「防災安全合わせガラス」寄贈活動 板硝子協会の「志」
余震や強風……指定避難所での窓ガラス破損二次災害を防げ
機能ガラス普及推進協議会(東京)は、全国指定避難場所の安全対策普及を目的として、自治体の避難所に指定されている学校などへ、地震や突風、台風等の自然災害発生時に効果のある「防災安全合わせガラス」の寄贈活動を行なっている。
本年は京都市の指定避難場所・京都市立八条中学校体育館(京都市南区)への寄贈が決定され、体育館の窓ガラス約310枚のすべてを「防災安全合わせガラス」に取り替える。これにより、避難者の二次災害を防止し、避難所としての機能を一定期間維持可能とする。
協議会では贈呈にあたって、同校生徒に向けて「防災ガラスの出張授業」も開催し、その安全性と機能(家庭などでの活用は防犯にも役立つ)を理解してもらうことにしている。
板硝子協会:京都市立八条中学校に「防災安全合わせガラス」310枚を寄贈
避難所として指定されている建物の多くは、地元の小・中学校の体育館等がその役割を担うなかで、2020年に同協議会が実施した「公立小中高等学校の体育館(一般避難所)における安全ガラス普及状況」の調査結果によると、「防災安全合わせガラス」の普及率は約2.6%にとどまる。
多くの避難所のガラスは単板(シングル)ガラスで、地震や余震などの災害で割れやすく、また強風による飛来物の衝突でガラスが落下して、破片による負傷などの二次被害を発生する危険性があり、避難所の建物としては、非常に危険な状態にある。
なお、強化ガラスや網入板ガラスは防災・防犯対策としては不適なので要注意とのこと。
京都市への寄贈の背景としては、機能ガラスに携わる各団体が8年ほど前から「防災安全合わせガラス」の公共の建物への採用を促したいと一丸となって寄贈活動を行っているなかで、京都市も、災害時の避難所機能を維持・継続するべく改修を推進していた。
そこで京都市は「防災安全合わせガラス」寄贈を受けて、安全に向けた改修を市民に訴求したいとし、指定避難所で、かつ一般市民に開放して利活用されている八条中学校体育館の窓ガラスの取替えをとの要請が合致して実現した。
京都市への寄贈は、同協議会による9例目で、いずれも体育館窓ガラスの取替えとなっている。
〈2024. 12. 18. by Bosai Plus〉