image UNEP「Sand and Sustainability 2022」 - UNEP「砂と持続可能性」報告

地球「砂不足」進行中 河川や海岸線を破壊する採掘

海岸での砂の採取の禁止、
浚渫(しゅんせつ)に対して国際基準を設定するよう勧告

P4 1 UNEP「Sand and Sustainability 2022」表紙より - UNEP「砂と持続可能性」報告
UNEP「Sand and Sustainability 2022」表紙より

 地球が砂漠化していると言われるが、国連環境計画(UNEP:United Nations Environment Programme)がこのほど公表した「Sand and Sustainability(砂と持続可能性)〜危機を回避するための10の戦略的提言〜」報告は、人類は「砂不足」の危機に直面していると、真逆の警告を発している。

 同報告は、「砂」は17の持続可能な開発目標(SDGs)すべてに直接的または間接的にリンクされていて、その戦略的重要性は大きい。

 いっぽう、砂は実は水に次いで最も人間に利用される天然資源で、その消費量は年間500億トンに及ぶが、砂の浚渫(しゅんせつ)、調達、使用および管理は、世界の多くの地域でほとんど管理されておらず、多くの環境的および社会的影響をもたらすが、ほとんど見過ごされているとし、このままでは河川や海岸線を破壊し、小さな島々を消滅させる可能性さえあるとして、危機回避に向け、砂浜の浚渫禁止を含む緊急対策を呼びかけている。

 同報告は「提案」で、海洋環境から砂を浚渫する方法に関する国際基準の策定、またビーチからの砂の採取の禁止などを推奨。「私たちの砂資源は無限ではなく、賢く使う必要がある」としている。

UNEP:Sand and Sustainability: 10 strategic recommendations *英語サイト

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UNDRR 世界防災白書(GAR)
「人的活動で災害誘発、頻度はさらに高まる」
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 国連防災機関(UNDRR:The United Nations Office for Disaster Risk Reduction)は、人間の活動が災害増加を招いており、過去20年間に年350〜500件の中・大規模災害が発生しているという世界防災白書「GAR」(Global Assessment Report)を発表した。その多くは火災や洪水など自然災害に関連しているが、パンデミック(感染症世界的大流行)や化学関連事故なども含む。発生は2030年までに年間560件、1日当たりでは1.5件に達する可能性があり、数百万人の生命が脅かされるとみられるとし、災害頻度は今後さらに増す見通しだという。

P4 2 UNDRR「GAR」 - UNEP「砂と持続可能性」報告
国連防災機関の世界防災白書(GAR)サイトより

 気候変動でより極端な気象現象が生じていて、人類が下す決断はあまりに視野が狭く、災害リスクの可能性に対して楽観的すぎて無防備になっていると指摘。自然災害に脆弱な地域の人口増大も災害影響の増加につながっているとみている。

UNDRR:the Global Assessment Report on DRR(GAR)*英語サイト

〈2022. 05. 01. by Bosai Plus

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