雪かき事故、車立ち往生 被害が続く…

「雪害は国民的災害」――降雪・積雪への基本的な防災対策は、
基礎知識として身につけておこう

 今冬、日本列島に襲来した寒気で積雪による被害が目立っている。2020年12月14日から21日までの総降雪量は200cmを超えた地点が9地点と、新潟県と群馬県、東北地方を中心に記録的な大雪となり、12月16日から18日の夜にかけて関越自動車道で多くのクルマが立ち往生するという事態が発生した。

 年が明けて1月7日から8日朝にかけては低気圧が急速に発達して強い冬型の気圧配置となり、北日本と東日本の日本海側を中心に広い範囲で強風が吹き、秋田県八森で最大瞬間風速42.4m/s、最大風速28.1m/sなどを観測、ともに観測史上1位の記録を更新。また、断続的に強い雪が降り、九州や四国などでも積雪となったところがあった。
 とくに北陸地方を中心に7日から9日にかけて発達した雪雲が流れ込み続け、3時間に20cmを超える降雪量を観測、新潟県高田では9日に24時間降雪量103cmを観測、観測史上1位の記録を更新。この大雪で新潟県や北陸地方などの各所で積雪のために車が動けなくなる「立ち往生」が発生し、自衛隊による災害派遣も行われた。

P5 1 「積雪の深さ(2021年1月14日 6時00分)」(気象庁HPより) - 克雪が今冬も課題に
気象庁資料より「積雪の深さ(2020年12月31日16時00分)現在」

 改めて、わが国は先進国のなかでもっとも降雪量が多い国のひとつであり、とくに日本列島の日本海側は、その緯度・標高からみて、世界でも稀な豪雪地帯であることを認識しておこう。それは豪雪地帯に住む人びとだけではなく、その地を訪れるだれもがかかわる「災害」に通じる事象だ。注意すべきことは、雪害が起こるのは豪雪地帯に限らないということ。

 豪雪地帯の発電所や送電線あるいは鉄道、高速道路などに雪害トラブルが発生した場合には、連鎖的に都市部や非豪雪地帯にも深刻な影響を及ぼす可能性がある。通常は降雪が少ない地方でもまれに降雪があると、交通機関の混乱や車のスリップ事故、歩行者の転倒事故などが起こる。
 また、「国境の長いトンネルを抜けると雪国……」のように、旅先で不意の大雪に見舞われることもある。その意味で雪害は国民的災害であり、降雪・積雪への基本的な防災対策は、基礎知識として身につけておかなければならない。わが国は地震・津波、台風、火山など自然災害が多発する“特異国”だが、雪害というもうひとつの災害特性にも注目しなければならない。

 雪害は台風と同じように、事前に降雪・積雪を“想定内”にし得る気象災害だが、現代の最先端科学技術をもってしても、いまだに有効な克雪対策はない。となれば雪害もまた、自然の猛威に「適応」して、うまく“かわす”ことで「雪害での犠牲者ゼロをめざす」ことになる。今冬もまた、雪下ろし作業での事故が目立つ。手伝いに行く人も含めて、下記「雪下ろし安全10箇条」を守ろう。

>>国土交通省:雪下ろし安全10箇条 ~除雪作業中の事故に注意しましょう~

P5 2 雪下ろし安全10箇条(国土交通省資料より) - 克雪が今冬も課題に
国土交通省「雪下ろし安全10箇条 ~除雪作業中の事故に注意しましょう~」より

〈2021. 01. 16. by Bosai Plus

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