市民協働でインフラ防災DX
防災庁創設、市民を巻き込め
「ぼうさい探検隊」もDX志向―「すべての分野に“防災”がある」
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「ピクトレ 防災チャンピオンシップ2026」 8月1日〜11月30日開催
全国47都道府県・1718市区町村、市民参加型の自治体対抗イベント
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株式会社 Digital Entertainment Asset (東京都港区、以下「DEA」)が市民参加型社会貢献ゲーム「PicTrée(ピクトレ)」(以下「ピクトレ」)を開発し、運営するGrowth Ring Grid Pte. Ltd.(シンガポール、以下「GRG」)とともに、「ピクトレ 防災チャンピオンシップ2026」を、8月1日から11月30日までの4カ月間にわたり開催すると発表した。
同イベントは、全国47都道府県・1718市区町村を舞台とする市民参加型の自治体対抗イベントとして実施。スマートフォンアプリ「ピクトレ」を通じて、市民がまち中の防災設備(消火栓・AED・避難所・防災倉庫・給水拠点等)を撮影・投稿することにより、自治体も把握しきれていない最新の防災インフラ情報を可視化し、自治体に還元していく「市民参加型・防災DX」を実現しようというものだ。
DEA:「ピクトレ 防災チャンピオンシップ2026」を全国1718市区町村対抗で 8月から開催

イベントを企画した背景についてDEA社は、日本において防災訓練に「ほぼ毎回参加する」人はわずか4.4%(出典:こくみん共済 coop<全労済>「防災・災害に関する全国都道府県別意識調査2024」)にとどまっていることがあるとし、同イベントは、この構造をまちを歩きながら参加できる仕組みに変えることで、史上最大の分散型・防災参加イベントを実現するとして、次の2つの「柱」を掲げる。
①市民参加型・防災DX:地域の最新の防災関連設備情報を市民が集め自治体へ還元
②史上最大の分散型・防災参加イベント:防災訓練参加率4.4%をピクトレで改善
ピクトレの有効性については、まち中に存在する防災設備(消火栓・AED・避難所・防災倉庫・町内会の備蓄拠点等)の正確な位置・状態・運用情報は、実は多くの自治体でも完全には把握されていないという同社の認識があるという。市民がスマートフォンで撮影・投稿することで、これらの情報を共通規格としてデータ化し、自治体に還元。市民の日常的な行動が、そのまま地域の防災力を底上げするDXとなる仕組みとなる。
そして、47都道府県・1718市区町村が同時に「対抗」し、市民の参加数・プロット撮影の数などを総合スコア化してその総合成績を競う。ピクトレ終了時には、最も活発に防災活動が行われた1自治体が「ピクトレ 防災チャンピオンシップ2026 優勝自治体」として認定され「日本一、防災が進んでいるまち」としての称号を獲得する。
同社では、「日本には、地域に根ざした行事への深い参加文化がある。高校野球の地区予選、地域運動会、ふるさとの祭り──そこには自分のまちを応援する、まちを盛り上げたいという世代や立場を越えた連帯感が存在する。その地域連帯感を防災活動に持ち込むことで、老若男女・全世代が参加する国民行事としての防災イベントをめざす」としている。
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インフラの老朽化、少子高齢化の人手不足に直面する日本社会
防災立国をめざす防災庁 「すべての分野(=市民)に防災がある」
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防災関係者にはお馴染みだが、子どもたちが自分たちが住むまちの防災施設や災害リスクを探すコンテスト・イベントとして2004年から本年で22年にわたって定着しているものに、日本損害保険協会主催の「小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」がある。前述の「ピクトレ 防災チャンピオンシップ2026」は、「小学生のぼうさい探検隊マップコンクール」の“拡大DX・おとな版”とでも言えようか。


その「ぼうさい探検隊」でも最近、日本損害保険協会が手軽に防災・防犯・交通安全を学べるよう「ぼうさい探検隊アプリ」を開発、まち探検で見つけた危険な所・安全な所に関する写真やコメントをタブレット上にワンタッチで登録することができるようになった。「ぼうさい探検隊」の“DX化”志向だろう(なお、「ぼうさい探検隊アプリ」搭載のタブレット端末の利用は「ぼうさい探検隊マップコンクール」への参加申込みが条件で、無料貸出し)。
いっぽう、「My City Report」というスマホアプリやPCから、道路や公園などの「こまった」を写真と位置情報付きで自治体へ通報し、市民と行政が協働でまちの課題を解決するための市民協働投稿サービスがある。
通報への対応状況は公開され、他の市民とも情報共有できるというもの。具体的には、道路の穴ぼこ、ひび割れ、側溝の破損などの通報、公園遊具の破損、フェンスの壊れ、照明不良などの報告、ゴミの不法投棄や放置物など環境面の「困りごと」の共有となる。
基本的な利用方法は、スマートフォンに「My City Report」アプリをインストール、現地でアプリを開き、カメラで状況を撮影、位置情報と簡単な説明、カテゴリを入力して送信。後からアプリやWebで対応状況を確認する。
このシステムは、導入自治体で名称の違いもあり、東京都や多くの自治体で道路通報システムとして試行・本格運用中だ。各自治体ごとに「ちばレポ」「しなみちレポ」「あまレポ」など独自名称で展開される場合もあるが、基盤システムは「My City Report」を利用。

My City Report(全国的な道路・公園報告プラットフォーム)

また、電力会社では、電柱に作られたカラスの巣が原因で起こる停電(営巣停電)が長年の課題だったが、現在は市民からの報告が大きな力になっている。ほかにも、「公園・街路樹:老木の倒木・折損」、「鉄道・道路:危険箇所への気づき」の通報システムもある。
かつて「公共インフラの維持管理」といえば、自治体や専門業者の専任だったが、「インフラの寿命」問題、そして少子高齢化に伴う深刻な「人手不足」に直面するいま、その常識が大きく変わりつつある。
スマートフォンを活用して市民が街の不具合を報告し、行政と連携して課題を解決する「パブリック・レポート」の取り組みが全国で加速しているのだ。
防災庁が防災立国をめざすうえで「産官学民の共創」と「防災DX」がキーワードになるとされる。いわば「市民点検員」の目と、行政が防災DXを介してそれに応えるサイクルもまた、新しい防災のあり方、「すべての分野に防災がある」の好事例となるだろう。
〈2026. 05. 25. by Bosai Plus〉

