P1a 「TOKYO強靭化プロジェクト」より 640x350 - 《 TOKYO 強靭化プロジェクト 》<br>関東大震災100年を契機に<br>自助・共助・公助機運を醸成

5つの危機(風水害、地震、火山噴火、電力・通信等の途絶、感染症)と複合災害に取り組む

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●東京都 関東大震災から100年の節目を契機に
 2023年度からの10年間で総額6兆円を投じる
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 東京都は1月27日、2023年度一般会計当初予算案を発表、一般会計は前年度比3.1%増の8兆410億円で過去最大となった。災害に備える「TOKYO強靱化プロジェクト」など、都市機能の強靱化に向けた予算は7397億円と22年度当初比で16.1%増額した。関東大震災から100年の節目となる23年度からの10年間で総額6兆円を投じ、防潮堤のかさ上げや調節池の整備を進める。

東京都:令和5年度予算

 防災関連を見ると、激甚化する風水害の備えとして1710億円を計上、新たな調節池の整備に11億円を組み入れた。新規事業として仙川第一調節池(仮称/小金井市や武蔵野市などを流れる1級河川・仙川に整備)の基本設計に着手する。貯留量は約4万立方mで、年超過確率(災害の発生頻度・確率を示す指標)20分の1規模の降雨に対応する。また、内水氾濫の備えとして芝浦排水機場(港区)などの機能を強化する。

P1a 「TOKYO強靭化プロジェクト」より - 《 TOKYO 強靭化プロジェクト 》<br>関東大震災100年を契機に<br>自助・共助・公助機運を醸成
東京都は、2023年度当初予算案において、「TOKYO強靭化プロジェクト〜『100年先も安心』を目指して」を打ち出した。関東大震災から100年の節目となる23年度からの10年間で総額6兆円を投じる。「自然災害の危機に直面するなかにあっても、都民の生命と暮らしを守り、日本を支える首都東京の機能や経済活動を維持する」とし、5つの危機に対して、都民の安全・安心を確保できる強靭で持続可能な都市を実現しようというものだ(画像クリックで同サイトへリンク)

 防災意識の醸成に向けた事業も進め、地域防災の主体となる町会や自治会を対象に不足している備品の購入にかかる経費を全額補助するほか、都内の木造住宅密集地域にある32万世帯に対し、設定値以上の揺れを感知すると自動で落ちる「感震ブレーカー」を配布する(両事業で30億円を計上)。
 なお、東京消防庁本部庁舎の改築には8000万円を計上。既存の本部庁舎は、災害対応のための諸機能などが不足しているため、新庁舎の規模を拡大する方針だ。

 そのほか、被災時の物資輸送を想定した道路を整備するほか、環境対策については、脱炭素などに関する施策を重点強化している。小池百合子都知事は、太陽光パネルの設置義務化(2025年度制度開始)で注目されたほか、少子化対策費約1兆6千億円(前年度比2千億円増)を計上して、0〜18歳への月5千円給付(所得制限なし)を発表、さらに24年度から都立大授業料の無償化対象を世帯年収910万円未満の学生まで広げるなど、国の施策に先行する新方針をたて続けに打ち出している。

 都知事として国との“対抗心”もうかがわれるが、予算が潤沢な都ならではとの声もある。国は少子化対策や防衛費拡大などの財源が問われるいっぽう、都は予算額の拡大について、物価高騰や資材価格高騰が主な増加要因としながらも、企業業績の回復による都税収入の増加や、既存事業の見直しで必要な財源を捻出するとしている。

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●「TOKYO強靭化プロジェクト〜『100年先も安心』を目指して〜」
 風水害、地震、火山噴火、電力・通信等途絶、感染症の5つの危機+複合災害
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 都の2023年度予算案の目玉として、また防災メディアの視点からも、「TOKYO強靱化プロジェクト」が注目される。都は、「TOKYO強靭化プロジェクト」について、「風水害」、「地震」、「火山噴火」、「電力・通信等の途絶」および「感染症」の5つの危機(+複合災害)に対して、都民の安全・安心を確保できる強靭で持続可能な都市を実現するために「TOKYO強靭化プロジェクト」、副題「『100年先も安心』を目指して」を策定した。

P2 1a 「東京に迫る5つの危機」より - 《 TOKYO 強靭化プロジェクト 》<br>関東大震災100年を契機に<br>自助・共助・公助機運を醸成
P2 1b 「『100年先も安心』を目指して」より - 《 TOKYO 強靭化プロジェクト 》<br>関東大震災100年を契機に<br>自助・共助・公助機運を醸成
上図:「東京に迫る5つの危機」より、下:「『100年先も安心』を目指して」より
P1b 関東大震災100年 東京都 ロゴ - 《 TOKYO 強靭化プロジェクト 》<br>関東大震災100年を契機に<br>自助・共助・公助機運を醸成
東京都「関東大震災100年」ロゴ

 2023年は、関東大震災発生から100年の節目の年となることから、この契機をとらえ、「TOKYO強靭化プロジェクト〜『100年先も安心』を目指して」の一環として、共通のロゴやタグラインを活用し、都民一人ひとりの自らを守る取組みを促すとともに、「自助・共助・公助」に取り組む気運を醸成していくとしている。同プロジェクトには、2040年代までの総事業規模15兆円、今後10年間でそのうち6兆円が投資される。

 2040年代にめざす強靭化された東京の姿を明らかにしたうえで、その実現に向け、都の全庁共通の前提条件として設定した「共通の目線」を踏まえ、今後、都が取り組むべき事業を、5つの危機(「風水害」、「地震」、「火山噴火」、「電力・通信等の途絶」および「感染症」)に複合災害を加えてとりまとめたもの。

 各事業所管局は、相互に連携し、プロジェクトの内容を個別の施策や事業計画等に反映し実施するという。

P2 2a 「将来イメージ:激甚化する風水害から都民を守る」より - 《 TOKYO 強靭化プロジェクト 》<br>関東大震災100年を契機に<br>自助・共助・公助機運を醸成
P2 2b 「将来イメージ:大地震があっても『倒れない・燃えない・助かる』まちをつくる」より - 《 TOKYO 強靭化プロジェクト 》<br>関東大震災100年を契機に<br>自助・共助・公助機運を醸成
上図:「将来イメージ:激甚化する風水害から都民を守る」より、下:「将来イメージ:大地震があっても『倒れない・燃えない・助かる』まちをつくる」より

東京都:TOKYO強靭化プロジェクト

TOKYO強靭化プロジェクト(概要版)より

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●都、「防災船」4隻建造へ、大規模災害時にけが人や支援物資輸送
 「防災船」構想には、病院船、福祉避難所船、災害時多目的船も
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 報道によれば、小池都知事は、首都直下地震などの大規模災害時に、けが人や支援物資を運ぶ「防災船」4隻を建造する方針で、新年度当初予算案に設計費など4億円を盛り込む。なお、東京都には通常時は隅田川等を運航する水上バスがあり、大規模災害が発生した場合には、都の地域防災計画に基づき、防災船として救援物資、医療救護班、患者、帰宅困難者等の移送を担う。

P2 3 兵庫県「福祉避難所船」構想のシンポジウムちらしより(2015年1月) - 《 TOKYO 強靭化プロジェクト 》<br>関東大震災100年を契機に<br>自助・共助・公助機運を醸成
2015年1月15日に開催された兵庫県医師会「阪神・淡路大震災20年『第5回 県民フォーラム』南海トラフ地震に備えて-福祉避難所船「構想から実現へ」-」のちらしより

 予算に盛り込まれた「防災船」がどのような規模になるのか、本紙は現段階で不明だが、いわゆる災害時に運航・運用が期待される“防災船”(その機能に応じて福祉避難所船、災害時医療支援船、災害時多目的船などの呼び方もある)について本紙は、これまで何度か取り上げてきた。
 ちなみに船舶を非常時に病院として活用する例として、本格的なものとしては米国の「病院船マーシー」があり、病院船は、米国や中国、ロシア海軍などが所有していて、これらの船舶には手術室や病室、ヘリポートなどが備えられ、船上で治療や手術などを行うことができるというもの。
 都が構想する「防災船」については、詳細がわかり次第、リポートしたい。

内閣府(防災担当):災害時多目的船(病院船)

〈2023. 02. 01. by Bosai Plus

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