”されている。

 しかし、これらのデータは分断していて、これらは10以上の省庁・機関にバラバラに散在し、フォーマットも提供方法も異なり、防災の現場で十分に活用できないのだという。専門的になるが、実際にある会社が東京・名古屋・大阪の3拠点について、洪水・津波・地震・土砂・高潮・液状化の6リスクの比較——これを政府オープンデータだけで実現しようとすると、現在の政府の各オープンデータについて、ダウンロード・解凍・ジオコーディング・空間検索・統合・スコア化などなど、膨大な作業が必要になるという。
 つまり、防災DXにおいてもいまだ、縦割りの弊害が残っているというのだ。

P5 4 実際のリスク評価(カボシア資料より) - あなたの住所の防災リスクを知る<br>「防災DB」
実際のリスク評価(カボシア資料より)
P5 5 「東京本社(東京都港区赤坂1 1 1)と大阪支社(大阪市北区梅田1 1 1)、どちらが災害リスク高い?」(カボシア資料より) - あなたの住所の防災リスクを知る<br>「防災DB」
「東京本社(東京都港区赤坂1-1-1)と大阪支社(大阪市北区梅田1-1-1)、どちらが災害リスク高い?」(カボシア資料より)

 防災庁の発足で期待される防災DXだが、防災庁はこの旧弊を乗り越えられるか、また企業・団体、市民もまた、個人レベルでの「正常化の偏見」を乗り越えられるか――課題はまだ、旧態依然としているのかもしれない。

Cabocia:AIに住所の防災リスクを聞ける「防災DB」を完全無料公開

〈2026. 05. 18. by Bosai Plus

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