上:村上弘明さんによる開催報告、下:坂本龍一さんと東北ユースオーケストラによるコンサート

68日間の成果と新たな決意

三陸沿岸は復興から“新しい三陸の創造へ”、
力強く一歩を踏み出した

 本紙が去る5月16日付けで報じた「三陸防災復興プロジェクト2019」が、8月7日、岩手県陸前高田市の夢アリーナたかたでクロージングセレモニーを開催、岩手県三陸沿岸を舞台に、6月1日から68日間にわたって実施されたプロジェクトがフィナーレを迎えた。

>>防災情報新聞 2019年5月16日付け:三陸防災復興プロジェクト、6月1日から8月7日まで開催!

 クロージングセレモニーでは、プロジェクト実行委員長である達増(たっそ)拓也・岩手県知事をはじめ、俳優の村上弘明さん、音楽家の坂本龍一さんなど約1300人が参加。期間中、震災後に生まれた国内外の多様な「つながり」を生かしてプロジェクトのさまざまな事業が行われたことで「つながり」がさらに発展していることや、復興を果たし、未来に向かって歩み続ける決意を発信するセレモニーとなった。

 東日本大震災から8年、復興のシンボルともなる三陸鉄道(三鉄)リアス線が本年3月23日開通し、これを起爆剤とした三陸防災復興プロジェクトは、岩手県が軸となって復興の現状への関心を広く高め、東日本大震災の風化防止・国内外の防災力向上に資し、三陸観光を促進して「新しい三陸の創造」をめざす趣旨で計画された。
 6月1日から68日間にわたって、音楽祭やお祭り、シンポジウムなど多彩な22のイベント事業を展開、三鉄関連でも、リアス線全線(久慈〜盛(さかり)間)を夜通し走る夜行列車の運行や、三陸の食材を使用したコース料理を提供する「三陸プレミアムランチ列車」、また、南北リアス線当時から評価の高い震災学習を希望する団体・個人向け「“復興の今”学習列車」が運行された。そして「復興の今を学ぶ」、「三陸の豊かな地域資源を学ぶ」をテーマに、全国各地からの旅行者を対象として沿岸13市町村が連携する旅行商品「いわて三陸学びの旅」も実施された。

 ちなみに、環境省は本年3月末、青森県八戸市から福島県相馬市までの全線900kmを超えて4県28市町村にまたがって太平洋沿岸を一本の道でつなぐトレイル「みちのく潮風トレイル」を全線開通させ、その記念式典・シンポジウム」を6月に宮城県名取市で開催した。三陸沿岸は復興から“新しい三陸の創造へ”、力強く一歩を踏み出したと言える。

上:村上弘明さんによる開催報告、下:坂本龍一さんと東北ユースオーケストラによるコンサート
上:村上弘明さんによる開催報告、下:坂本龍一さんと東北ユースオーケストラによるコンサート

 クロージングセレモニーでは、岩手県出身の俳優で支援活動を続ける村上弘明さんが登壇、「プロジェクトを通じて実現した連携を財産に新しい三陸を創ろう」と述べ、また陸前高田市の高校生などが「ここから全国、世界へ発信できる人になりたい」と決意を述べた。そして、坂本龍一さんは、復興支援を通じて自身が監督を務める東北ユースオーケストラとピアノ五重奏で共演した。

 本年(2019年)は「ラグビーワールドカップ2019」が9月20日から11月2日に釜石鵜住居復興スタジアム(釜石市)など全国12会場で開催される。これを機に、三陸は再び、世界的に注目されることになるだろう。

>>三陸防災復興プロジェクト2019:「三陸防災復興プロジェクト2019」がフィナーレ

〈2019. 08. 18. by Bosai Plus

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