《本紙特約リポーター:片岡 幸壱》
「防災シンポジウム」(主催=武庫川女子大学・地域貢献推進委員会)が去る12月8日、武庫川女子大学・日下記念マルチメディア館1階、メディアホール(兵庫県西宮市)で開催され、学生、一般などを含む約100人が参加した。
近い将来、発生する可能性がある南海トラフ地震について、「考えておかなければいけないこと」をテーマとしてシンポジウムを開催した。
■基調講演
森永速男氏(兵庫県立大学減災復興政策研究科減災復興政策専攻・教授)が「南海トラフ地震は必ず来る!! ―その備えと心構え―」をテーマに地震の規模・津波などを取り上げて、「普段の取り組みが防災・減災社会の形成や災害後の早期復興に活きることで『災害に強いまち』になる」と述べた。
■災害に対する「公」の対応
川﨑正信氏(兵庫県阪神南県民センター・西宮土木事務所武庫川対策・室長)が「武庫川の治水に関すること」、北浦好志氏(兵庫県阪神南県民センター・尼崎港管理事務所・副所長)が「港湾部の津波・高潮に関すること」、尼子剛志氏(西宮市防災危機管理局災害対策課・課長)が「防災マップ説明等」について報告。
尼子氏は「防災マップは、災害に備えて準備しておくこと、災害情報の入手法、避難場所や避難経路の確認などが掲載されているので、普段から確認してほしい」と述べた。
休憩中に永田隆子氏(武庫川女子大学・特任教授)による「エコノミー症候群防止の体操」が行われた。
■パネルディスカッション:災害に対する「私」の対応
パネルディスカッションでは、大路巧氏(武庫川女子大学総務課・課長)「武庫川女子大学防災対策検討ワーキングとしての取り組み」、茅野宏明氏(武庫川女子大学文学部心理・社会福祉学科・教授)「防災ふれあいウォーク」、水野優子氏(武庫川女子大学生活環境学部生活環境学科・講師)「学生による『防災』をテーマとした取り組みと調査」、清水佐知子氏(武庫川女子大学看護学部看護学科・准教授)「災害時のケガや病気等への備えや被災後のケア等」、川崎洋光氏(鳴尾連合自治会・副会長)「周辺地域住民として等」について報告が行われた。
茅野氏は「認定NPO法人日本災害救援ボランティアネットワーク(寺本弘伸・常務理事)が主催している『防災ふれあいウォーク』は、津波避難ビルの位置確認・避難のための歩行体験・防災への知識習得を目的として実施している」と語った。
司会に大坪明氏(武庫川女子大学教育研究社会連携推進室・室長)、パネリストに前出の森永氏、川﨑氏、北浦氏、尼子氏も加わり、パネルディスカッションが行われた。
■備えと心構えの重要性
日頃から自分や家族を守るための備えをして、地域で助け合えるように「地域コミュニティ」の構築が重要だと認識したシンポジウムだった。『防災ふれあいウォーク』のような様々なイベントを継続的に開催することで、防災への関心・備えの意識(防災対策)が更に、着実に高まるのではないかと思う。
▽本紙特約リポーター:片岡 幸壱
神戸市在住。中学2年のとき阪神・淡路大震災に遭遇、自宅は全壊したが家族は全員無事避難。学生時代より取り組んでいる防災を仕事と両立しながら、ライフワークとして、ユニバーサルデザイン(UD)などのイベント・ボランティア参加を続けている。聴覚障害を持つ防災士としても活躍中。
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