「2040年、道路の景色が変わる」より「店舗(サービス)の移動」イメージ

「ウォーカブルなまちづくり」の20年後、
「道路の景色は変わる」

 国土交通省はこのところ、「ウォーカブルなまちづくり(居心地が良く歩きたくなるまちなか)」(本紙既報)など、それこそ“クオリティ・オブ・ライフ(”高い民度)を追求する方向性に転換(?)したかのような政策が打ち出されている。
 その一連の動きとして去る6月18日、社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会の提言として、道路政策ビジョン「2040年、道路の景色が変わる」を大臣に手交した。

 同ビジョンは、道路政策を通じて実現を目指す2040年の日本社会の姿と政策の方向性をまとめたもので、ビジョンの目標として、普遍的な価値観である「人々の幸せの実現」を設定しつつ、「進化と回帰」をテーマとしている。国交省では、このビジョンを問題提起として、ポストコロナの新しい生活様式(ニューノーマル)や社会経済を支えるため、今後、ポストコロナの道路施策について検討していくとしている。

【 ビジョン「2040年、道路の景色が変わる」の概要 】

 ビジョンでは、今後、「移動」がどう変わり、「道路の景色」がどう変化するのか、「5つの将来像」を予測しつつ「10の政策の方向性」を分かりやすいイラストとともに提案している。

>>ビジョン「2040年、道路の景色が変わる」トップページ

「2040年、道路の景色が変わる」より「店舗(サービス)の移動」イメージ
「2040年、道路の景色が変わる」より、上画像: 「店舗(サービス)の移動」イメージ。下:「BRT や自転車等を中心とした低炭素な交通システ ム」イメージ
「2040年、道路の景色が変わる」より、上画像: 「店舗(サービス)の移動」イメージ。下:「BRT や自転車等を中心とした低炭素な交通システ ム」イメージ

 「5つの将来像」とは――
①通勤・帰宅ラッシュが消滅:テレワークの普及により通勤等の義務的な移動が激減。居住地から職場までの距離の制約が消滅し、地方への移住・居住が増加

②公園のような道路に人が溢れる:旅行、散策などを楽しむ移動や滞在が増加。道路がアメニティ空間としてポテンシャルを発揮

③人・モノの移動が自動化・無人化:自動運転サービスの普及によりマイカー所有のライフスタイルが過去のものに。eコマースの浸透により物流小口配送が増加し、無人物流も普及

④店舗(サービス)の移動でまちが時々刻々と変化:飲食店やスーパーが顧客の求めに応じて移動し、道路の路側で営業。中山間地では、道の駅と移動小型店舗が生活サービスを提供

⑤「被災する道路」から「救援する道路」に:災害モードの道路ネットワークが交通・通信・電力を途絶することなく確保し、人命救助と被災地復旧を支援

 「10の政策の方向性」の防災関連の記述では、「国土の災害脆弱性とインフラ老朽化を克服した安全安心して暮らせる社会」として、「災害から人と暮らしを守る道路:激甚化・広域化する災害に対し、耐災害性を備えた幹線道路ネットワークが被災地への人流・物流を途絶することなく確保し、人命や経済の損失を最小化」としている。

 2040年は20年先――「道路の景色を変える」は“キャッチィな響き”だが、実は目新しいものではなく、半世紀以上前の1960年代から車社会への批判はあった。改善策が提案・試行され、70年の夏季に東京都内の繁華街4地区で初めて歩行者天国が実施された。しかし、道路は法令上、依然として「一般交通の用に供する道」で、“規制の岩盤”ではある。

>>国土交通省:新しい日常に対応するための当面の道路施策

〈2020. 07. 23. by Bosai Plus

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