国土交通省資料より「鉄道の計画運休の実施についての最終取りまとめ(概要)

利用者等が適切な行動を選択できるよう“前広”に情報提供

「計画運休」には、公共交通の社会的責任と利用者の安全確保という“相克”が――気象情報の精度向上にも期待

●公共交通の社会的責任と利用者の安全確保という“相克”を理解しつつ、対応を

 本紙読者にはすでにおなじみの「タイムライン」(防災行動計画)――台風・風水害は事前に気象情報を入手できることから、「タイムライン」(防災行動計画)が活きる。公共交通機関では市民の不要・不急の外出を控えさせ、帰宅・出勤困難者を出さないための対応となる。もとより、タイムラインの『ゼロ・アワー』(リスクがもっとも高まる時間。この時間には、市民はもとより消防団、行政・消防・警察など救助支援側も含めてだれでも安全を確保)に向けて、体制を整えてもらうのが本来のあり方だ。

 昨年(2018年)9月の台風21号や24号の接近で、鉄道各社が利用者らに予告したうえで運行を取りやめる「計画運休(タイムライン鉄道版)」を実施した。これについては本紙も取り上げたので、参考に供する。

>>防災情報新聞2018年11月4日付け:「計画運休」、効用と課題

 このときいろいろな課題が浮上したことを受け、国土交通省はJR旅客6社や大手私鉄など関係者を集め、「鉄道の計画運休に関する検討会議」を設けて議論、昨年10月に計画運休の実施法や運転再開にあたっての安全確認などについて中間報告をとりまとめた。

 その際、引き続きの検討課題として、①利用者等への情報提供の内容・タイミング・方法、②計画運休の際の振替輸送のあり方、③自治体への情報提供の仕方などがあった。これらを踏まえ、国土交通省は去る7月2日、最終とりまとめとして、利用者への情報提供で事前にタイミングや方法などを定めておく「タイムライン」を作成するよう求めた。
 具体的には――

① 利用者等への情報提供の内容・タイミング・方法
 ⇒利用者等に対して前広(まえひろ=前もって・広く)に多様な手段と多言語で情報提供。計画運休を実施する場合や運行再開時には、利用者等が適切な行動を選択できるよう、できる限り具体的な情報提供を適切なタイミングで行う

② 計画運休の際の振替輸送のあり方
 ⇒振替輸送実施の有無については、輸送力などの様々な事情を踏まえて決定されるものゆえ、実施する場合・実施しない場合のいずれにおいても情報提供を行う

③ 地方自治体への情報提供の仕方等
 ⇒平素から沿線の地方自治体との間で情報提供・連絡体制を確立するよう努める

④ 情報提供タイムラインの作成
 ⇒①~③を踏まえて、情報提供タイムラインをあらかじめ作成しておく

>>国土交通省:鉄道の計画運休のあり方について最終とりまとめ

P4 2 国土交通省資料より「鉄道の計画運休の実施についての最終取りまとめ(概要) - 鉄道の「計画運休」のあり方、とりまとめ
国土交通省資料より「鉄道の計画運休の実施についての最終取りまとめ(概要)

 鉄道会社の「計画運休」には、公共交通の社会的責任と利用者の安全確保という“相克”がある。利用者としては、その相克を理解したうえで代替手段を考えるいっぽう、気象情報の精度がより高められることを期待したい。

〈2019. 07. 23. by Bosai Plus

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