「防災」観点からも ロシアのウクライナ侵攻を指弾する

 毎年のことながら、2022年もわが国では全国各地で災害が起こった。それでもいわゆる多数の死傷者を出す大規模災害はなかったということは、比較的穏やかな年だったと言えるかもしれない(ただし、大災害ではなくても被災者一人ひとりにとっては被災は重大事であることは言うまでもない)。

 そんななかで、海外“有事”ではあるが、2月24日のロシアによるウクライナ侵攻開始はいわばレベル違いの大災害となり、長期化も懸念されている。防災はそのカテゴリに戦争・紛争は含まないが、ウクライナ兵とその国民(そしてロシア兵)の人命損傷、とくにウクライナでの街とコミュニティの破壊は、大規模かつ非人間的な破壊活動だと指弾したい。
 防災分野で「自然災害犠牲者ゼロ、一人も取り残さない」「福祉と防災の連携」「女性視点の防災」などをめざす私たちとしては、この事態に無力感に打ちひしがれる。願わくば一刻も早い停戦・和平交渉を。

P6 1 2022年に発生した主な自然災害 - 2022年の災害、災害要因 振り返り<br> 地震・猛暑・台風など
2022年に発生した主な自然災害(ソニー損保広報資料より)

▼ 1月:1月15日にオーストラリアの東に位置する島国、トンガの沖で大規模な海底火山の噴火が起こり、太平洋側全域に津波注意報・警報を発出された。わが国ではこのとき神奈川県で緊急速報メールの誤配信が問題になった。
 22日に日向灘でM6.6の地震が発生し、大分県、宮崎県で最大震度5強を観測した。
▼3月:東電「でんき予報」が3月22日に電気使用量100%突破、節電の呼びかけ
▼4月:4月19日、茨城県で最大震度5弱の揺れ(震源は福島県中通り、M5.4)
  北海道知床半島沖で観光船「KAZU I」(カズワン)が消息を絶ち、船内浸水後に沈没。乗員・乗客合わせて26名全員が死亡・行方不明
▼ 5月:5月13日に横浜市青葉区などで広域な停電が発生。翌14日未明まで7時間にわたり最大で約6万9000軒に影響。
 5月28日に沖縄県宮古島地方で猛烈な雨と突風。道路冠水の被害など
▼ 6月:6月19日に能登地方でM5.4の地震、石川県珠洲市で最大震度6弱を観測。翌20日にはM5.0の地震があり珠洲市で最大震度5強を観測
  6月下旬に猛暑となり、26日には東京電力管内に初の「電力需給ひっ迫注意報」が発令され30日まで継続

▼ 7月:台風4号が7月5日に長崎県佐世保市付近に上陸。高知県西部に線状降水帯の発生発表。四国、近畿地方で記録的な大雨、家屋の浸水、土砂崩れなどの被害
▼ 8月:8月14日以降も前線の停滞により各地で記録的な大雨。その後も線状降水帯などによる大雨が続き、河川の大幅な増水や氾濫も相次ぎ、多くの家屋に被害
  8月24日には桜島が大噴火を起こした。大きな噴石が火口から約2.5kmまで達するなどし、噴火警戒レベル5(避難)に一時引き上げ
  8月11日に北海道上川地方北部を震源とするM5.2の地震、最大震度5弱。その18分後に同じく上川地方北部を震源とするM5.4の地震、中川町で最大震度5強を観測
▼ 9月:台風14号が9月18日に鹿児島市付近に上陸。いったん日本海側に抜け、新潟市付近から再び上陸、20日に温帯低気圧に
▼10月:10月5日に大隈半島沖でM5.9最大震度5弱
▼11月:11月14日に発生した三重県南東沖を震源とするM6.4の地震で異常震域が発生、福島県や茨城県で震度4を観測
▼12月:各地で大雪、新潟など北陸地方を中心に交通網の混乱や停電など

〈2023. 01. 02. by Bosai Plus

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