『クックパッド 防災レシピBOOK』と
在宅避難経験者アンケートより
役に立ったストック食材は「缶詰」、調理器具は「カセットコンロ」――アンケート回答者の約6割が
「クックパッド」と言えば、「毎日の料理を楽しみにする」というミッションのもと1998年3月にスタートした料理レシピ投稿・検索サービスだ。現在の投稿レシピ数は約315万品、国内では月間約5400万人が利用しているという。
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そのクックパッドを運営するクックパッド株式会社の監修による『在宅避難で役立つ食まわりの知恵から日ごろの備えまで〜クックパッド 防災レシピBOOK』がこのほど発刊された(扶桑社・刊、価格:1000円+税)。地震や台風・豪雨などの自然災害で被災した際の「在宅避難」時に着目し、必要な備えや役立つレシピなどを紹介する料理レシピ本である。
>>クックパッド:『クックパッド 防災レシピBOOK』発売
同書がユニークなのは、在宅避難に着目し、ライフライン(電気、水道、ガスなど)が完全復旧していないなかで在宅避難生活を送るには、日頃からの「備え」が必要との原点に立ち、クックパッドの豊富なレシピのなかから、非常時だけではなく日頃から活用できる「ポリ袋調理」や「節ガス・節水レシピ」などをピックアップして掲載していることだ。
また、在宅避難の経験のあるクックパッドユーザー1191名へのアンケート調査結果をもとに、被災時に本当に役立つ備えや生活周りの知恵を紹介し、実践的な内容を集約。とくに、「食・水の確保」に役立つ情報を重点的に提供していて、洗い物が少なく済み、調理時にも節水ができるレシピや、火を使わずに作れるレシピなどを厳選してセレクトした。
アンケート結果では、在宅避難生活における最大の課題は「食・水の確保」が39.8%で最も多く、次いで「トイレ」が15.8%、「情報収集」が11.3%と続いた。役に立ったストック食材は「缶詰」、調理器具としては「カセットコンロ」を挙げた回答者がいずれも約6割にのぼった。
在宅避難の是非、考え方についても言及、在宅避難は、事前に自宅周辺のハザードマップと自宅の耐震基準を確認したうえで、被災後も建物倒壊や火災等の危険性がないことを確認した場合においてのみ実行することと注意を促し、ライフラインが完全復旧していないなかで在宅避難生活を送るには、日頃から、「ポリ袋調理」や「節ガス・節水レシピ」の活用などの「備え」と「実践」が望ましいと指摘している。
被災によって心身ともに大きなストレスが生じるなか、避難所での生活を長く続けることは、被災者にとって大きな負担となる。「在宅避難」という形で住み慣れた自宅で生活し、かつ自分や家族がほっとできる家庭料理が食べられる環境を整えることは、日常を一日でも早く取り戻すための足がかりになることは確かだ。
>>クックパッドニュース:在宅避難時に役立つ防災レシピ特集
〈2019. 09. 06. by Bosai Plus〉