複合災害の教訓を後世に継承
最新技術を駆使した災害DA(デジタル・アーカイブ)展示

「震災アーカイブ」とは、被災地の復興や次の災害への備えのために、また、災害を風化させないように記録・記憶して後世に伝える取組みであり、さまざまな主体によって各種記録や資料が集められ公開されている。
とくに今日の「震災アーカイブ」の特徴は、ICT(情報通信技術=デジタル技術)の進展を背景に、膨大な記録・資料・映像などが検索・閲覧しやすく整理され、インターネットを介して、“ワン・クリック”で私たちに広く公開されるところにあり、災害対策上も防災教育上も、大いに活用すべき情報源となっている。
「令和6年能登半島地震」は、2024(令和6)年元日に、過疎化・高齢化が進んでいる半島地域において、家屋倒壊、土砂崩れ、津波、火災、海岸隆起、液状化など複数の災害が同時に起きた未曾有の大災害であり、能登半島を中心に甚大な被害をもたらした。
さらに、地震発生から8カ月余りしか経たないなかで、「令和6年奥能登豪雨」により奥能登に再び大規模な被害が発生し、極めて異例の複合災害に見舞われた。
そこで石川県では、今回の複合災害の被害状況や復旧・復興の過程で得た教訓・ノウハウなどを後世に継承するとともに国内外に共有し、今後の防災・減災対策や防災教育、防災観光等に活かしていくため、市町や国、全国の自治体、民間支援団体などから関連資料を収集し、アーカイブ化を進めている。
そしてこのほど、アーカイブサイトの公開に先立ち、「令和6年能登半島地震アーカイブ告知サイト」を来たる1月29日(水曜日)に公開すると発表した。

同アーカイブ公開を記念して、今後の能登半島地震アーカイブの発展・活用の出発点となるイベント(参加無料)が1月15日(本紙発行日)に開催される。
同イベントは、東京大学・NHKの包括連携協定(東京大学創立150周年記念事業)の一環として実施されるもので、そのコンセプト・デザインが注目される石川県立図書館のエントランス、だんだん広場、食文化体験スペースをステージに、東京大学大学院情報学環(渡邉英徳研究室、講談社・メディアドゥ新しい本寄付講座)、株式会社QUICK(国内外の金融情報サービス企業)が主催。
①最新技術を駆使した災害DA(デジタルアーカイブ)の展示、
②DAの今後の発展と活用を多角的に論じるシンポジウム、
③市民参加のDA構築技術の習得をめざしたワークショップ、
の三つのイベントで構成予定だ。

〈2025. 01. 14. by Bosai Plus〉