1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災から、この9月1日は99年だった。来年2023年9月1日には100年を迎え、多くの周年記念イベントや教訓をめぐる論考がメディアをにぎわすと思われるが、本紙はそれに先立ち、99年の年に特別の意味を加えて、もうひとつの視点から関東大震災を取り上げたい。
 2008年3月に公表された中央防災会議・災害教訓の継承に関する専門調査会報告書『1923 関東大震災』は、近代から現代に至るわが国の災害教訓としてもっとも重要な報告書のひとつだと言えるだろう……

 滋賀県の第1回目は過去の水害に関する記事でした。今回は滋賀県付近で発生した地震について見ていきたいと思います。記録に残るもっとも古いものは貞元1年(976年)の山城(京都府南部)、近江(滋賀県)で発生したマグニチュード(以下、M)6.7以上の地震です。死者は50名以上で家屋全壊が多く、京都の寺社でも倒壊した所が多かったようです(彦根地方気象台 滋賀県に被害をもたらした地震参照)。文治1年(1185年)の地震はM7.4と規模が大きく、琵琶湖西岸断層帯の活動とされています……