「アラート(試行)」(暑さ指数33度以上)は“最後通告”
7月1日(6月30日17時発表分)から関東甲信地方で先行実施
新型コロナ第2波・第3波が想定されるなか、迎える炎暑
――「気づきと予防行動」を促す
環境省と気象庁が連携して7月から関東甲信9都県で始める新しい警報「熱中症警戒アラート」について、専門家でつくる「熱中症予防対策に資する効果的な情報発信に関する検討会」(座長:小野雅司・国立環境研究所環境リスク・健康研究センター客員研究員)は5月27日、環境省が公表する「暑さ指数(WBGT)」が33度以上で出すことを決めた。
*WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature
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(環境省資料より)
これまで熱中症予防に関して、環境省は「暑さ指数(WBGT)」、気象庁は「高温注意情報」によって注意を呼びかけてきており、国民の「熱中症」そのものに対する認知度は高まってきている。しかし、熱中症による死亡者数や救急搬送人員数は引き続き多い状態が続いていることから、具体的な熱中症予防行動には十分に結びついていないとの指摘もあり、より効果的な情報発信で、適時適切な熱中症予防行動につなげることが課題となっていた。
そこで検討会の議論をもとに環境省と気象庁が連携して、本年7月1日(6月30日17時発表分)から、関東甲信地方において、「暑さ指数(WBGT)」に基づいた熱中症予防のための新たな情報発信を「熱中症警戒アラート(試行)」として先行的に実施することになった。検討会は、熱中症の危険性が極めて高くなる暑熱環境が予測される場合に、国民に「気づき」を与え、予防行動を促すことを目的として発表するもの、としている。
「暑さ指数(WBGT)」は、気温や湿度、日射量などから算出する。アラートは、33度以上が予想される都県で、前日午後5時ごろと当日午前5時ごろに、予想指数などを自治体や報道機関などを通じて知らせる。全国での運用は2021年度からを予定。
指数が33度以上になると、熱中症の救急搬送者数が急増する傾向があり、指数は「31度以上」で『危険』(原則運動中止)、「28度以上」で『厳重注意』(激しい運動中止)とされ、アラート(33度以上)は、いわば“最後通告”となる。
ちなみに、東京では過去のデータから、年7回程度の「アラート」の発表が想定されている。
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現在、新型コロナ感染症について緊急事態は解消されたものの、第2波・3波が想定され、熱中症と新型コロナ感染症の症状の類似性も指摘されている。また来年開催予定の東京五輪・パラリンピックもあって、「熱中症警戒アラート」への関心は今後高まるものとみられる。
〈2020. 06. 10. by Bosai Plus〉