非常時こそ、こどもの声を聴き、
こどもの権利を守ることが必要
「こどもの居場所づくり」 具体的な方法について、「手引き」
本紙は昨年(2024年)7月20日付けで、「こどもの居場所づくりに関する指針」が2023年12月に閣議決定されたことを受けて、「こどもの居場所づくりとは」と題する記事を報じた。
WEB防災情報新聞 7月20日付け:防災「こどもの居場所づくり」とは
内閣府や厚生労働省が担っていた事務をこども家庭庁(2023年4月1日、内閣府の外局として発足)に一元化し、そのリーダーシップのもとで、こども・若者の声を聴き、こども・若者の視点に立った居場所づくりを推進していこうというもので、同指針はとくに「災害時におけるこどもの居場所づくり」の項を設けている。
(*編集部注:本稿表記をこども家庭庁の表記と合わせて「こども」に統一。ちなみに同庁の英語表記は「Children and Families Agency」で略称は「CFA(ドメイン名では「cfa.」)」。なお、「こどもまんなか」はこども家庭庁のロゴにも記載されるキャッチフレーズだが、法的な根拠はない)

「災害時などの非常時こそ、こどもの声を聴き、こどもの権利を守ることが必要である。災害時においてこどもが居場所を持ち、遊びの機会等が確保されるよう配慮することは、こどもの心の回復の観点からも重要。今後、避難所におけるこどもの遊び場や学習のためのスペースの設置など、まずは災害時におけるこどもの居場所づくりに関する実態把握を行うとともに、そうした実態を踏まえた施策の推進が求められる」としている。
このほど、こども家庭庁は全国の自治体に対し、「災害時のこどもの居場所づくりの手引き」の活用を呼びかけた。
手引きは東日本大震災の経験などをもとにつくられたもので、大きな災害が発生した場合、それまでこどもが居場所としていた場所が失われがちなだけではなく、大人にも気持ちに余裕がなくなるため、普段以上にこども・若者の声を聴き取りにくくなる。そこで平時及び災害時に、こどもの居場所づくりに取り組むための具体的な方法等についてまとめたもの。これを平時から民間団体と連携して進めるよう通知した。

手引きは、平時の備えから、発災直後・中・長期を含む期間を扱っており、こども支援・子育て支援を担当する行政職員や教職員、保育士・幼稚園教諭・保育教諭・障害児支援に関わる人、こどもの支援に携わる民間の支援団体、地域での防災活動やその他の災害支援に関わる人たちを読者として想定している。
手引きでは、「こどもの特性や事情に応じた配慮と支援」として、「こどもの特性や事情に応じた配慮と支援」、「親を亡くしたこどもや、家族と離れて暮らしているこどもへの配慮」、「アレルギー疾患のあるこどもへの配慮」、「障害をもつこどもや発達に特性のあるこどもへの配慮」、「外国語を母語とするこどもや、文化や宗教への配慮」、「家族への支援や介入の必要性がうかがえるこども」、「支援が届きにくいこども」などに、可能な限り災害発生から2、3日以内に各避難所に子どもが安心して過ごせる場所を確保することが望ましいとし、支援が必要だと判断される場合は、専門機関などにつなぐことが重要としている。

〈2025. 06. 23. by Bosai Plus〉