本紙特約リポーター・片岡幸壱氏が
「阪神・淡路大震災の体験、福祉」をテーマに講演

大阪市立大 第29回 サイエンスカフェ 防災座談会

片岡氏が話題提供、大阪市立大「サイエンスカフェ」(チラシより) - 聴覚障がい者への情報提供<br>筆談・ジェスチャーなどで
片岡氏が話題提供、大阪市立大「サイエンスカフェ」(チラシより)

 「第29回 サイエンスカフェ 防災座談会」(主催=大阪市立大学 都市防災教育研究センター)が去る2月24日、オンライン配信(zoom)で開催された。オンラインのメリットを十分活かして座談会には、全国の幅広いエリアから大学教職員、学生、防災に関わる人など26人が参加した。

 神戸市在住の片岡幸壱氏(防災士、本紙特約リポーター/本項をリポート)が「阪神・淡路大震災の体験、福祉」をテーマに講演し、氏は「阪神・淡路大震災に遭遇した体験や、聴覚障がいの特徴・サポート方法、そしてユニバーサルデザインのワークショップ(小学校・高等学校での出前授業)、インクルーシブデザインワークショップなどの推進の必要性」などについて熱く語った。

 「災害が発生すると聴覚障がい者は情報取得が困難になります。可能な限り、目で見える筆談・ジェスチャーなどで情報を伝えてほしい。聴覚障がい者支援ワークショップを実施することで、課題・気づきがいろいろ出てきます。ぜひ機会あるごとに実施して、多くの人に参加していただき、課題・気づきを知ってほしい」と訴えた。

 また、「大阪市立大学(*2022年4月から大阪市立大学と大阪府立大学の統合で「大阪公立大学」として再編)の学生さんをはじめ、一般の方も含めて、1人でも多くの方に『ユニバーサルデザイン』、『インクルーシブデザイン』などを理解していただき、ともに広く啓発・普及に協力していただきたいと思っています」と締めくくった。

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パワーポイント資料とともに震災体験を語る片岡幸壱・防災士の講演

 片岡氏が指摘するように、各障がいの当事者の参加が少ないことも今後の課題となっている。平時から各障がいに対する知識を深め、少しずつでも支援体験を積み重ねていくことで、災害時のサポートを自然でスムーズな実践に結びつかせ、インクルーシブ防災=だれでも助け合える福祉防災を実現したい。

※掲載写真については主催者の掲載承諾を得ています(片岡幸壱、編集部)。



▽本紙特約リポーター:片岡 幸壱
神戸市在住。中学2年のとき阪神・淡路大震災に遭遇、自宅は全壊したが家族は全員無事避難。学生時代より取り組んでいる防災を仕事と両立しながら、ライフワークとして、ユニバーサルデザイン(UD)などのイベント・ボランティア参加を続けている。聴覚障がいを持つ防災士としても活躍中。

▼参考リンク:
大阪市立大学 都市防災教育研究センター
※2022年4月から「大阪公立大学 都市科学・防災研究センター」となります。

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