国土交通省「大規模盛土造成地とは」より

次のステップは――立地適正化計画で定められる「居住誘導区域」内の対策を優先的に実施

 地震によって地滑りを誘発する可能性がある大規模盛土造成地が、防災上の大きな課題になっている。阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などで、谷や沢を埋めた造成宅地、あるいは傾斜地盤上に腹付け(地盤面の水平面に対する角度が20度以上・高さ5m以上の盛土)した大規模な造成宅地ががけ崩れや土砂流出を起こし、大きな被害が発生した。盛土と地山(じやま/自然の地盤)との境界面や盛土内部を滑り面とする盛土の地滑り的変動(滑動崩落)が生じたためである。

国土交通省「大規模盛土造成地とは」より
国土交通省「大規模盛土造成地とは」より

 国土交通省は、この大規模盛土造成地の安全性の把握を進める対策の第1段階として、地方公共団体に2020年3月までに、「大規模盛土造成地マップ」を公表するよう取組みを進めてきたが、このほど3月30日をもって、すべての地方公共団体でのマップの公表がなされたとして、その結果を公表した――「大規模盛土造成地(3000平方m以上の盛土等)はすべてがただちに危険のあるものではないが、すべての47都道府県の1003市区町村において、5万1306カ所(面積約10万ha)が存在する」(大規模盛土造成地なし:738市区町村)。

>>都道府県別の大規模盛土造成地数および面積(同PDF「別紙1」)
>>都道府県別の造成年代調査実施状況(同PDF「別紙2」)

 大規模盛り土造成地がもっとも多かったのは神奈川県(6304カ所、1万1801ha)で、その過半を横浜市(3271カ所、6987ha)が占めた。続いて福岡県(4989カ所、5490ha)、大阪府(3709カ所、6486ha)などとなっている。

 この公表を受けて国土交通省は、対策の第2段階となる「安全性の確認(変動予測調査)」、第3段階の「危険性が高い箇所の滑動崩落防止工事などの予防対策」に進むことになる。
 「安全性の確認(変動予測調査)」では、「どの盛土から調査を行うか決める計画」の作成が2022年度までを目標に求められていて、このための「造成年代調査」を2020年度末までに行う(実施率100%)ことになっているが、2019年度3月末時点での完了率は全国で約5割(49%)。
 この調査で、人的被害や財産被害の防止・軽減、復旧コストの低減等において意義があることを基準として優先度を評価し、ボーリング調査を行う。
 その後、「造成宅地防災区域」の指定などを行い、第3段階の「対策工事」を経て、同解除までのフロー(道程)となる。

国土交通省「大規模盛土造成地の安全性確保のフロー」より
国土交通省「大規模盛土造成地の安全性確保のフロー」より

 国土交通省は、大規模盛土造成地マップは継続的な更新・周知を図り、「都市再生特別措置法」に基づく都市再生を図るために居住を誘導すべき区域として立地適正化計画で定められる「居住誘導区域」内の対策を優先的に実施していく計画だ。

>>国土交通省:全国すべてで大規模盛土造成地マップを公表

〈2020. 04. 18. by Bosai Plus

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