「FOMM ONE」のテストドライブ・イベントで(2018.11. FOMM提供)

日本のEVベンチャーFOMMの「FOMM ONE」

 省エネ、地球温暖化対策の観点から、エネルギー効率やCO2排出量に優れた性能を持つ電気自動車(Electric Vehicle/以下「EV」)がいま世界中で注目され、市場導入が始まっている。EVは、外部電源から車載のバッテリーに充電した電気を使って、電動モーターを動力源として走行するクルマで、ガソリンを使用しないため、走行時のCO2排出量はゼロ。これからの時代における重要なエコカーになると見られている。

P6 1 水に浮く車「FOMM ONE」 - 水に浮く4人乗り小型電気自動車
水に浮くEV「FOMM ONE」(FOMM HPより)

 EVの特徴は、エンジンがないので騒音・振動が少ない、モーター駆動による走行のため発進は力強く加速もスムーズ。航続距離(一充電走行距離)は150~650km程度で、充電時間は、急速充電器なら約30~60分で80%の充電が可能。防災面でも、停電時に家電製品等に電気を供給するなど、災害時の電源となる可能性もある。

 環境面ではエネルギー源の多様化に貢献するが、EVのエネルギー源となる「電源」が二酸化炭素を多く排出すれば意味がない。EV用の電気を「ゼロエミッション電源」、すなわち水力発電や太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギー、原子力発電、水素発電などでつくることが可能になれば、EV普及は一挙に加速すると見込まれる。

 株式会社フォム(FOMM、神奈川県川崎市)は、実用的な電気自動車の企画・開発・製造・販売を東南アジアを中心に展開し、量産普及をめざす日本のEVベンチャー企業だ。その主力・4人乗りEV「FOMM ONE」が先ごろ、日本の軽自動車規格を取得、CEV補助金(クリーンエネルギー自動車補助金)の認定車両として登録され、試験的に(さいたま市)でカーシェア・サービス始めた。

 ここで取り上げた理由は、この「FOMM ONE」の最大の特徴が、「水に浮くEV」だからだ。電気モーターなら防水すれば水中でも動く。水害時にクルマが水没することなく、ゆっくりだが水上を移動することもできる。津波や洪水では漂流物との衝突などのリスクがあるが、市街地浸水やアンダーパス浸水時には“浮く”ことでリスクを回避することができる。
 車は今後、さらに各種防災機能を付加する可能性もあり、乞うご期待だ。

FOMM

〈2021. 09. 06. by Bosai Plus

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