悲運の三鉄 再起・再開を心待ちして 応援を

台風はローカル鉄道にも大きな被害を発生させた
 地方創生のインフラを育てたい

 台風19号被害を概観すると、河川が大河川の氾濫のいっぽう、中小河川の”反乱”を見たのと同様、鉄道も主要幹線に加えて、ローカル線が各地で多く被害を受けた。JR東日本の中央本線、両毛線、水郡線、東北本線、磐越東線、八戸線、吾妻線、飯山線などのほか、東武鉄道の佐野線、しなの鉄道、上田電鉄、阿武隈急行、そして箱根登山鉄道などが大きな被害を受け、いまなお復旧工事、早期運行再開に努めているところだ。
 鉄道、とくにローカル線は地方創生のインフラだとも言える。ここではとくに、本年3月23日に東日本大震災からの復興のシンボルとして8年ぶりに全線開業し、本紙もそれを伝えた(下記リンク参照)岩手県沿岸を走る三陸鉄道の台風19号による被害を取り上げたい。

>>防災情報新聞 2019年4月8日号付け:リアス線で行く「三陸防災復興の旅」

 三陸鉄道(愛称:三鉄)は全線開業からわずか半年余りで台風19号被害にあうこととなった。リアス線全線で少なくとも77カ所に被害が発生。両石~釜石間と織笠~岩手船越間の路盤流失、陸中宇部~久慈間の盛土崩落、土砂流入、のり面崩壊、そして15カ所でケーブル管路流出、信号器具箱浸水などの電力信号通信被害が重なった。
 釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムで10月13日に開催予定だったラグビーワールドカップの「ナミビア vs. カナダ」の試合(釜石市で開催する2試合のうち1試合)が台風19号の接近で中止となったこともあり、台風19号は三陸鉄道にも不運をもたらす災害となった。
 10月23日現在の三陸鉄道の運行状況では、列車での運行区間は盛駅~釜石駅間は通常運行・1日11往復の運転、宮古駅~田老駅間は特別運行で1日9往復の運転となっていて、運行区間の割合を約30%としている。

台風19号による三陸鉄道の被害状況(同社HPより)
台風19号による三陸鉄道の被害状況(同社HPより)

 また代行バスによる運行区間は、釜石駅~宮古駅間は通学生の利用時間を中心に1日4.5往復、田老駅~久慈駅間は通学生の利用時間を中心に1日5往復の運転となっている。今後の見込みとしては、被害の程度、周囲の状況、当該区間の利用状況等を勘案し、優先度を見極めながら復旧工事を進める予定で、復旧工事が完了次第、順次、運行区間を延伸するとしている。
 6月1日から8月7日に岩手全県をあげて実施された「三陸防災復興プロジェクト2019」やラグビー・ワールドカップで認知度が高まり、利用者も増え、今年度は黒字を見通していた三陸鉄道は、復旧費の確保や団体客のキャンセルもあり、一転して厳しい状況だという。同社では年度内には全線復旧させたい意向で、本紙としても、”三鉄”の再起を祈り、応援したい。

>>三陸鉄道

〈2019. 11. 05. by Bosai Plus

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