“家庭内被災、避難所崩壊”にも備える(目黒公郎教授が監修)

 株式会社プラネックス(東京都墨田区)が7月1日「国民安全の日」を期して、『「在宅避難生活のススメ」家族を守る・・・さとう家の場合』の販売を開始した。

P6 1a プラネックス刊『在宅避難生活のススメ』 - 在宅避難に特化<br>『在宅避難生活のススメ』
目黒公郎・東京大学教授が監修した『「在宅避難生活のススメ」家族を守る…さとう家の場合』表紙より

 プラネックスは創業から30年以上にわたり、住宅建築現場の労働災害防止をメインに安全教育教材の制作・販売に携わってきた。同社社長・川内一毅さんは、住宅企業が耐震性の高い安全な家を建てても、居住者の「住まい方」ひとつで大規模災害時に家具の転倒や火災などで生死を分けてしまう現状に、今後は居住者の安全もサポートしたいと考えた。
 そこで、普段の生活を災害に強いライフスタイルにするフェーズフリーの考え方を啓発することとし、同時に大規模災害時には想定される“避難所崩壊”対策として、自宅を避難所として機能させる=「在宅避難」を提唱するガイドブックを制作した。

P6 1b プラネックス刊『在宅避難生活のススメ』より - 在宅避難に特化<br>『在宅避難生活のススメ』
『在宅避難生活のススメ』より、耐震性の高い住宅でも家具の配置が命にかかわる

 『在宅避難生活のススメ』は、電気・ガス・水道が止まっても「1週間は安全に生きる」をコンセプトに、防災関連本では珍しいQRコード/映像連携型での解説を採用。2021年5月20日施行の災害対策基本法一部改正に伴う「避難情報に関するガイドラインの改定」も反映(警戒レベル一覧表変更、 “避難勧告”から“避難指示”という用語変更など)し、「withコロナ」時代の新しい在宅避難生活を提言している。

 プラネックスでは、「耐震性の高い建物に住んでいる人こそ必読、耐震性が高くても家具の下敷きになっては意味がない」とうたっている。

・『「在宅避難生活のススメ」家族を守る…さとう家の場合』:1冊955円(税共・送料込み)

プラネックス:『「在宅避難生活のススメ」家族を守る…さとう家の場合』

 なお、『在宅避難生活のススメ』は、都市防災研究者として知られる目黒公郎・東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター長・教授の監修のもとで制作。目黒公郎教授は、「平時と有事を分けないフェーズフリーな防災対策は、平時の生活の質の向上が主目的で、それがそのまま災害時も有効活用できる」としている。

 ちなみに、目黒教授は一般社団法人防災事業経済協議会(BOCO)代表理事で、BOCOは「多様な企業が集うことで、優れた商品、サービス、開発力、ネットワーク等を融合し、個々の企業では成しえなかった防災事業の可能性を広げる仕組み」だとしている。プラネックス・川内一毅社長は同協議会・住宅防災部会長を務める。

〈2021. 07. 18. by Bosai Plus

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