「無線LANビジネス推進連絡会」(Wi-BiZ)が運営する
「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」を開放

 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなど携帯電話大手で構成する「無線LANビジネス推進連絡会(Wi-BiZ)」が、契約しているキャリアに関係なく誰でも無料で使える災害時用統一SSID公衆無線LAN(WiFi)「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」を、大規模な通信障害時にも開放することとした。これまでは災害時に限ってきたが、昨年のKDDIの大規模通信障害などを受けて見直した。

P4 1 「00000JAPAN」のコンセプト(Wi BiZ資料より)  - 災害時の無料Wi-Fi「00000JAPAN」、<br>通信障害発生時も利用可に
「00000JAPAN」のコンセプト(Wi-BiZ資料より)

 同連絡会では、「00000JAPAN」を提供する100団体を対象にアンケートを実施し、回答した団体の多くが通信障害時の「00000JAPAN」開放に賛同意見で、過半数の団体が開放の意志があると回答したことから、無料開放に関するガイドラインを改定して「大規模通信障害発生時の適用」を追加、5月23日に開かれた総務省有識者会議で報告した。なお、開放開始時期は未定。

 災害時用統一SSID公衆無線LANは、通信会社や自治体が商業施設や公共施設に設置するアクセスポイント周辺で利用できる。ちなみにSSID(Service Set Identifier)はアクセスポイントを識別するための名前で、Wi-Fiを使って通信を行うときにどのアクセスポイントを利用するかを指定するものだ。「00000JAPAN」の開放により、加入する通信会社などを問わず、スマホのネットワークの設定で選択すれば誰でも使えるようになる。

 Wi-BiZは、2011年に発生した東日本大震災の教訓をもとに、災害時に公衆無線LANを無料で開放する活動を推進し、2014年4月に「大規模災害発生時における公衆無線LANの無料開放に関するガイドライン」を制定・発表した。災害用の統一SSID「00000JAPAN」を普及させることは、国民の防災・減災に寄与し、かつ訪日外国人旅行者の災害時における利便性・安全性確保等につながる。

 「00000JAPAN」の本格的な活用は2016年熊本地震で始まった。「00000JAPAN」が商用環境で初めて提供され、災害時に通信各社が自社の公衆無線LANを無料開放する試みは世界初として注目を集め、その有効性が確認されたことから、公衆無線LANの無料開放を行う事業者を大手通信会社以外にも拡大、地域で通信事業を展開する自治体や独立系通信事業者への展開へと広げている。

P4 2 2016年熊本地震で商用初となる「00000JAPAN」無料開放を実施(Wi BiZ資料より) - 災害時の無料Wi-Fi「00000JAPAN」、<br>通信障害発生時も利用可に
2016年熊本地震で商用初となる「00000JAPAN」無料開放を実施(Wi-BiZ資料より)
P4 3 「oooooJAPAN」発動情報(Wi BiZ HPより) - 災害時の無料Wi-Fi「00000JAPAN」、<br>通信障害発生時も利用可に
「00000JAPAN」発動情報(Wi-BiZ HPより)

 このほど新たに通信障害時にも提供するのは、スマホを持つ世帯が9割にのぼり、障害時の影響が大きくなっているためで、モバイル通信事業者の大規模な障害の発生時にそれを補完する通信インフラとして、自然災害の発生時と同様に災害時用統一SSID「00000JAPAN」を使った無料開放を行う。

無線LANビジネス推進連絡会(Wi-BiZ):大規模通信障害発生時における災害用統一SSID「00000JAPAN」の活用について

〈2023. 06. 01. by Bosai Plus

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