日本防災士機構 専務理事
防災情報新聞を創刊

P6 1 玉田三郎氏(撮影:本紙・高嶋三男) - 【訃報】 玉田 三郎 さん<br> 防災士・防災士制度 提唱者、<br> 生みの親・育ての親
故 玉田三郎さん(2021年10月、本紙・高嶋撮影)

 防災士・防災士制度の提唱者、生みの親・育ての親として防災関係者に知られる玉田三郎さん(日本防災士機構専務理事、日本防災士会参与、防災士研修センター最高顧問、防災情報新聞創刊・社主などを歴任)が、2026年8月16日、死去されました(享年92歳)。日本防災士機構によると、後日、「お別れの会」を開催予定。

 今日、防災士認証者数は累計36万名を超えました(2026年8月末日現在)。防災士は近い将来、全国で累計50万名、さらには100万名をも展望するわが国の一大民間防災勢力になりつつあります。
 玉田三郎さんはその防災士の礎を、文字通り”ゼロ”から築いた比類なき防災士制度提唱者であり、かつ周囲の理解者・同調者を呼び込んで、大きなうねり=民間自立の防災ムーブメントを起こさせた”先覚的イノベーター”(革新者/戦略家)でもありました。

 本紙「WEB防災情報新聞」特別編集委員・高嶋三男は、二十数年来、”玉田専務(日本防災士機構・専務理事)”とお呼びかけし、玉田専務を師(兼・仕事の発注者)と仰ぐ立ち位置”にあって(忌憚ない熱い議論もたびたび)、その薫陶を受けて防災メディアに関わってきたこともあり、玉田専務の防災界での業績を高く評価しています。
 もし、防災界に”殿堂”があるのであれば、防災メディアとして、玉田専務を現代の防災功労者として真っ先に推薦するでしょう。

P6 2 『防災士20年の歩み』表紙 - 【訃報】 玉田 三郎 さん<br> 防災士・防災士制度 提唱者、<br> 生みの親・育ての親
日本防災士機構刊「防災士20年の歩み」(2023年9月発行、本紙・高嶋が編集主幹を務める)。『防災士20年の歩み』は非売品。防災士養成研修機関、行政防災部署、主要図書館、国立国会図書館等に納本されている

 日本防災士機構『防災士20年の歩み』(本紙・高嶋三男を編集主幹として2023年9月30日発行)によれば、玉田さんは1995年1月17日の阪神・淡路大震災に衝撃を受けて防災に関わります。当時、玉田さんは行政向け広報会社を経営していたことからそのノウハウを活かして、阪神・淡路大震災発災の3カ月後に本格的な防災啓発イベントを企画、発災7カ月後の8月に自治体防災担当者300名を集め、大震災以降初の「全国自治体 防災と災害救援フォーラム」を企画・開催(2日間)しました。

 このフォーラムがわが国の防災関係機関・行政部署等から高い評価を得て、玉田さんは1997年4月、本紙の前身となる防災情報新聞(当時は紙媒体・有料1部300円。官公庁・自治体防災部署の定期購読獲得で公称発行部数2万部)を創刊します。
 防災情報新聞は当時、わが国で唯一・初の防災と危機管理に関する全国紙で、防災に特化したメディアとして記者クラブ加盟報道各社と同等の取材環境にあって、中央防災会議をはじめとする情報源への幅広い取材活動にあたるいっぽう、地域に根ざした「自助・共助・協働の防災福祉社会」の推進に向けた報道に努め、各方面から高い評価を得ました。
 そして玉田さんは1999年12月、「防災士資格制度の提唱」に至ります。

 その経緯は『防災士20年の歩み』に詳(つまび)らかですが、同書の副題に「羅針盤なき航路を進めた一意専心の足跡」とあるように、「一意専心の足跡」はまさに、玉田三郎さんへの私からの献辞でもありました。
 玉田さんは、決して自ら防災士運動の“表に出る人”ではありませんでした(いっぽう、学生時代、雄弁部で鍛えられたように演説・スピーチは秀逸で、”能ある鷹は爪を隠す”でした)。その真意は「無名で防災経歴の浅い民間人がトップでは“伸びしろ”を狭める」というあくまで組織論からの決断でした。そこで玉田さんは、日本防災士機構会長や理事長ポストに誰もが納得しうる傑出した指導者をスカウトしてきたのです。

 防災士の制度設計が今日なお揺るぎないのは、設計思想の精緻さ・堅牢さ・志の高さにあります。その思想を導いたのは玉田さんの意向を受けて制度設計の任にあたった当時の防災分野の第一線有識者たちでした。いっぽう、防災士養成に向けた「教本」編集者として玉田さんの盟友・橋本茂さん(2024年6月逝去)がいました。そして、防災士養成講座のキラーコンテンツを確立させた幾多の講師の貢献にも大きく負うところがあります。

 そうした人材スカウトの成功は玉田さんの手腕によるところが大でしたが、その目の確かさと対となって、スカウトされた人びとも期待を裏切ることがなかった――そして、防災士になって「助けられる側から助ける側に回ろうという多くの人びとの「防災志」と共振・共鳴する――それらのシナジー効果が、防災士構想の「幸運と成功」を招いたとも言えるのでしょう。

 「防災士ムーブメント」の巨星、わが「防災殿堂入り」。玉田専務、安らかにお休みください――合掌。

WEB防災情報新聞 特別編集委員(《Bosai Plus》 編集発行人) 高嶋三男

〈2026. 09. 01. by Bosai Plus

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