WHO-HPより

想定/想定外を常に更新しつつ
自ら判断を

2020年は新型感染症、地震本部「津波評価/
地震確率更新」、「防災総力戦」で幕開け…

P1b 海岸の津波高3m以上(編集加工) - 「正しく怖れることはむずかしい」―だから…
地震本部資料より「海岸の津波高3m以上」(編集部がデザイン加工)

●2020年1月の防災動向、「20/20」(正常視力)の視点からの検証

 中華人民共和国湖北省武漢市で昨年(2019年/令和元年)12月以降、「新型コロナウイルス」に関連した肺炎の発生が報告され、本年に入って世界各地から患者発生の報告が続き、ついにわが国内でもその流行の可能性が懸念される事態となっている。直近(1月31日)の情報では、世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC: Public Health Emergency of International Concern/フェイク)を宣言した。

 防災メディアとしても新型感染症対策は重要課題であるいっぽう、本紙は、地震調査研究推進本部(以下、「地震本部」)が1月24日に公表した「南海トラフ地震の30年津波確率」にも注目した。内閣府は2012年、東日本大震災を踏まえて科学的に起こり得る最大級(最悪想定)の地震を設定したことで、高知県黒潮町で最大34mなどを踏まえた防災対策が進められているところだが、ここに来て地震本部は、最悪想定ではない、いわゆる“通常災害”的に高い確率で起こり得て、それでもなお、人命はもとより家屋を流失させる「海岸津波高3m」や、多様な津波発生形態を踏まえた想定・確率をとりまとめ、対策を促す情報として打ち出した。

 さらにひるがえって、国土交通省は1月21日、「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト~いのちとくらしをまもる防災減災~」と銘打つプロジェクトを打ち出した。「省内各局の縦割りを排し、横串を刺した形で省全体、国全体で取り組む」とうたっており、文字どおりなら「防災省/防災庁」に通じる防災体制の変革を想起させるものだが、果たして……
 本紙は2020年1月の防災動向を、「20/20」(視力検査の「正常視力」から、洞察力のあるの意)の視点をめざしつつ、紹介していきたい。

〈2020. 02. 01. by Bosai Plus

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