質の高いビジネスマッチングを展開
10月1日〜3日、東京ビッグサイトで盛況裏に開催
出展者数:348社 来場者数:19,622 人
本記事は、本紙特約リポーター・関町佳寛・防災士による特別リポートです。(写真撮影も)
■ 課題・リスクに対処する製品・サービスが一堂に集結

2005年の初開催から20年、第21回となる国内最大級の「危機管理」総合トレードショー「危機管理産業展2025」(「テロ対策特殊装備展(SEECAT)」併催)が、去る10月1日〜3日の3日間、東京ビッグサイトで盛況裏に開催された。出展社数は348社506⼩間、来場者数は3日間で1万9622 人、「テロ対策特殊装備展”25」は出展社数110社193小間、来場者数は7535人だった(主催者発表)。
同展主催は株式会社東京ビッグサイト、特別協力として東京都、後援には内閣府政策統括官(防災担当)ほか関係公的機関が名を連ねる。防災・危機管理に関する展示会の先駆けとして抜群の知名度を誇り、「防災・減災」、「BCP・事業リスク対策」、「セキュリティ」の主要3分野を柱に、併催企画として「危機管理ドローン・ロボット」、「サイバーセキュリティ・ソリューション」、「スマートセーフシティ」などの課題やリスクに対処する製品・サービスが一堂に集結。また今回は、スタートアップを応援する「Risk Control Startups」出展ゾーンが新たに加わり、来場者の耳目を集めた。

激甚化傾向にある災害・危機管理環境を背景に、また“防災の主流化”が浸透するなか、会場は国・地方自治体関係者をはじめインフラや商業施設、製造業、情報通信業ほか、学校・病院・福祉施設などあらゆる業界の経営層や管理・総務部門などの来場者があり、質の高いビジネスマッチングが展開された。
いっぽう、同時開催の第19回「テロ対策特殊装備展(SEECAT)’25」は国内唯一の「テロ対策」に特化した展示会で、入場者を限定したクローズドショーは、治安関係者、重要インフラ従事者等には必須の展示会となっている。
■ 関町リポーターが注目された製品・サービス・研究は……
○ 近未来の消防活動 「放水ドローン」
三菱重工業は東京消防庁と共同開発中の高所消火活動用の放水、薬剤投てき型ドローンの最新技術を初めて公表展示。10階建て以下のビルにはスプリンクラーの設置義務はないため火災時には大型はしご車が必須だが、狭い道路や道路状況次第で現場到着が遅延して早期消火に支障をきたす。
この放水ドローンは強固な耐熱処理された4個の円形筒状内に独立した二重反転ローターがガードされ、地上20m(6〜7階程度)以上浮上して30mm径の消防ホースを引き上げ、ポンプ車から給水し放水する。投てき型ドローンは火災の種類に応じて消火用薬剤を投下できる。地上からの給電により長時間活動が可能。放水水平距離:20m/放水量 200ℓ/分/三菱重工業(株)


○身近な問題に対応「備蓄専用ガソリン」
自主防災組織や自治会向け小型発電機用燃料として最近発売された「安全簡単備蓄専用ガソリン」。スクリューキャップで開栓工具不要、専用ノズル付、UN規格消防法適合で、①はずす、②つける、③そそぐ、の3ステップで従来品より燃料供給が簡易安全。
1ℓ缶・段ボール箱4個入りレギュラーガソリン/製造者:(株)ジェーピージェネレーターズ

■ 会場セミナー:
玉田・防災士研修センター代表が「避難所開所前にトイレ封鎖」を提案
防災士養成研修のトップ事業者である防災士研修センター・玉田太郎代表は、「在宅避難」訓練「ホームサバイバルトライアル」を発案・提唱、その啓発講演会を数多くこなす。
今回の会場セミナーでは、玉田氏は防災士として各災害現場で直接被災者の訴えを見聞した経験からヒントを得た対策として、災害時の避難所トイレ・衛生対策について、「避難所開所前にトイレを封鎖することが重要」と、新視点からの対策を提案した。
その趣旨は、避難者がトイレの使用方法、ルールを理解してからトイレ使用を許可する、一人でも誤った使い方をしてしまうと、以降は使用不能となることを理解させることが大切というもの。とくに断水状況でのトイレ対策として、是非実施したい方策だろう。

〈2025. 10. 15. by Bosai Plus〉