本年(2019年)1月22日付け山形新聞に、「浸水したら避難は“ここ”へ    長井、館町南・北地区のハザードマップ完成」という記事があった。

>>山形新聞:「浸水したら避難は“ここ”へ         長井、館町南・北地区のハザードマップ完成」

 最上川左岸に位置する山形県長井市館町南・北地区の住民と国土交通省などが、最大規模の洪水に伴う浸水被害に備えて作成を進めてきた「まるごとまちごとハザードマップ(被害予測地図)」が完成し、想定浸水深と避難場所を示す標識の取り付け作業が19日、現地で行われたというもの。

 この地区は約600世帯の住宅密集地で、最上川水系の洪水浸水想定区域では、1.5m前後の浸水が予想されているのだという。そこで今回、新ロゴで登場した『防災Key Words』ではこの『まるごとまちごとハザードマップ』を取り上げることとした。

 国土交通省が推進する『まるごとまちごとハザードマップ』では、地域の洪水に関する情報の普及を目的として、生活空間である市街地の電柱などに実績(想定)浸水深(m)などを標識として表示する。

『まるごとまちごとハザードマップ』の例(国土交通省資料より)
『まるごとまちごとハザードマップ』の例(国土交通省資料より)

 これまで各地で、大洪水による災害が発生したあと、石碑の建立や水位標の設置などによって洪水痕跡を保存し、地域の記憶、災害教訓として水害の経験を後世に伝える取組みがなされている。いっぽう近年、地域のコミュニティが変化し、被災経験のある住民が少なくなり、地域で過去に生じた大きな水害の情報や、自分の住んでいる地域の想定浸水深など、洪水に関する危険度情報を知らないことが多くなっている。

 そこで、浸水深や避難所等洪水に関する情報を洪水関連標識として「まちなか」に表示することにより、日常から洪水への意識を高めるとともに、浸水深等の知識の普及を図り、発災時には安全かつスムーズな避難行動につなげようというのが、『まるごとまちごとハザードマップ』だ。

 近年、浸水想定区域の指定・公表と洪水ハザードマップの作成が進むなか、『洪水ハザードマップ作成の手引き』(2015年6月/国土交通省河川局治水課)でも、洪水ハザードマップの理解を深める取組みとして、洪水痕跡の保存や、街頭での水位情報の提供等があげられた。そこで、わがまち(自分の居住地域)を“まるごとハザードマップ”と見立てて、生活空間である“まちな      か”に水防災にかかわる各種情報を標示する『まるごとまちごとハザードマップ』を推進することとし、そのガイドラインも作成されている。

 昨年(2018年)の西日本豪雨は言うに及ばず、洪水避難で「勧告、指示」が出ても依然として避難行動をとる人は少ない。水害に対する危機意識の高くない市民は、洪水ハザードマップがつくられていることさえも知らないという傾向もある。ICT(情報通信技術)化が進んでいるとは言え、まだまだ、まちなかの電柱や看板等に洪水時の危険度(浸水深)や避難場所を示したアナログ標識を掲示する『まるごとまちごとハザードマップ』への取組みは捨てがたいということだ。

>>国土交通省:『まるごとまちごとハザードマップ』

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