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観光地レジリエンス向上へ
観光DM0と防災士の協働

観光DMOにおける新たな防災モデル構築への取組み 活性化を

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観光地域づくり法人(DMO)とは
地域への誇りと愛着を醸成、観光地域づくりの司令塔
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 観光庁によると、「観光地域づくり法人」(DMO:Destination Management/Marketing Organization)とは、「地域の『稼ぐ力』を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する地域経営の視点に立った観光地域づくりの司令塔として、多様な関係者と協働しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定し、着実に遂行する機能を備えた法人」を言う。

 DMOは主に「観光マーケティング」の司令塔として地域全体の観光戦略を描き、魅力を高めて集客につなげるもので、従来の観光局、コンベンションビューローと同様の役割を担うが、国・地方自治体の緊縮財政により、民間部門との連携の動機づけとなる。ちなみに、DMC(「観光まちづくり会社」/Destination Management Company)は、現地で具体的な旅行商品の企画・手配・運営を通じて旅行サービスを提供する営利企業を言う。

 観光DMOは、わが国では2015年11月に観光庁が観光地域づくりの司令塔となる「登録DMO」と候補法人「候補DMO」を登録する制度を創設したことに始まる。観光DMOが主体となって地方誘客、旅行消費拡大を推進し、地域のさらなる魅力向上や受入環境整備など、「観光地全体のマネジメント」の取組みを行うことが期待されている。

観光庁:観光地域づくり法人(DMO)とは

 登録DMOは全国352団体(2026年4月1日現在。「広域連携DMO」10法人、「都道府県DMO」38法人、「地域DMO」280法人、「候補DMO」24法人)となっている。熊本県阿蘇郡南小国町の観光DMOの「SMO南小国」は、熊本地震から10年を機に、「防災士育成プロジェクト」を始動した。
 南小国町には年間約40万人の宿泊者が訪れ、日帰り観光客を含めると年間約140万人が来訪する。そのうち約10万人が外国人観光客であることから、地域住民や観光事業者ら約70名の防災士を育成し、観光危機管理体制の強化に取り組むという。来たる6月18日・19日の2日間、防災士養成研修を開催する。

 株式会社SMO南小国のSMOは、Satoyama Management(Marketing) Organizationを略したもの。南小国町の現・町長である髙橋周二氏が代表取締役に就任、「観光地域づくり法人(DMO)」として“地域商社”の仕組みを持つつ、徹底して地域に密着した営利会社だ。
 防災士育成プロジェクトは、熊本地震から10年という節目を迎えるなか、「観光客を誰が守るのか」という「観光地における防災の空白地帯」ともいえる課題に正面から向き合い、観光地における新たな防災モデルの構築を目指す取り組みとなる。ちなみにこの取組みは、内閣府の防災・災害支援事業を原資とする観光危機管理事業でもある。

SMO南小国:年間140万人が訪れる南小国町で防災士70名を育成〜観光危機管理の課題解決に地域全体で挑戦〜

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観光DMOと防災士の協働で観光地のレジリエンスを高める
人口減少・高齢化のわが国で 「防災関係人口」の拡大も
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 観光地の防災を観光資源に、あるいは地域づくりの基本に位置づける例として、本紙はこれまで、「防災観光地/防災施設への旅」や、「旅して学ぶ防災=防災ツーリズム」などの巻頭企画で取り上げている。こうした防災ツーリズムの主眼は、各地の災害避難施設の“観光的魅力”に焦点を当てて防災啓発を行うというユニークな視点にあった。

本紙2025年2月4日付け:観光x防災=「防災観光地」防災施設への旅

本紙2025年11月4日付け:旅して学ぶ防災=「防災ツーリズム」

 いっぽう、観光DMOにおいての防災は、「観光地の防災対応」が直接的な課題となる。観光危機管理計画の策定や情報発信の統一窓口、避難誘導や多言語での災害情報提供の仕組みづくり、宿泊施設や観光事業者と連携した避難訓練、マニュアル整備――こうした動きは、観光庁はもとより、各自治体の防災計画においても「観光地のレジリエンス向上」として重視されている。そこで必然的に、防災士の地域防災活動の場も生まれてくる。

 観光DMOに防災士の視点が入ると、「稼ぐ観光」と「守る防災」が同じテーブルで議論できるようになるのが大きなポイントとしてあげられる。防災士がDMOに関わることで、地元住民だけでなく観光ビジネス、観光客も巻き込んだ防災計画が立てやすくなる。

 いくつか例をあげると、沖縄県南城市でも防災士を地域に増やし、共助の土台となる人材の輪を広げる取組みが行われているが、同市の「津波古区のウォーキング大会」(*津波古(つはこ)は沖縄県に見られる地名や苗字の一つで、“津波”と直接の関係はない)は、防災士と自治会が連携して地域の備えを進める恒例イベントの一環。防災士と津波古自治会区長が企画した「ウォーキング大会」と称した避難訓練で、歩きながら地域の歴史や魅力を語り合い、和やかな雰囲気でウォーキングする。住民はもとより来訪者も巻き込んで、高台への避難経路を実際に歩いて確認するウォーキングイベント。

 東京都荒川区もまた防災士を「あらかわ防災リーダー」として登録する制度を推進しているが、観光振興の一環として、外国人とのコミュニケーション支援の強化、地域観光DMOを視野に入れた観光振興施策の更なる積極的展開を図るとしている。

 海峡都市関門DMOは「観光地の防災対応」を観光地づくりの基盤としていて、観光危機管理計画の策定や情報発信の統一窓口、避難誘導や多言語での災害情報提供の仕組みづくり、宿泊施設や観光事業者と連携した避難訓練、マニュアル整備などに取り組む。

 こうした動きは、観光庁や各種事例集の中でも「観光地のレジリエンス向上」として重視されており、観光庁が進めるDMO登録制度では、持続可能な観光地域づくりと地域の稼ぐ力の向上が重視されている。
 防災士の知見を生かして「安全・安心な観光地」というブランドを打ち出すことで、教育旅行やインセンティブツアーなど、安全性を重視する旅行の誘致につながり、レジリエントな観光地イメージを育てられる。人口減少・高齢化の地域社会にあっては、「関係人口」の拡大にもつながる要因ともなるはずだ。

〈2026. 06. 20. by Bosai Plus

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